地球の未来と生物多様性 ウィーク
チュニジア一村一品デー:ルーツと翼
チュニジア共和国
本イベントの主旨は、1980年代に日本で生まれたOVOP(ワン・ビレッジ・ワン・プロダクト「一村一品」)という概念が、内発的かつ分散型の開発メカニズムを体現しているという点にあります。OVOPの取り組みには、農産物・非農産物、有形・無形の財、伝統的・革新的な活動などが含まれます。OVOPの理念は、生物多様性、地域の天然資源、技術、伝統、アイデンティティ、そしてコミュニティの地理的・文化的遺産を価値あるものとする考え方に根ざしています。OVOPデーでは、この概念を実践する日本とチュニジアの双方の経験に焦点を当てます。
一村一品デーでは特に、チュニジア産オリーブオイルの二重の側面における可能性を探求します。一方では、ルーツの側面、すなわち遺産、生物多様性、地域的・文化的アイデンティティを強調します。他方では、PIST(イノベーション・科学・技術におけるパートナーシップ)を通じた翼の側面を浮き彫りにし、料理、化粧品、治療など、その多様な効能を特定し強化します。
対話プログラム
- サーキュラーエコノミー
- 里山再生
- ネイチャーポジティブ
同時通訳 | 提供しない |
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発信言語 | 日本語及び英語 |
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トラックプログラム
- 開催日時
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2025年09月25日(木)
18:00 ~ 20:30
(開場 17:30)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
**18:00 – 18:15 | ご挨拶(各5分間)**
* サファ・ジェネネ氏 – CEPEX代表理事
* アフメド・シャフラ氏 – 在東京チュニジア大使
* 井内 摂男氏 – 大阪商工会議所 専務理事
* サラ・ハンナチ氏 – チュニジア・日本友好協会 会長:一村一品コンセプトのご紹介
**18:15 – 19:15 | パネルディスカッション I:OVOPの概念と活用事例(各12分)**
司会:サラ・ハンナチ氏
* 佐藤 聡氏 – 大分県大阪事務所所長:OVOP発祥の地・大分
* 上田 隆文氏 – JICA上級顧問:アフリカ・アジア・ラテンアメリカにおけるOVOPを通じた多様性を基盤とした内発的発展の構築
* ハネン・アビディ・ベン・アイード氏 – APIA所長:パンパット:分散型地域開発のための生物多様性と地域産品の活用、OVOPとの共通点
* 黒川 基裕氏 – 高崎経済大学:オウエクタタ村における柿のバリューチェーン開発
* ナディール・ベッサウド氏 – GPS TBS・高崎経済大学:GPS活用のためのOVOP:ギャッププロジェクトとサービスラーニング
**19:15 – 20:05 | パネルディスカッション II:オリーブオイル、生きた遺産であり地中海の聖なる贈り物(各10分)**
* ハムザ・エッサダム教授 – 2025年大阪国際博覧会支援委員会委員(オンライン) & ダリーン・ドグイ博士 – 国立消費者問題研究所所長:オリーブの木とオリーブオイル:地中海の恵み
* 磯田 博子教授 – 筑波大学:チュニジア産オリーブオイルの機能性:科学的根拠
* 中嶋 光敏特命教授 – 筑波大学:オリーブオイル加工の工学的側面
* スフィエン・シャルフィ氏 – 起業家:「エシュムンオイル:科学によって現代の健康のために再発明されたチュニジア・フェニキア人の古代の知恵」
**20:05 – 20:20 | パネルディスカッション III:オリーブオイルを用いたレシピと関連する儀式**
* マレク・ラビディ氏 – 著者:「チュニジア料理におけるオリーブオイル:レシピ、食習慣、持続可能性」
実施レポート
【振り返り】
2025年9月25日、テーマウィーク「地球と生物多様性の未来」の一環として、チュニジア館はテーマウィークスタジオにて「チュニジア一村一品デー:ルーツと翼」を開催しました。本イベントは、2025年大阪・関西万博におけるチュニジアの主要プログラムの一つとして位置づけられました。
1980年代に大分県で生まれた日本発の「一村一品(OVOP)」運動に着想を得て、地域開発、生物多様性の活用、イノベーションにおけるチュニジアと日本の経験を結びつける機会となりました。
大阪商工会議所の井内摂男・専務理事が開会挨拶を行い、持続的かつ包摂的な成長を目指す日・チュニジア協力の重要性を強調しました。
第1パネルでは、大分県大阪事務所所長の佐藤聡氏、国際協力機構(JICA)経済開発部 国際協力専門員(民間セクター開発)の上田隆文氏、APIAのハネン・アビディ・ベン・アイード氏、高崎経済大学の黒川基裕教授、チュニス大学TBSおよび高崎経済大学の学生を代表してナディール・ベッサウド氏が登壇しました。彼は、チュニジアのウエシュタタ産柿の乾燥加工を通じたOVOP製品開発プロジェクトを発表しました。
第2パネルでは、地中海の象徴であるチュニジア産オリーブオイルに焦点を当て、筑波大学の磯田博子教授、中嶋光敏特命教授、 2025年大阪国際博覧会支援委員会委員のハムザ・エッサッダム氏、国立消費者問題研究所所長のダリーン・ドグイ博士が登壇し、その栄養・化粧・治療効果を論じました。
第3パネルでは、作家マレク・ラビディ氏が著書『チュニジアのオリーブオイル:リキッドゴールド』(万博特別出版)を紹介し、オリーブオイルの文化的・経済的価値を探求しました。
6月25日に開催された「温泉デー」との強い連携も指摘され、地域資源の活用とウェルネスを重視する両テーマの共通性が強調されました。佐藤氏は大分県別府市とチュニジアのコルブス市の交流支援を表明し、上田氏(JICA)はチュニジア訪問の意向を伝えました。
最後に、「温泉デー」と「OVOPデー」の成果を共有するフォローアップ・リフレクションデーをチュニジアで開催し、官民・学術・市民社会の関係者を招いて協力を深める予定です。筑波大学の磯田教授と中嶋特命教授によるオリーブオイル研究発表も、2026年1月に予定されているチュニジア訪問時にCEPEXで再実施される予定です。
