地球の未来と生物多様性 ウィーク
Agenda2025関連プログラム「Visionary Exchange」
2025年日本国際博覧会協会
Agenda2025関連プログラム「Visionary Exchange」と題して、「地球の未来と生物多様性」をテーマにしたビジネス交流を開催します。この会合には万博の公式参加者のビジネス代表団、大学、科学者、政府関係者、アジェンダ2025主催プログラムのパネリスト、および日本の産学官等関係者が一堂に会し、テーマに沿ったディスカッションやネットワーキングを行います。(招待者のみのイベントです)
ビジネス交流
- 気候変動
- 生物多様性
- 再生可能エネルギー
| 同時通訳 | 提供する |
|---|---|
| 発信言語 | 日本語及び英語 |
-
アジェンダ2025
主催プログラム
- 開催日時
-
-
2025年09月18日(木)
10:30 ~ 13:15
(開場 10:00)
-
- 開催場所
- EXPOサロン
プログラム内容
今世紀半ばに向け、気候変動や生物多様性の喪失が社会と経済の存立に影響を及ぼすと予測されており、私たちの生き方の根本的な転換が求められています。今回のVisionary Exchangeでは、「地球の未来と生物多様性」をテーマに、自然とともに繁栄する未来社会のためのビジョンを共有し、多様な生命が生き続けられる地球の条件を複合的な観点から考察します。UNEPが提唱する、社会と環境の両方に貢献する成長のみが価値を持つというネイチャー・ポジティブ経済の概念を土台に、各国の政策リーダーと実務家と共に、2030年以降に向けた国際協調の方向性を描きます。
10:00 開場/ウェルカム・コーヒー
10:30~12:00 第1部 スピーチ・プレゼンテーション
メイントピック:「地球の未来と生物多様性」(豊かで多様ないのちが住む地球を未来に残すために、私たちは何をすべきか?)
1.「地球の未来(エネルギー)」
世界のエネルギーシステムはなお化石燃料に大きく依存し、温室効果ガスの主要な排出源となっています。このセッションでは、エネルギー安定供給・経済性・環境保全のバランスをどのようにとっていくのかを、多角的な観点から議論します。国によって地理的条件や歴史的経緯が異なるため、エネルギーミックス、炭素循環の仕組み、地域コミュニティ中心の分散型電力網など、目指すモデルも多様です。
登壇者たちは、それぞれの国が培った知見を紹介しながら、エネルギー転換が産業競争力や人々の暮らしにもたらす影響、循環型経済が資源効率と環境負荷の低減に果たす役割、そして国際連携のあり方について議論を行います。
スピーカー:
ペーテル・シーヤールトー(ハンガリー外務貿易大臣、ハンガリー)
マラク・タラル・アルノリー(サウジアラビアエネルギー省 持続可能性および気候変動に関する上級顧問、サウジアラビア)
アレッサンドロ・ベヴィトーリ(サンマリノ共和国 労働・経済計画・A.A.S.S. 関係・生態系移行・技術革新大臣、サンマリノ)
2.「地球の未来(気候変動)」
気候変動対策では、排出削減と適応の両立、公正な移行、地域特性に応じたイノベーションが課題となっています。当セッションでは、いかにして脱炭素とレジリエンスを同時に進められるのか、意見を交わします。公共衛生と環境保全の結びつきや、新興技術が持つ可能性、教育や制度設計が果たす役割に焦点を当てつつ、発展途上国や脆弱な地域社会が公平に恩恵を受けるための仕組みを議論します。
スピーカー:
レイア・アルダマニ(PureHealth 最高サステナビリティ責任者、UAE)
イアン・オハラ(クイーンズランド工科大学 工学部副学部長、オーストラリア)
3.「生物多様性」
生物多様性は食料や文化の基盤であり、その喪失は人類の存続に関わる問題となります。自然資本を回復するためには、生態系を支える地域の知恵とグローバルな取り組みの両方が欠かせません。当セッションでは、豊かな生態系を持つ地域が直面する危機や保全の取り組みを紹介するとともに、都市における自然との共生、伝統文化の継承、教育・啓発の重要性を議論します。
さらに、多様なステークホルダーが連携し、ネイチャー・ポジティブ経済への移行を進めるための政策と実践を検討します。
スピーカー:
イボンヌ・テイ(テマセク・ショップハウス、テマセク・トラスト、ゼネラルマネージャー、シンガポール)
ジェローム・L・モンテマヨール(ASEAN生物多様性センター事務局長、ASEAN)
12:00~13:15 第2部 ランチ・ネットワーキング
実施レポート
【セッション1.地球の未来(エネルギー) 】
-プログラム要旨
