未来のコミュニティとモビリティ ウィーク
私たちはどこに暮らし、だれと語るのか:2050年のシーン
アジェンダ2025共創プログラム
シェイプ・ニューワールド・イニシアティブ
【2050年の未来像の仮説】
人々がもっと柔軟に暮らしを送る場所を選び、飛び回ることができるようになった未来。
技術の進歩と社会の変容にともない、移動の意味、場所の意味は変化し、多様化してきました。さまざまなライフスタイルを試されてきたパネリストの実践者と生活者の視点を織り交ぜながら、2050年という近い未来に描きうる色々なシーンについて語り合います。
映像記録有り
対話プログラム
- デジタル田園都市
- その他
- 他拠点居住, ライフスタイル
| 同時通訳 | 提供する |
|---|---|
| 発信言語 | 日本語及び英語 |
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アジェンダ2025
共創プログラム
- 開催日時
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2025年05月24日(土)
14:00 ~ 16:00
(開場 13:30)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
いま私たちは、非常に遠くの人とも、交通や通信の力によって頻繁に会えるようになりました。モビリティの進化・多様化は、いままで以上に多くの場所への移動や滞在を可能にします。多様性がより多くの人に認識され、ひとりひとりのスタイルに合わせた生活が可能になり、また求められるようにもなりました。
移動(モビリティ)の意味、場所(コミュニティ)の意味は変わりつつあり、2050年にはさらに今とは異なっているでしょう。その時に私たちは何を望み、何ができるのか?── この問いに、唯一の答えを探すことは大変むずかしいことですが、様々な体験・経験・観察・期待から、ありそうな未来をいくつか考えることはできそうです。
このセッションでは、さまざまな取組の実践者と生活者の視点を織り交ぜながら、2050年のシーンやその課題について語り合います。
実施レポート
【振り返り】
本プログラム「私たちはどこに暮らし、だれと語るのか:2050年のシーン」では、移動の自由度が増した未来社会において、私たちの暮らし方や人との関係性、地域や場所の意味がどのように変容していくかを探る対話が行われました。
前半は、今回のシンポジウムの主題であるコミュニティとモビリティが未来に持ちうる意味を問い直すとともに、シンポジウムのモデレータである今西と石澤が「未来社会デザインに係る調査研究」の一部として取り組んだ「未来のコミュニティとモビリティ」の調査研究の成果が紹介されました。調査をもとに想定した2050年にありうる未来のライフスタイルを提示し、そこに至るまでの考えうる社会と技術のロードマップが示されました。
後半は、異なる視点を持つ3人の登壇者を交え、それぞれの実践的活動の紹介と、私たちの暮らし方や場所の意味に関する対話が行われました。
社会学および建築・都市論を専門とする法政大学 南後由和氏は、都市のひとり空間の成立過程とコロナ禍における再定義、それに付随する孤独・孤立と家族の変遷について紹介し、都市と住宅機能の関係性が再構築されつつあると現状を捉えています。また世界に視野を広げノマディズムやロマの生活様式にも触れると、移動(モビリティ)とは能動的に「する」だけでなく「させられる」状況もあるとしたうえで、それでも移動させられない衣食住の根源性も踏まえ、スケールを横断した「今」「ここ」への想像力、社会学的想像力が必要であると解説しました。
キーワード:社会学的想像力/都市のひとり空間/カプセルホテル/孤独・孤立、ケア/超家族・非人間/マイクロモビリティ/住宅機能の再内部化/ニューバビロン/遊びの全面化/ノマディズム/ボトムアップの集団的創造/シンティ・ロマ
長野県塩尻市を拠点に地域に居場所をつくる活動をしているソーシャルアクティビスト近藤沙紀氏は自ら移住した塩尻市 木曽平沢で拠点運営を行っています。隔てられたものが溶け合う間(あわい)を大切に、仕事や利便性を自ら作り出すことで「住んでみると好きになる」という実体験を紹介しました。喫茶や中長期滞在施設の展開など、自分にできることから「来てみたら関わりしろがある」という手触りをもとに、複数拠点を選べるよう、地域と関われるように「境界線をほどく」、その一方で地域の「らしさを受け継ぐ」という視座が示されました。
キーワード:間(あわい)/住んでみると好きになる/関わりしろ/緩衝地帯/文化の選択/境界線をほどく/らしさを受け継ぐ
