地球の未来と生物多様性 ウィーク
未来世代のために、地球を保存する技術としてのICT技術
大韓民国
今後の世代のために、地球環境を保存し、より良い社会を実現するために不可欠なICT(情報通信)技術の可能性について、ICTの専門家を講演者に迎えてパネルディスカッションを行います。
映像記録有り
対話プログラム
- 再生可能エネルギー
- サーキュラーエコノミー
- 気候変動
| 同時通訳 | 提供しない |
|---|---|
| 発信言語 | 日本語 |
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トラックプログラム
- 開催日時
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2025年09月17日(水)
14:00 ~ 16:30
(開場 13:30)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
今までの人類の科学・技術の歴史を踏まえて、豊かで多様ないのちが住む地球を今後の世代に渡し、今よりも、より良い世界を継続的に実現していくためには、様々なICT技術の活用が不可欠であります。2030年から実現が期待されている第6世代携帯システム(6G)、リモートセンシング等の次世代衛星活用技術、バーチャル空間とフィジカル空間を連携するデジタルツイン技術、ネットワークとモビリティの融合技術などが、今後どの様に地球レベルの課題を解決出来るかを議論します。
また、今後のより緊密な日韓協力の進め方を国際協調の例として取り上げ、これらの地球レベルの課題を、如何に国際的に協調して取り組むべきかを議論します。
【スケジュール】
14:00 〜 14:05 あいさつ
14:05 〜 14:25 プレゼンテーション (1) ; 金 武完(KICS Japan 支部長)
- 科学・技術の歴史と展望
- 地球保存用ICT技術
(6G, AI, IoT, 衛星、ビッグデータ、センサー、バイオ等)
- 戦略的な日韓協力とその将来
14:25 〜 14:45 プレゼンテーション (2) : 朴 鍾杰 (東京情報大学)
- 衛星技術の応用
(様々な地球保存用課題への対応、リモートセンシング等)
- 宇宙開発の展望
14:45 〜 15:05 プレゼンテーション (3) : 金光 永煥(早稲田大学)
- 6Gのデジタルツイン技術(バーチャル空間とフィジカル空間を連携)によって、Circular Economy に対応
15:05 〜 15:25 Presentation (4) : Prof. 宇野 新太郎 (日本工業大学)
- ネットワークとモビリティを融合して様々な環境問題に対応
- トラヒック制御等によって地域全体の省エネルギー化を実現
15:25 〜 15:35 休憩
15:35 〜 16:30 パネルディスカッション
<テーマ例>
- 戦略的日韓協力と東アジアの展望
- 東アジアにおけるフリーローミングサービスの実現
- 老化を克服した元気なシニア世代の活用
実施レポート
【振り返り】
2025年大阪・関西万博のテーマウィークスタジオにおいて、「未来世代のために、地球を保存する技術としてのICT技術」と題したセッションが開催されました。このセッションでは、今後の世代のために、地球環境を保存し、より良い社会を実現するために不可欠なICT技術の可能性について、ICT専門家を講演者に迎えて行いました。主催は、韓国パビリオンと韓国通信学会 (KICS)日本支部であり、4人のICT専門家を迎えた講演とパネルディスカッションでは、豊かで多様ないのちが住む地球を今後の世代に渡し、今よりも、より良い世界を継続的に実現していくためには、ICT技術の活用が重要であることが強調されました。さらに、今後のより緊密な日韓協力の進め方に関する基本的な考え方が紹介されました。
最初の講演者であるKICS日本支部の金武完氏は、今までの人類の歴史を科学・技術の観点で説明しました。次に、様々な地球的課題を解決する可能性があるICT技術を紹介するとともに、より緊密な日韓協力を進める基本的な考え方を示しました。
2番目の講演者である東京情報大学の朴鍾杰氏は、地球温暖化などの様々な地球保存用課題に対応できる衛星リモートセンシングの現状と今後の展望を説明しました。
3番目の講演者である早稲田大学の金光永煥氏は、6G(第6世代モバイルシステム)のデジタルツイン技術(バーチャル空間とフィジカル空間を連携)によって、Circular Economy に対応出来る可能性を示しました。
最後の講演者であるアイチシステムの宇野新太郎氏は、自動操縦技術の研究・開発状況を説明するとともに、ネットワークとモビリティ技術を融合することによって、様々な環境問題に対応する可能性を示しました。さらに、交通トラフィックを制御することによって地域全体の省エネルギー化を実現出来る可能性も説明しました。
4人の講演の後に、会場の聴衆者からの質問を交えて、様々なICT技術の現状と展望について、ホットな議論が行なわれました。自動操縦の限界と展望、LSI微細技術の限界(即ち、ムーアの法則の展望)、メタン濃度問題、6Gの研究・開発スケジュールと展望、現在のAIの強みと限界、量子コンピュータのフィージビリティなどについて活発な意見交換が行われました。また、日韓協力の具体的な事例の紹介と今後の展望についても議論しました。
【会期後の取り組み】
KICS日本支部は、ICT分野において日韓協力がより緊密に進めるべきであると考え、以下に示す、様々なアプローチを推進していきます。
(1)6G関連
携帯の様なモバイルシステムにおいては、国際標準が極めて重要であります。この分野の国際標準を推進しているのは、3GPPとITUであるので、これらにおける日韓の緊密な協力を推進して行きます。また、6Gを推進している日韓の団体としては、XGMA(日本)と6Gフォーラム(韓国)がありますので、これらの団体が緊密に情報を交換し、積極的に相互交流をする様にして行きます。さらに、関連する学会としては、日本の電子情報通信学会とKICSがありますので、これらの学会が協力し、合同シンポジウムやワークショップなどを開催し、さまざまなレベルの協力を推進していきます。
(2) 通信サービス