本セッションでは、「地球の未来(エネルギー)」をテーマに、エネルギーの安定供給・経済性・環境保全の三要素をいかに調和させるかが多角的に議論された。電気自動車や人工知能の普及による電力需要の増加を背景に、各国の政策的アプローチと技術革新の方向性が示された。登壇者には、ハンガリーのペーテル・シーヤールトー氏、サウジアラビアのマラク・タラル・アルノリー氏、サンマリノのアレッサンドロ・ベヴィトーリ氏を迎え、原子力を中心とする安定供給モデル、循環型炭素経済、地域分散型の再生可能エネルギー導入など、それぞれの戦略が紹介された。討議では、エネルギーミックスの多様化、AI時代の電力需要管理、素材生産を含む包括的な脱炭素化の重要性が共有された。登壇者は、エネルギー政策が単なる供給問題ではなく、社会の持続可能性を支える基盤であることを強調した。
-ペーテル・シーヤールトー氏 発言要旨
持続可能なエネルギー供給には四つの原則が重要だと述べた。第一に、地理とインフラの現実を尊重する必要があり、パイプラインなどの物理的条件が供給の可否を決定すると指摘。第二に、エネルギー供給は物理的問題であり、政治やイデオロギーによる過度な介入は危険だと警告した。第三に、エネルギーミックスの構成は各国の主権に関わる事項であり、制裁によってその供給を脅かすべきではないと述べた。また、電気自動車や冷暖房、人工知能の普及により電力需要は急増しており、安全で安価かつ環境に配慮した供給を可能にする唯一の手段は原子力であると主張。原子力への政治的攻撃は将来の安定供給を損なうと警鐘を鳴らした。最後に、ハンガリーでは原子力の比率を70%に高める計画を進め、ロシア、ドイツ、フランス、米国と連携して新技術を導入していると説明。原子力こそが持続可能な電力供給と東西協力の再構築を実現する鍵だと結んだ。
-マラク・タラル・アルノリー氏 発言要旨
冒頭、持続可能なエネルギー供給を実現するうえで、特定のエネルギー源を非現実的に否定する姿勢は問題だと述べた。その上で、気候変動に関する国際的な枠組みとして、国連気候変動枠組条約、京都議定書、パリ協定などを挙げ、各国が国内法や金融メカニズム、炭素市場を通じて削減目標の達成に取り組んでいる現状を説明した。しかし、現実には気候変動対策と経済成長、エネルギー安全保障の間に大きな乖離があると指摘。特に、いまなお30億人が十分なエネルギーアクセスを持たない事実を挙げ、気候変動・経済成長・エネルギーアクセスを一体的に捉える「三位一体」の視点が不可欠だと強調した。最後に、排出削減の進捗が遅れている現状を踏まえ、科学的根拠に基づいた包括的なアプローチの必要性を訴えた。あらゆるエネルギー源を活用しつつ、炭素回収・利用・貯留(CCUS)など技術的解決策への投資を加速させるべきだと述べ、サウジアラビアが採用する「循環型炭素経済」をその実践例として紹介した。
-アレッサンドロ・ベヴィトーリ氏 発言要旨
サンマリノ共和国は、小国でありながらも安全で持続可能かつ自立したエネルギー供給という重要課題に直面していると述べた。クリーンエネルギーへの移行はもはや選択ではなく、国家の戦略的必然であるとし、国際連携や官民パートナーシップを通じて知識と技術を結集する姿勢を強調した。その具体例として、太陽エネルギーを活用したエネルギーコミュニティ構想を紹介。屋上や未利用地を発電拠点に変え、家庭や企業、教育機関にクリーンエネルギーを供給することで、コスト削減と環境負荷の低減を同時に実現すると述べた。Atlas Solar 12社の買収を「未来への投資」と位置づけ、当面は国内需要の78%を賄う計画であると説明した。さらに、公共施設や学校への投資、責任ある消費を促すインセンティブ制度、国際協力の活用など、複合的な取り組みの必要性を訴えた。エネルギー自立は単独では達成できず、地域・世界規模の協働を通じてこそ実現可能だとし、「行動すれば未来は今日から始まる」と締めくくった。
-参加者からの質問/コメント①
参加者から原子力が唯一の解決策であるとの見解に賛同する意見が寄せられた。そのうえで、大規模発電所と小規模モジュール炉(SMR)の位置づけをどのように考えるか、また責任あるエネルギーミックスの実現に向け、民間企業が送電設備の整備や電力の還元に関与する可能性について見解を求められた。
-ペーテル・シーヤールトー氏の回答/意見
小型モジュール炉(SMR)は将来的に大きな可能性を持つものの、現時点では稼働実績がなく、依然として理論上の存在にとどまっていると指摘した。そのため、当面は既存技術を用いた大規模原子力発電所の建設を優先し、技術が成熟すれば主要発電所や工業地帯の近隣に複数のSMRを配置し、新たな電力需要に直接応える方針を示した。特に電気自動車や電池産業の拡大に伴い、大量の電力を産業立地に直結させることが戦略的に重要であると述べた。一方、原子力分野は安全保障上の観点から国家の専管事項であり、民間参入は認められないと明言した。国有体制こそが国民の信頼を支える基盤であると強調し、運営は常に政府が担うと述べた。その上で、太陽光発電では民間の積極的な関与を期待しており、欧州最大級の屋上ソーラーパークを事例に、再生可能エネルギー拡充と分散型電源の推進が未来の持続可能な供給を保証する鍵であると結んだ。
-参加者からの質問/コメント②
