EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)


本プログラムは、2つのパネルディスカッションで構成されます。日本と欧州(EU)の専門家、企業、NGO、研究者が集結し、よりクリーンでプラスチック廃棄物のない未来を形作るリーダーたちとともに、地球の未来を考えます。

第1部:プラスチック問題の核心に迫る
最初のパネルでは、「使い捨てプラスチック」「過剰包装」「マイクロプラスチック」といった、私たちの生活に深く関わる課題の複雑さを掘り下げます。日本とEUの専門家がこれらの問題を多角的に分析し、プラスチックの循環型経済を構築するために、国際社会で進められている取り組みを解説します。

第2部:未来を拓く最先端の代替ソリューション
次のパネルでは、すでに市場で注目を集めるプラスチック代替技術の最前線を紹介します。アジアとヨーロッパのビジネスリーダー、NGO、研究者が登壇し、革新の精神と具体的事例を共有します。新しいアイデアが未来をどのように変えるのか、その可能性を実感できます。

プラスチック廃棄物のない未来に向け、リーダーやイノベーターと共に議論できる貴重な機会です。

実施レポート

【振り返り】
本セッションは、プラスチック汚染の抑制と資源循環の実装を目的に、二部構成で実施されました。
前半では、使い捨てプラスチック、過剰包装、マイクロプラスチック、廃プラスチック管理の複雑さについて解説し、EUと日本の専門家が進展状況と未解決課題をレビューしました。
後半では、「予防」を最優先課題とし、焼却以外の処理方法や消費者の参加、微生物など自然の力を活用した環境浄化技術など、新たな解決策について議論が行われました。

・予防を軸とした優先順位の明確化
製品や包装設計段階での削減を優先することで、回収・分別・リサイクルにかかる負担を軽減できます。
特に、使い捨てプラスチックや過剰包装は、再設計や再利用モデルの導入を優先的に進めることが重要です。

・科学・政策・行動の連携
マイクロプラスチックへの対応には、計測・対策を廃棄物管理や行動変容と結びつける必要があります。
微生物など自然の力を活用した新技術は、環境への安全性や社会的受容性を確認しながら、段階的に導入することが望ましいと整理されました。

・EU–日本の連携が鍵
EUと日本の専門家の対話を通じ、設計・表示基準や回収スキームの整合性を図ることで、実施の加速や消費者参加の容易化が期待されます。
また、共通の用語や評価枠組みの整備が、生活者の参加や行動変容の促進にもつながることが示されました。

本セッションでは、再設計・再利用モデル・新技術の段階的導入を組み合わせた「予防優先型」アプローチが整理され、使い捨てプラスチック、過剰包装、マイクロプラスチックへの対応に向け、すぐにでも実施すべき具体的行動が明確化されました。


【会期後の取り組み】
本セッションで示された議論を踏まえ、以下の順序で実施を進めることが推奨されました。
上流の設計・素材選定 → 中流の運用・回収 → 下流のリサイクル・環境改善の各段階において、常に「予防」を基本原則とします。

優先アクション
・設計・素材選定
使い捨てプラスチックや過剰包装の優先カテゴリを特定
軽量化や素材変更、再利用容器の試験導入を実施

・運用・消費者参加
分別・回収フローの再設計
デポジット制度やポイント制度など、再利用を促す施策を試験導入

・マイクロプラスチック対策
主な発生源を測定・可視化
フィルター設置や捕集などの対策と組み合わせて管理

・新技術の導入
焼却代替技術や微生物など自然の力を活用した環境改善技術の小規模試験
安全性・有効性・コストを確認し、段階的に拡大導入

・EU–日本の連携・情報発信
ラベル・回収・データ管理の整合性を確認
指標や進捗を消費者や関係者に分かりやすく共有

これらの優先アクションを通じて、まずは、予防を重視した設計改善と再利用モデルの試験導入から着手します。
同時に、マイクロプラスチックの測定や新技術の検証を進めることで、実施の確実性を高めることが期待されます。

出演者情報

モデレータ

マリア・ベラ・デュラン

EuRIC シニア・テクニカル・マネージャー

2021年7月にEuRICにジョイン。化学工学を専門とし、スペイン・マラガ大学でMBAを取得。以前は同大学で約5年間プロジェクトコーディネーターとして、マネジメントの卓越性や国際化に関するプロジェクトに従事していました。
EuRICでは、欧州プラスチックリサイクル部門(EPRB)を担当するとともに、循環型経済法を含むリサイクル産業に関する技術的・規制的課題の管理も行っています。