現在すでにEUにおいては、自国(例:ドイツ)で契約した通信サービスを他国(例;フランス)で、自国にいるのと同様に使うことができるサービス(「Roam like at Home」)が、2017年6月から実現されています。今後日韓においても、この様なサービスが使えるように推進していきます。前述の6Gのスタートが2030年を予定していますので、そのタイミングでの実現(即ち、携帯のローミングフリー)を、関連する各部署(政府、企業、団体など)に働きかけて行こうと考えています。
(3) モビリティ
既に、日本の国土交通省は、韓国の国土交通部と「日韓道路交流会議」を定期的に開催しています。本会議では、自動運転インフラ・ITS、脱炭素政策、道路舗装技術、交通安全等について両国の知見を共有するとともに、引き続き、技術交流を継続することを確認しています。また、2025年8月日本の商社が、韓国スタートアップ企業が持つ自動運転技術を日本で展開すると発表し、年内の試験走行を目指しています。特定条件下で運転手が不要な「レベル4」の技術を持っており、導入を通じて人手不足が深刻化する地方交通の課題解決につなげるのを目的としています。今後この様な活動を踏まえて、より緊密な日韓協力を推進していきます。
(4) 衛星リモートセンシング
衛星リモートセンシングの分野には、本来国境がありません。国際協調がもっとも進むやすい分野と言えますので、今後、日韓共同研究など、様々な形での協調を目指して行きます。
出演者情報
登壇者
金 武完
韓国通信学会(KICS)日本支部長
1970年大阪府立天王寺高校を卒業、1974年大阪大学工学部電子工学科卒業、1980年大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。1980年富士通研究所に入社、2000年日本ルーセントに入社し、インテリジェントネットワーク(IN)、ATM交換システム、第3世代移動通信システム(3G)、IMSなどの研究開発に従事。2005年に東京情報大学教授に就任、移動通信アプリケーション、リモートセンシング技術と融合した環境問題、アドホック無線LANネットワークなどの研究と教育に従事。2023年韓国通信学会(KICS)日本支部の支部長に就任。著書に、「詳解 IMS制御技術」、「進化し続ける携帯電話技術」、「情報通信技術の歴史と展望」などがある。
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朴 鍾杰
東京情報大学総合情報学科システム学系 教授
AIを活用した画像解析・認識分野の第一人者。1995年より千葉大学環境リモートセンシングセンターで米国の気象観測衛星NOAAを用い、地球規模の環境問題や植生変化、自然災害に関する研究を開始。2000年からはMODIS衛星(Terra・Aqua)による東南アジアの水害ハザードマップ作成、中国の砂漠化や黄砂、ロシアの森林火災などの早期発見、高解像度衛星による地震被災地自動抽出など、衛星画像認識を駆使した防災・減災研究を推進してきた。さらに、ヨーロッパ衛星SCIAMACHYのデータを独自理論で解析し、アジアの水田域だけでなく熱帯雨林でも多くのメタンが発生していることを明らかにし、地球温暖化ガス研究にも貢献している。近年は、AIを用いた社会課題解決にも注力。視覚障害者が横断歩道を安全に渡れるよう、車両やバイクの動きを解析し音声で案内するシステムや、聴覚障害者が音声の可視化により発音練習を行える支援システムの開発を進めている。衛星リモートセンシングから人間支援技術まで幅広い応用分野でAIの可能性を切り拓き続けている。
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金光 永煥
早稲田大学グローバル・エデュケーション・センター(GEC) 情報部門 准教授
これまで、B5GやWeb3に関する委託研究、共同研究を行ってきており、その中で通信技術やピアツーピア(P2P)、そして並列分散処理に関する研究に取り組んでいる。近年、産業界において盛んになっているIPFS (InterPlanetary File System)やデジタルツインを、安全かつユーザによる自律的な参加によって実現するための仕組みの実現を目指している。そのために、不特定多数のユーザ間でのコンテンツ享受を確実に行うためのアルゴリズムや任意のアプリケーションを不特定多数で高速に処理するための資源割り当て手法について研究開発を行っている。
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宇野 新太郎
アイチシステム株式会社 技術顧問
株式会社東芝総合研究所、情報・通信システム技術研究所などで衛星通信システム、光通信システムの通信制御・通信管理ソフトウェアの研究開発に従事した。その後、財団法人未来工学研究所にて、CTI(Computer Telephony Integration)、インターネット電話の調査研究等に従事した後、ノキアリサーチセンタ東京、モトローラ日本研究所、Huawei Japanにてモバイルネットワーク、ITS(Intelligent Transport System)の研究開発・標準化に従事した。2011年愛知工科大学工学部情報メディア学科教授に着任し、近距離無線を用いた交差点安全支援システムの研究開発に従事。2024年からは、アイチシステム株式会社(愛知県豊田市)技術顧問として、愛知県から研究開発支援を受け、愛知県高浜市と共同で信号機のない交差点や横断歩道での衝突防止のための簡易型交差点安全支援システムの実証実験を行い、商用化を目指している。日本大学理工学部電気工学科非常勤講師。著書に「情報通信ネットワークの基礎」(森北出版)等がある。
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今後の世代のために、地球環境を保存し、より良い社会を実現するために不可欠なICT(情報通信)技術の可能性について、ICTの専門家を講演者に迎えてパネルディスカッションを行います。
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2025年09月17日(水)
14:00~16:30
(開場 13:30)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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