参加者から再生可能エネルギーに限らず多様な技術を組み合わせる必要があるとの前提に賛同する意見が寄せられた。その上で、今後のAIや新技術の普及によってエネルギー需要が増加し続けると想定してシステムを設計すべきか、あるいは供給側だけでなく需要側のあり方を見直すべきかという問題提起がなされた。具体例として、厳格なビジネスウェアや冷房環境に象徴される無駄な消費行動を改め、需要削減の視点を政策に組み込む必要性があるのではないかと問われた。
-マラク・タラル・アルノリー氏の回答/意見
エネルギー供給の持続可能性を確保するには供給側と需要側の両面からの取り組みが不可欠であると認めた。ただし現実には、技術の進歩にもかかわらず依然として30億人が適切なエネルギーアクセスを持たず、新たな需要が日々生まれているため、需要の増加を前提に対応することが避けられないと指摘した。そのうえで、各国は自国の資源を基盤としつつ、エネルギーミックスの最適化を図る必要があると述べた。特に、排出削減と気候変動対策、生活水準の維持、経済成長の確保という「三重苦」に同時に対処することが重要であり、この均衡をいかに実現するかが今後のエネルギー政策の核心になると結んだ。
-参加者からの質問/コメント③
参加者からエネルギーを語る際には単に供給手段だけでなく、人類が必要とする住宅や製品製造と不可分である点を考慮すべきだとの意見が寄せられた。特に、バッテリーや金属、セラミックといった素材の生産には膨大なエネルギーを要するため、エネルギー利用の在り方を切り離して議論することはできないと指摘。さらに、循環型経済の視点を取り入れ、製造段階でのエネルギー効率化や二酸化炭素排出削減に取り組む必要があると訴えた。
-アレッサンドロ・ベヴィトーリ氏及びマラク・タラル・アルノリー氏の回答/意見
アレッサンドロ・ベヴィトーリ氏は、持続可能な未来は現在の選択にかかっていると述べ、サンマリノにおける太陽光発電への投資を例示した。これは環境保護に資するだけでなく、新たな雇用創出や国際的協力を通じて最善の道を示すものだと強調した。続いてマラク・タラル・アルノリー氏は、質問自体がエネルギー転換の本質を示していると指摘した。すなわち、世界は既存の状況から、再生可能エネルギーや原子力、炭化水素などあらゆるエネルギー源を技術革新と組み合わせて活用する未来へと移行すべきであると述べた。その具体例として、サウジアラビアがCCSと連携した全事業の展開を進め、世界最大規模の炭素回収ハブを建設していることを紹介。2030年までに44ギガトンの規模を達成する計画を示し、多様なエネルギーと炭素管理技術の組み合わせこそが課題解決の道であると結んだ。
【セッション2:地球の未来(気候変動) 】
-プログラム要旨
本セッションでは、「地球の未来(気候変動)」をテーマに、健康・経済・エネルギーの相互関係を踏まえた持続可能な社会の構築について議論が行われた。気候変動の進行に伴う健康被害や社会的コストの増大を背景に、科学的根拠に基づく包括的アプローチの重要性が共有された。再生可能エネルギーの拡充、炭素回収・貯留などの技術革新に加え、社会全体の行動変容と意識改革を促す仕組みづくりが求められるとの認識が示された。登壇者には、アラブ首長国連邦のレイア・アルダマニ氏と、オーストラリアのイアン・オハラ氏を迎え、エネルギー転換における公衆衛生・経済政策・技術革新の視点から各国の取り組みと課題を共有。環境対策を経済成長や健康改善の機会と捉え、官民・国際間の協働による持続的な成長モデルの構築を目指す方向性が示された。
-レイア・アルダマニ氏 発言要旨
気候と生物多様性を人間から切り離して語ること自体が誤りであり、環境の崩壊は人間の健康の崩壊でもあると指摘した。気温上昇や大気・水質汚染、生物多様性の損失が呼吸器疾患や食料不安を招き、医療システムに深刻な影響を及ぼしていると述べ、これは単なる環境問題ではなく公衆衛生上の緊急事態であると強調した。
また、企業や医療機関には、エネルギー利用や土地利用における意思決定の際に健康への影響を考慮する倫理的責任があると訴えた。医療部門自体も世界の温室効果ガス排出の4〜5%を占めており、現状は持続不可能な悪循環にあると述べた。そのうえで、医療のデジタル化や循環型医療の導入、AIによる健康管理、遠隔医療への投資など、環境負荷を抑えながら健康を向上させる実践例を紹介した。ピュアヘルス社では国の目標より10年早くネットゼロを達成する計画を進めており、医療を「レジリエンスの力」として再定義し、人と地球の長寿を両立させることが可能であると結んだ。
-イアン・オハラ氏 発言要旨