南極や火星環境などでの滞在を実践してきた極地建築家 村上祐資氏は、一人で前進する冒険家とは異なり隔絶された環境で長期滞在する「アンチモビリティ」を経験してきました。長い居留では人と人との「間」がとれず、チームの関係性は徐々に構築するものから修復するものへ変わっていくことを実体験として語りました。サバイバル環境では鈍麻することが最も危険であり、関係の中に混じりこむ「異物感」を「なじませる」「取り込む」「払う」ことで、心の健康を保つための〈習慣以上、慣習未満〉を実践することの重要性を強調しました。
キーワード:アナログツイン/極地法/隊員/異物感/習慣と慣習/サバイバルと遠慮のかたまり/折り返しの感覚/集団の中の心地よさ/基本を保つ/暮らしの規矩
本シンポジウムは、先進的な取り組みや視点を持つ実践者から、多様化する社会における「居場所」や「移動」の在り方を多角的に考察する機会となりました。コミュニティとモビリティの多様な可能性を見つめながら、私たちや次世代の未来の可能性に思いを馳せ、共に考える出発点となることを願っています。
出演者情報
モデレータ
今西 美音子
株式会社竹中工務店
博士(人間科学)。竹中工務店技術研究所研究員。早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。研究における専門は人間行動・群集流動。ほか、人と空間の関係性に関して幅広く。
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石澤 宰
東京大学生産技術研究所 / 株式会社竹中工務店
博士(政策・メディア学)。LEED AP BD+C, CASBEE建築評価員。東京大学生産技術研究所人間・社会系部門 特任准教授(建築情報モデリング学)。竹中工務店 設計本部アドバンストデザイン部コンピュテーショナルデザイングループ長。建築情報学会 調査研究委員長。
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登壇者
近藤 沙紀
合同会社 三地編集室
奈良県出身、長野県塩尻市在住。伝統産業(木曽漆器)が根付く町で短期・中期・長期滞在施設を運営しながら、自然と歴史・ものづくりの文化と現代の暮らしや生き方がどう接合するかを探求している。ほか、塩尻市内の移住定住促進・地区計画づくりに関わるプロジェクトに参加。
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南後 由和
法政大学 デザイン工学部
1979年大阪府生まれ。社会学、建築・都市論。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。博士(学術)。東京大学大学院情報学環助教・特任講師、明治大学情報コミュニケーション学部専任講師・准教授を経て、現職。主な著書に『ひとり空間の都市論』『商業空間は何の夢を見たか』『建築の際』。
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村上 祐資
NPO法人フィールドアシスタント
極地建築家/NPO法人フィールドアシスタント代表。極地とよばれる厳しい環境にある美しい暮らしの規矩を探すため、多くの閉鎖隔離生活を踏査してきた。第50次日本南極地域観測隊に越冬隊員として従事したほか、北極圏で行われた火星実験生活MARS160では副隊長を務めるなど、これまでに1000日以上の極地生活経験を重ねる。
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未来のコミュニティとモビリティ ウィーク
私たちはどこに暮らし、だれと語るのか:2050年のシーン
アジェンダ2025共創プログラム
【2050年の未来像の仮説】
人々がもっと柔軟に暮らしを送る場所を選び、飛び回ることができるようになった未来。
技術の進歩と社会の変容にともない、移動の意味、場所の意味は変化し、多様化してきました。さまざまなライフスタイルを試されてきたパネリストの実践者と生活者の視点を織り交ぜながら、2050年という近い未来に描きうる色々なシーンについて語り合います。
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2025年05月24日(土)
14:00~16:00
(開場 13:30)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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