【会期後の取り組み】
チュニジアは、「チュニジア一村一品デー」で築かれた成果とパートナーシップを基盤に、2025年大阪・関西万博で始まった対話を具体的なフォローアップ活動を通じてさらに発展させていくことを目指しています。
まず、大分県、JICA、筑波大学、高崎経済大学などの日本の学術機関と連携し、OVOPの理念をチュニジアの地域開発政策に適用する計画です。この取り組みは、地域コミュニティの能力強化、生物多様性に基づく産業の促進、伝統的知識と現代的イノベーションの統合を目指しています。
大阪での交流の成果として、大分県別府市とチュニジアのコルブス市の間で、ウェルネス観光と自然遺産の活用を中心とした協力が提案されました。これは「温泉デー」の精神を継承し、OVOP運動との相乗効果を生かした取り組みです。両者に共通する目的は、地域資源の持続可能な活用による地方経済の活性化です。
JICAの上田氏は、APIAおよびCEPEXとの連携のもと、OVOP枠組みに基づく協力の可能性を探るためチュニジア訪問の意向を示しました。
さらに、「温泉デー」と「一村一品デー」の成果を共有し、今後の行動計画を策定するための合同フォローアップ・リフレクションデーがチュニジアで開催されます。官公庁、民間、学術機関、市民社会が一堂に会し、パートナーシップを強化する場となります。
研究・イノベーション面では、チュニジアの研究機関と筑波大学の間で、チュニジア産オリーブオイルの栄養・化粧・治療特性に関する共同研究プロジェクトの立ち上げが検討されています。磯田教授と中嶋特命教授の2026年1月のチュニジア訪問時には、CEPEXで研究成果の発表と連携強化が予定されています。
最後に、CEPEXはOVOPモデルを輸出振興戦略に統合し、国際イベントでのチュニジアOVOP製品の展示、書籍『チュニジアのオリーブオイル:リキッドゴールド』の普及、そして生物多様性・循環経済・イノベーションに関するテーマ別セミナーの開催を計画しています。
これらの取り組みを通じて、チュニジアは大阪・関西万博の成果を継承し、日本発のOVOP理念に触発された持続可能で包摂的な地域主導型開発を推進する先進的パートナーとしての地位を確立していきます。
出演者情報
登壇者
サファ・ジェネネ
CEPEX代表理事
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アフメド・シャフラ
在東京チュニジア大使
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井内 摂男
大阪商工会議所 専務理事
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サラ・ハンナチ
チュニジア・日本友好協会 会長
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佐藤 聡
大分県大阪事務所所長
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上田 隆文
国際協力機構(JICA)経済開発部 国際協力専門員(民間セクター開発)
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ハネン・アビディ・ベン・アイード
APIA所長
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黒川 基裕
高崎経済大学
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ナディール・ベッサウド
GPS TBS・高崎経済大学
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ハムザ・エッサダム
2025年大阪・関西万博支援委員会委員
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磯田 博子
筑波大学 教授
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中嶋 光敏
筑波大学 特命教授
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スフィエン・シャルフィ
起業家
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マレク・ラビディ氏
著者
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地球の未来と生物多様性 ウィーク
チュニジア一村一品デー:ルーツと翼
本イベントの主旨は、1980年代に日本で生まれたOVOP(ワン・ビレッジ・ワン・プロダクト「一村一品」)という概念が、内発的かつ分散型の開発メカニズムを体現しているという点にあります。OVOPの取り組みには、農産物・非農産物、有形・無形の財、伝統的・革新的な活動などが含まれます。OVOPの理念は、生物多様性、地域の天然資源、技術、伝統、アイデンティティ、そしてコミュニティの地理的・文化的遺産を価値あるものとする考え方に根ざしています。OVOPデーでは、この概念を実践する日本とチュニジアの双方の経験に焦点を当てます。
一村一品デーでは特に、チュニジア産オリーブオイルの二重の側面における可能性を探求します。一方では、ルーツの側面、すなわち遺産、生物多様性、地域的・文化的アイデンティティを強調します。他方では、PIST(イノベーション・科学・技術におけるパートナーシップ)を通じた翼の側面を浮き彫りにし、料理、化粧品、治療など、その多様な効能を特定し強化します。
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2025年09月25日(木)
18:00~20:30
(開場 17:30)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。
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