気候変動に関連する地球規模の課題に対し、食料、エネルギー、生物多様性の再生を同時に実現する包括的なアプローチが必要だと強調。増加する人口を支えるためには食料生産を50%、エネルギー供給を50%拡大する必要がある一方、今後30年で排出量を実質ゼロにするという相反する課題に直面していると述べた。世界では年間1000億トン以上の物質が消費され、わずか8%しかリサイクルされていない現状を指摘し、今後は資源を再利用し、再生可能で循環的な経済構造への転換が不可欠であると述べた。バイオ経済をその中核に据え、再生可能エネルギーや廃棄物を燃料や素材として活用し、化石燃料依存を減らすべきだと主張。航空・海運など脱炭素化が難しい分野では、イノベーションと国際協力が鍵になるとし、慎重なガバナンスのもとで新燃料の導入やコスト削減を進める必要があると述べた。オーストラリアの豊富な太陽光と農業資源を活かし、日本など他国との連携を通じて、持続可能で公平なエネルギー転換を実現できると結んだ。
-参加者からの質問/コメント①
参加者から日本の地域社会における生物多様性の理解と実際の生活・行動との乖離を課題として指摘する質問が寄せられた。多くの人々が、環境や健康の問題を日常生活と切り離して捉えており、地域社会の中にこうした意識を根付かせるにはどのような取り組みが必要か、具体的な経験をもとに意見を求めた。
-レイア・アルダマニ氏の回答/意見
地域に根差したパートナーシップを中核に、健康と環境を一体で捉える実践を進めるべきだと述べた。政府機関、教育機関、慈善団体と協働し、学校内に健康クリニックを設置して運動と栄養指導を提供し、保護者と教師も巻き込む体制を整え、高齢者にはバラカトナと呼ばれるクリニックで多様なプログラムを実施し、継続的な運動と生活習慣の改善を支援した。さらに、無料のデジタルツール「Pura」によりオンライン診療や薬の配送、メンタルヘルス支援、運動プログラムを提供し、通院が難しい人にもアクセスを確保した。中東で増える熱中症や呼吸器疾患への対応として、コミュニティセンター「メジャーリスト」を拠点に啓発と早期介入を広げ、個々が自ら健康を管理できるよう情報提供を強化した。これらの取り組みで医療を事後対応から予防・公平性重視へ転換し、地域社会の中で人々が自らの健康行動を通じて生物多様性と環境保全に参加する文化を醸成できると結んだ。
-参加者からの質問/コメント②
健康・生物多様性・温暖化の関連を論じながら、プラントベースフードへの言及がなかった点を問題提起。世界的に植物性食品へ移行すれば農地の約80%を森林に戻し、生物多様性の回復に資するとして、健康議論の中心に据えるべきではないかと問いた。
-レイア・アルダマニ氏の回答/意見
持ち時間の制約で触れられなかったが論点には全面的に同意すると応じた。本質は食の生産と選択にあり、加工度が高く出所の不明瞭な食品よりも、体が理解しやすい“クリーンな食”を社会全体で広げる必要があると主張。とりわけオーガニックで入手しやすく、旬を尊ぶ食生活は、疾病予防と環境負荷の低減を同時に進める道だと位置づけた。一方で、遺伝子組換えなどの“フランケンシュタイン食品”には慎重であるべきだと指摘し、食の在り方を巡る開かれた公共議論を進める必要性を提起。
-参加者からの質問/コメント➂
公衆衛生とエネルギーの議論を経済面から捉えた質問が投げかけられた。気候変動や生物多様性への対策にはGDPの1.5%の投資が必要だが、何もしなければ7%の損失を被るとの分析を引用し、全員が「利益のためではなく損失を防ぐため」にその費用を分担することを、社会全体にどう理解させるかが問われた。特定の国や企業に偏らない公平なコスト共有の仕組みをどう構築できるか、その方法を尋ねた。
-イアン・オハラ氏及びレイア・アルダマニ氏の回答/意見
イアン・オハラ氏は 問題の核心はイノベーションの欠如にあると述べた。コストは容易に測定できるが、対策による長期的な利益は見えにくいため、社会全体が投資の意義を実感しにくいと指摘。科学技術だけでなく、政策、金融、経済の各分野で革新を起こし、既存の発想にとらわれない枠組みを整える必要があると強調した。過去の延長で未来を設計するのではなく、全ての領域で創造的変革を進めることで、持続可能な社会を築けると結んだ。
続いて、レイア・アルダマニ氏は、経済の議論に偏る風潮に警鐘を鳴らし、健康こそが真の経済基盤であると述べた。通貨や金融よりも、人々の健康を中心に据えた発想転換が必要であり、医療のように「スイッチを入れて」積極的に行動する姿勢が求められると主張した。健康をコモディティではなく社会の原動力として捉え、GDPを重視しつつも、それを超えた価値創造の仕組みへ移行することが重要だと強調した。
【セッション3:生物多様性 】
-プログラム要旨
本セッションでは、「生物多様性」をテーマに、都市開発と自然環境の調和を通じた持続可能な社会の実現について議論が行われた。生態系の保全を環境課題にとどめず、人々の健康、教育、福祉、地域経済の基盤として位置づける視点が共有された。生物多様性の損失が人類の生活や幸福に直結するとの認識のもと、都市空間や地域社会の中で自然との共生をいかに制度的・文化的に定着させるかが主要な論点となった。登壇者には、シンガポールのイボンヌ・テイ氏と、ASEANのジェローム・L・モンテマヨール氏を迎え、都市と自然の共存を促す政策・教育・パートナーシップの取り組みを紹介。地域協力の枠組みや若者・民間セクターの参画を通じ、アジア全体での持続可能な発展と生物多様性の再生を目指す方向性が示された。