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登壇者

マリア・ニコロプルー

欧州経済社会委員会(EESC)および欧州循環型経済ステークホルダープラットフォーム メンバー

スペインの労働組合 Comisiones Obreras を代表する労働者グループの一員としてEESCに参加しています。現在、NAT局の副会長の一人であり、欧州循環型経済ステークホルダープラットフォームの運営グループのメンバーも務めています。

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桂川 孝裕

亀岡市長

東京農業大学(地域環境科学部)造園学科卒業
1987年 亀岡市職員に採用
1988年 財団法人亀岡市都市緑花協会へ出向
1993年 財団法人亀岡市都市緑花協会事務局長に就任
2003年 亀岡市議会議員当選
2007年 京都府議会議員当選
2011年 京都府議会議員再選
2015年 第7代亀岡市長に就任

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シーラ・アガーワル=カーン

国連環境計画(UNEP) 産業・経済局 ディレクター

シーラ・アガーワル=カーン氏は、国連環境計画(UNEP)の改革プロセスにおいて、戦略実施チームのプログラム上級顧問を務めています。彼女の業務は、UNEPが実施計画を策定するプロセスを円滑に進めることに重点を置いています。その目的は、UNEPが各国の優先課題により的確に対応し、各国において測定可能な成果を示しつつ、同機関の使命である触媒的かつ調整的な役割を果たすことにあります。

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堀田 康彦

地球環境戦略研究機関(IGES) 持続可能な消費と生産ユニット 研究ディレクター/主席政策分析官

堀田康彦博士は、地球環境戦略研究機関(IGES)において、持続可能な消費と生産(SCP)ユニットの研究ディレクター兼主席政策分析官を務めています。
サセックス大学で国際関係学の博士号(DPhil)を取得しており、持続可能な資源循環、サーキュラーエコノミー、廃棄物管理、海洋プラスチック汚染を専門としています。堀田博士はSCPに関する各種イニシアチブを主導するとともに、IGESプラスチック・タスクフォースの調整を担っています。

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モンティ・シマス

The Ocean Cleanup グローバル渉外・政策・ブルーファイナンス(持続可能な海洋資源のための金融)部門 ディレクター

モンティ・シマス氏は、The Ocean Cleanupにおいて公共政策・ブルーファイナンス担当グローバル・ディレクターを務め、政策と金融の両面からプラスチック汚染への対応を主導しています。イェール大学およびハーバード大学を卒業し、都市プロジェクトや政治分野での経験、ハーバード大学アドバンスド・リーダーシップ・イニシアチブ(ALI)との関わりを背景に、インパクト投資、ソーシャルファイナンス、世界の水資源アクセスを専門としています。
シマス氏は、グローバル・プラスチック条約やThe Ocean Cleanupの河川および外洋でのクリーンアップ技術といった取り組みに対し、政策的な支持や資金的なコミットメントを確保する上で重要な役割を担っています。

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大塚 桃奈

BIG EYE COMPANY Chief Environmental Officer

大塚 桃奈氏は、「トビタテ!留学JAPAN」プログラムにより英国でファッションを学んだ後、衣服をめぐる社会課題に疑問を抱き、持続可能な衣服生産のあり方を再考するようになりました。
国際基督教大学を卒業後、徳島県上勝町に移住し、2020年5月に開設された上勝ゼロ・ウェイストセンターWHYでの勤務を開始しました。人口1,500人の山間の小さな町に暮らしながら、ごみを出発点とし、循環型社会の実現を目指して日々取り組んでいます。

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地球の未来と生物多様性 ウィーク

プラスチック・プラネット:よりクリーンな明日への革新的解決策

世界では毎年4億トンを超えるプラスチックが生産されていますが、そのうちリサイクルされるのは10%未満にとどまります。多くは包装、日用品、産業資材として使用された後、焼却・埋め立てされるか、環境中に流出し、特に海洋汚染の深刻な原因となっています。

本プログラムでは、プラスチックの使用と廃棄を根本から減らすための革新的な方法に光を当てます。国際的なルール作りが進む「国際プラスチック条約」の理念に沿った予防策に加え、焼却に頼らない新しい処理方法、消費者の意識改革、微生物を活用した分解技術など、最先端の解決策を幅広く議論します。

  • 20250923日(火)

    10:3012:00

    (開場 10:15)

  • 各パビリオン
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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