-イボンヌ・テイ氏 発言要旨
シンガポールが建国60年を迎える若い国でありながら、限られた資源を最大限に活かし、自然と都市を融合させた持続可能な発展を実現してきたと述べた。国家のビジョン「自然の中にある都市」のもと、緑の回廊や公共空間を通じて、人と自然が共存する都市づくりを進めていると説明。続いて、自身が関わる「テマセク・ショップハウス」を紹介。築100年を超える歴史的建造物を再生し、社会的・環境的価値を併せ持つ非営利ハブとして運営していると述べた。ここでは、コミュニティ間の交流を促し、文化を尊重しながら再生可能な未来を育む場を創出していると強調。また、建築や造園においては地元の植物を活用し、鳥や蝶が生息できる環境を整備していると説明。地域の大工が古木を家具に再利用するなど、循環的なデザインの実践を紹介した。最後に、持続的な変化を生むには教育とアドボカシーが不可欠であり、市民が共通の目的意識を持って行動することが鍵だと締めくくった。
-ジェローム・L・モンテマヨール氏 発言要旨
ASEAN地域が世界の陸地のわずか3%に過ぎないにもかかわらず、既知の動植物の25%が生息し、6億8000万人が暮らす生物多様性の宝庫であると紹介した。ASEAN生物多様性センターは創立20周年を迎え、国際的な技術・科学協力拠点として、地域の生物多様性保全を推進していると述べた。続けて、加盟国間での協力強化の重要性を強調し、昆明・モントリオール世界生物多様性枠組みの実現に向けた地域行動計画の実施や、侵略的外来種対策、湿地保護を目的とした「ASEANグリーン・イニシアチブ」などを紹介した。また、若者や地域社会の参加が今後の鍵であると指摘。さらに、ASEAN遺産公園の拡充や海洋保全、知識共有のためのクリアリングハウス、出版物「ASEAN生物多様性展望」などの取り組みを挙げた。最後に、日本を含む各国や民間セクターの支援に謝意を示し、健全な環境こそが持続可能な開発の前提であると強調して締めくくった。
-参加者からの質問/コメント①
ブラジル出身の参加者より、自国の豊かな生物多様性とイノベーションへの取り組みを紹介しつつ、課題は「人々を変化に向けて教育すること」にあると述べた。真の変革には、影響力のあるリーダーの存在と、効果的な公共政策が不可欠だと指摘し、人々が主体的に未来を築くために、どのように政策がより実効的な支援となるのかを尋ねた。
-イボンヌ・テイ氏及びジェローム・L・モンテマヨール氏の回答/意見
イボンヌ・テイ氏は、永続的な変化には「教育とアドボカシー」が鍵であり、トップダウンの政策だけではなく、地域や個人からのボトムアップの動きと結びつくことが重要だと述べた。シンガポールでは、テマセク財団のマイクロファンドを通じ、学生や市民が50~5,000ドル規模の助成を得て地域課題に取り組める制度を紹介。こうした仕組みが、市民の主体性と共通目的意識を育んでいると説明した。
ジェローム・L・モンテマヨール氏は続けて、生物多様性の「主流化」を進める意義を述べ、採掘産業のような「異なるパートナー」との協働を通じて保全を進めているとした。また、若者への投資を重視し、新しい発想と行動変容が環境・社会・経済の成長を促すと強調した。
-参加者からの質問/コメント②
参加者は、まずイボンヌ・テイ氏に対し、シンガポールが都市における生物多様性の保全で成果を上げていることを挙げ、各自治体が活用する「シンガポール指数」が生物多様性条約や都市サミットにどのように貢献してきたのかを尋ねた。次にジェローム・L・モンテマヨール氏に対し、ASEAN生物多様性センターが新たに生物多様性条約の技術協力センターとして果たす役割と、その課題への対応方針を問いた。
-イボンヌ・テイ氏及びジェローム・L・モンテマヨール氏の回答/意見
イボンヌ・テイ氏は、シンガポールが小国ながら長年にわたり生物多様性保全に注力してきたと述べ、マンダイ動物園を中心に熱帯雨林公園やナイトサファリなどを展開し、都市と自然が共生するモデルを築いたと説明した。「シンガポール・グリーンプラン2030」や新たな生物多様性クレジットへの取り組みも進行中であり、特にアジア地域における革新的な連携を促していると述べた。さらに、マンダイ・ネイチャー基金の設立を紹介し、若者が生物多様性の分野でキャリアを築けるよう教育支援を強化しているとした。金融中心の職業に偏りがちな現代社会において、自然と共に働く魅力を伝えることが重要であり、持続可能性を次世代へ継承する努力を続けていると締めくくった。
ジェローム・L・モンテマヨール氏は、ASEAN生物多様性センターが生物多様性条約のもとで18の技術科学協力センターの一つに選定されたと説明した。各国がモントリオール世界生物多様性枠組みに基づく国家目標を達成するため、準備状況やリソースを共有しながら支援していると述べた。特に資金面の課題が大きく、寄付者やパートナーとの連携が不可欠であると強調。モンゴルやインド、東ティモールも支援対象としており、地域全体で能力構築と政策実装を進めていると述べた。さらに、地方自治体や村落レベルでの生物多様性計画の浸透が今後の焦点であり、各国間の協力を通じて持続可能な実行体制を整備することが使命だと語った。
-参加者からの質問/コメント③
参加者は、セッション全体の議論を総括しながら、気候変動とエネルギー政策の関係について問いかけた。エネルギーへの公平なアクセスを維持しつつ、経済成長と脱炭素の両立をどう図るかが課題であると指摘し、地球温暖化が2度上昇に達した場合、ASEAN諸国のサンゴ礁や海洋生態系がどのような影響を受けるのか、その結果が地域社会にとって何を意味するのかをモンテマヨール氏に尋ねた。
-ジェローム・L・モンテマヨール氏・イボンヌ・テイ氏の回答/意見
ジェローム・L・モンテマヨール氏は、現時点で2度上昇には達していないものの、すでに海洋生態系は深刻な打撃を受けており、サンゴ礁の劣化は地域住民の生活に直結すると述べた。ASEAN諸国では、食料タンパク源の多くを海洋生物に依存しており、海の生物多様性の喪失は食糧危機や生活基盤の崩壊を意味すると警鐘を鳴らした。これは単なる環境問題ではなく、人命に関わる社会的危機でもあると指摘し、持続的な生活を守るためには、各国政府と市民が共に決断力を持ち、気候対策・生物多様性保全・経済政策を一体として進める必要があると強調した。合意形成は容易ではないが、より大きな努力と協調が求められると締めくくった。
続けてイボンヌ・テイ氏から、自然の回復と人間の幸福は表裏一体であると付け加えた。日陰や緑、水、空気といった要素は、生態系を守るだけでなく、人の心身の健康や生活の質を高める基盤でもあり、生物多様性と人間の豊かさは共存的に成り立つとまとめた。
【モデレーター稲田誠士氏による総括コメント】
今回の Visionary Exchange は、エネルギー、気候変動、生物多様性という三つの視点から、私たちが自然とどのように新しい関係を結び直すかを考える場となった。各国が直面する資源・地理・制度上の制約という現実を直視しつつ、次世代へ受け渡すべき「共通善」を再定義すること、この二つを同時に進めることが、いまの国際社会にとっての統合課題である。セッションでは、原子力や分散型再生可能エネルギー、循環型カーボン経済や CCUS(回収・利用・貯留)といった政策の選択肢、AI・EV 普及による電力需要の増加への対応、自然と共生する都市づくりや地域協働の実例が多面的に示された。いずれも、供給(技術)と需要(行動)、国家主権(エネルギーミックスの決定)と地球公共財(気候・環境)を同時に捉える視点を求めている。
エネルギーのリアリズムと連帯:エネルギーは物理であり、同時に政治でもある。地政学が不安定化するなか、その政治化はますます強まっている。パイプラインや送電網といった物理的条件を無視した議論では、現実は動かない。他方で、エネルギーミックスは主権の問題であると同時に、「大気」という共有財をどう管理するかの課題でもある。原子力の安定供給力、地域分散の再エネ、カーボンマネジメント技術を、理念対立ではなく科学と制度設計として統合することが重要である。短期の安定と長期の脱炭素の両立を図る政策能力がいま問われている。AI・EV で需要が膨らむのは現実でありつつ、需要の効率化や行動変容も主要な政策領域である。供給拡大と需要の成熟を同時に進めるところから、未来は動き出す。
気候変動と健康の不可分性:気候の危機は、人間の健康の危機でもある。猛暑や空気・水質の悪化、生物多様性の喪失は、医療・福祉・労働生産性に直接影響する。医療セクター自体も排出を抱えるという逆説を直視し、医療をレジリエンスを高める原動力へと転換することが必要である。デジタル化、循環型ヘルスケア、遠隔医療、AI による予防の高度化は有効な手段である。ここでも鍵は、単なるコスト計算を超えた価値の設計にある。健康は経済の土台であり、GDP の外に置かれる外部性で留まるべきではない。「健康を中心に据える」という規範が、財政・金融・規制の全体で揃って初めて機能する。
都市と自然の再統合:生物多様性は「環境セクターの一項目」ではなく、教育・福祉・地域経済の土台そのものである。都市に自然を取り戻す「City in Nature」の実践、歴史的建築を社会的ハブとして再生する取り組み、学生・市民を支えるマイクログラント、若者や様々な「異色のパートナー」を巻き込む主流化(メインストリーミング)、これらは、政策(トップダウン)と市民の創意(ボトムアップ)がつながってこそ広がる。地域協力の枠組みは、湿地保全やヘリテージ・パークのネットワーク、知識共有の仕組み(クリアリングハウス)へと広がり、自治体・集落といった足元への「落とし込み」が次の前進を生む。自然と繁栄は、相互に高め合う関係にできる。
結びに代えて:本セッションが示したのは、抽象的な理念ではなく、制度・投資・行動を結ぶ「設計」の時代が来ているという事実と感じる。エネルギーは現実から、気候は健康から、生物多様性は暮らしから、それぞれを人間の幸福という一つの物語へ編み直していくことだ。大阪・関西万博テーマウィークにおける一連の試みは、まさにその物語を様々な世界のステイクホルダーと共に練り上げる「編集室」の役割を果たしたとも言える。国益と地球益の交差点に立ち、今日の意思決定を未来世代の恩恵へ翻訳していく。そのために、私たちは科学に誠実に、地政学に賢明に、そして人間にやさしくあり続けたい。行動は、今日から、大阪・関西万博の枠組みを超えて一人一人が始められる。
出演者情報
モデレータ
稲田 誠士
大阪・関西万博 アジェンダ2025 アドバイザー
外務省及び内閣官房を経て外資系コンサルティングファームに勤務後、世界経済フォーラムの上級職やユーラシア・グループの日本代表を歴任。現在は大阪・関西万博アジェンダ2025アドバイザーを務めるほか、FGSグローバルほか複数社のアドバイザーを務める。
View Profile
Close
close
登壇者
ペーテル・シーヤールトー
ハンガリー外務貿易大臣
1978年10月30日、コマロム生まれ。
1997年、ギョール市ゲルゲリー・チュツォル・ベネディクト修道院高等学校を卒業、2002年、ブダペストの経済科学・公共行政大学校国際関係学部で学位を取得。
2002年からフィデス党の議員を務め、2022年に6期目の任期を開始。
2006年から2010年までフィデス党の広報局長。2010年から2012年まで首相報道官、2012年から2014年まで外務・対外経済関係担当国務大臣を歴任。
2014年6月から9月まで外務貿易副大臣を務め、2014年9月23日よりハンガリー外務貿易大臣に就任。
ローマ・カトリック教徒で、結婚しており、2人の息子がいる。2011年から2016年までフットサル選手として登録し、1部リーグで2試合、2部リーグで85試合に出場。
View Profile
Close
close
マラク・タラル・アルノリー
サウジアラビア エネルギー省 持続可能性および気候変動に関する上級顧問
マラク・アルノリー博士は、サウジアラビアエネルギー省の持続可能性と気候変動に関する上級顧問であり、気候変動緩和に関するIPCC作業部会のアジア地域代表として選出された副議長。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を含む国際交渉に科学的専門知識を提供。卓越した科学者として、アルノリー博士は研究論文を発表し、マサチューセッツ工科大学(MIT)やキング・ファハド石油鉱物大学(KFUPM)などの機関と協力してきた。ジョージ・メイソン大学で博士号を取得し、MITで博士研究員としてクリーンウォーターとエネルギーに関する研究を行う。2020年には、クリーンエネルギー大臣会合(Clean Energy Ministerial)から「ミッション・イノベーション・チャンピオン」に選出された。大学学長を含む学術界での重要な役職を歴任し、エネルギー分野における女性の活躍を熱心に支援する。
View Profile
Close
close
アレッサンドロ・ベヴィトーリ
サンマリノ共和国 労働・経済計画・A.A.S.S. 関係・生態系移行・技術革新大臣
アレッサンドロ・ベヴィトーリ氏は現在、労働・経済計画・A.A.S.S.(公社)との関係・環境移行・技術革新を担当する国務長官(大臣)。職業はフリーランスのビジネスコンサルタントで、政治活動は社会党から始まり、2015年には同党の党首を務める。2016年には民主社会主義左派(SSD)の立ち上げに関わり、2018年に政治書記に就任。2019年には選挙リストとして設立された「リベラ」の創設メンバーの一人となり、2020年11月の党大会を経て正式な政党として再編。
2016年からサンマリノの最高議会「大評議会(Grand and General Council)」の議員であり、第29議会では常設外交委員会の委員長も務める。2024年の選挙後、第31議会において国務長官に任命され、政府の重要ポジションを担う。
彼の担当分野は、労働市場、経済計画、公的インフラ、グリーン・トランジション(環境移行)、公共サービスおよびビジネスのデジタルトランスフォーメーションなど、サンマリノの将来にとって極めて重要な分野をカバー。
View Profile
Close
close
レイア・アルダマニ
UAE PureHealth 最高サステナビリティ責任者
レイアは、サステナビリティ、財務、企業戦略において 20 年以上の経験を有し、サステナブルな慣行を中核事業に統合し、社会的価値を最大化し、環境への影響を最小限に抑え、ステークホルダーに価値を提供してきた実績を持つ。環境、社会、ガバナンス(ESG)目標の推進への献身的な取り組みは広く認められ、Forbesが選ぶ「2024年にサステナビリティアジェンダをリードするMENA地域の女性経営者5人」に選出される。
ピュアヘルス最高サステナビリティ責任者として、レイアはピュアヘルスのサステナビリティアジェンダの形成と推進において中心的役割を果たし、社会と地球の持続可能な未来をリードする先駆者として活躍中。
View Profile
Close
close
イアン・オハラ
工学部長補佐、クイーンズランド大学工学部長、クイーンズランド・バイオフューチャーズ産業大使
イアン・オハラはクイーンズランド工科大学(QUT)工学部の副学部長。イアンは、バイオ経済の育成とバイオ燃料、バイオエネルギー、バイオマテリアルを含むバイオベース製品の開発に関する政策、技術、システムにおける世界的な専門家として広く認識されている。学術的な役割に加え、クイーンズランド州政府のバイオフューチャーズ産業大使として、クイーンズランドのバイオフューチャーズ産業と産業バイオテクノロジー分野の親善大使を務める。大使として、イアンは政府に戦略的助言を提供し、バイオ燃料産業の成長を支援するため、国内および国際的な投資の獲得を支援。グローバル・バイオエコノミーに関する国際諮問委員会のメンバーでもある。
View Profile
Close
close
イボンヌ・テイ
テマセク・ショップハウス、テマセク・トラスト、ゼネラルマネージャー
イヴォンヌ・テイ氏はメディア業界で豊富な経験を持ち、Foxインターナショナル・チャンネルズのシンガポール事業を統括するシニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーとして、ナショナルジオグラフィック・チャンネル、Foxムービー、Foxスポーツなどの人気ブランドを監督。
2014年、イヴォンヌ氏は英国に拠点を移し、フィランソロピー(社会貢献活動)およびインパクト分野に転身。インパクトクリエイターと地域コミュニティをつなぐ代替資金調達プラットフォーム「Gofiee」を設立し、さらに社会変革を目指すスタートアップやチェンジメーカーのためのプラットフォーム「Festival of Disruptors」および「Ten4Ten」を共同設立。また、国際人権NGO「インターナショナル・ジャスティス・ミッションUK」にてボランティア活動を行い、「ワイルドエイドUK」では理事を務める。
2018年、テマセク・ショップハウスの運営を任される機会を得てシンガポールに帰国。現在はゼネラルマネージャーとしてこの社会的インパクト・ハブの運営を担い、インパクトを生み出す人々が集い、新たな連携を築き、公共の利益のために変化を促す場を提供する「プレイスメーカー(場の創出者)」としての役割を果たす。
View Profile
Close
close
ジェローム・L・モンテマヨール
ASEAN生物多様性センター事務局長
ジェローム・L・モンテマヨール博士は現在、ASEAN生物多様性センター(ACB)の事務局長。同氏はこの役職において、生物多様性保全に関する地域協力と調整を促進し、人々の福祉のための持続可能な管理、利用、ならびに利益の公平な分配を確保する役割を担う。
モンテマヨール博士は、30年以上にわたり開発専門家として活動しており、フィリピンおよびアジアにおける社会開発、公教育の質の向上、持続可能な開発、保全管理、気候変動対策などの分野に積極的に携わってきた。
ACBに着任する前は、フィリピンにおける市民社会の環境保全活動に対する助成を目的とした初の財団法人である「フィリピン環境財団(FPE)」の事務局長。また、「2025〜2040年フィリピン泥炭地国家行動計画」の策定においては、主要ファシリテーターとしての役割を果たす。
さらに、EUのASEANにおける泥炭地の持続可能な利用および煙害緩和プロジェクト(SUPA)第2コンポーネントの一環である「People for Peat」において、フィリピンのカントリー・コーディネーターを務める。同氏はこの任務において、「People for Peat ビジネス・ハブ」および「ピート・レンジャー・プログラム」のフィリピン国内での実施を統括。
学術的には、デ・ラ・サール大学マニラ校、フィリピン女性大学、ミリアム・カレッジに所属歴がある。
View Profile
Close
close
地球の未来と生物多様性 ウィーク
Agenda2025関連プログラム「Visionary Exchange」
Agenda2025関連プログラム「Visionary Exchange」と題して、「地球の未来と生物多様性」をテーマにしたビジネス交流を開催します。この会合には万博の公式参加者のビジネス代表団、大学、科学者、政府関係者、アジェンダ2025主催プログラムのパネリスト、および日本の産学官等関係者が一堂に会し、テーマに沿ったディスカッションやネットワーキングを行います。(招待者のみのイベントです)
-
2025年09月18日(木)
10:30~13:15
(開場 10:00)
- EXPOサロン
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

OTHER PROGRAM
地球の未来と生物多様性 ウィーク その他のプログラム






