未来のコミュニティとモビリティ ウィーク
持続可能な都市開発のための都市のデジタル・ツイン
イタリア共和国
都市のデジタル・ツインは、AIやセンサーを活用しながらも、人間の側面を忘れることなく、都市を管理し、持続可能性を高め、疎外を防ぐための未来のツールとして発展しつつあります。
事例を用いながら、課題解決に向けて、どのように技術を活用できるか等を語り合います。
映像記録有り
対話プログラム
- スマートシティ
同時通訳 | 提供する |
---|---|
発信言語 | 日本語及び英語 |
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トラックプログラム
- 開催日時
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2025年05月15日(木)
10:00 ~ 13:00
(開場 09:30)
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- 開催場所
- 各パビリオン
- イタリアパビリオン
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
実施レポート
【振り返り】
イタリア国立研究評議会(CNR)は、「Uber Intelligence」と呼ばれる戦略的イニシアティブを立ち上げ、都市のデジタルツイン(Urban Digital Twins)の開発と活用に取り組んでいます。物理的な都市の仮想複製であるデジタルツインは、時間軸に沿った都市のダイナミクスをシミュレーションし、データに基づくスマートシティ政策立案や都市計画を支援することを目的としています。
本取り組みの中核となるのが、CNRによって設立された都市科学学際センター(CISC)です。設立からわずか1年で、マテーラ、カターニア、ミラノなどの都市との連携が進んでいます。CISCの目的は、デジタルツインを用いた統合的な都市開発の指針となる再現可能な方法論を構築することです。プロジェクトでは市民参加も重視されており、住民のニーズや将来都市へのビジョンを反映させることが可能です。
特に注目すべき取り組みとして、マテーラの中等教育の生徒4,000名が都市空間の共同設計や分析に参加しました。CISCは、研究者、行政、市民、企業を結ぶハブとして機能し、イタリアの技術力の向上とイノベーションの促進に貢献しています。
デジタルツインは都市データの収集・分析を通じ、交通や汚染などの現象をモデル化します。空気質モデルやモビリティツインなどの専門的なツインにより、交通規制や緑地配置が都市温度に及ぼす影響を予測するシナリオ型の計画が可能です。
さらに都市地球科学は、地下構造の特徴を多尺度・学際的に研究することで、都市計画やリスク軽減に貢献しています。例えばローマでは、コロッセオ周辺などの敏感な地域における耐震マイクロゾーニングの詳細な調査が、レジリエンス戦略の策定に活用されています。
最後に、地質学的研究と耐震建築手法の統合は、イタリアと日本の事例比較を通じ、知識、イノベーション、伝統を組み合わせることの重要性を示しています。これにより、より安全で賢く、住みやすい都市づくりが可能となることが本プログラムで強調されました。
【会期後の取り組み】
会期後も、本プログラムで紹介された知見をもとに、都市の持続可能性に関する取り組みは国内外で継続・発展しています。
CNRはイタリア国内の複数都市において、デジタルツイン技術を活用した都市環境のシミュレーションや政策評価を進めており、都市の交通改善、ヒートアイランド対策、緑地配置の最適化などに向けた具体的な成果をあげつつあります。
また、住民、とりわけ若者の行動やニーズを反映した参加型の都市設計の試みも注目されており、行政と生活者の間の距離を縮める動きが見られます。
日本国内でも、温室効果ガスのリアルタイム監視や都市データの統合活用に向けた研究が進んでおり、国際的な協調の枠組みに資する可能性が高まっています。
本プログラムを契機として、都市を“科学”で読み解き、“共創”で形づくるという姿勢が広がりつつあります。今後も、得られた知見や事例を社会に還元しながら、持続可能な都市づくりの実現に貢献してまいります。
出演者情報
登壇者
ジョヴァンニ・フェリーチ
イタリア国立研究評議会(CNR) システム解析・計算科学研究所 所長
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イーダ・ジュリア・プレスタ
イタリア国立研究評議会(CNR) システム解析・計算科学研究所 研究員
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マルコ・マンチーニ
イタリア国立研究評議会(CNR) 環境地質・地盤工学研究所 研究員
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斉藤 誠
国立環境研究所(NIES) 主任研究員
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田辺 晋
産業技術総合研究所(AIST) 地質調査総合センター上級主任研究員
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マッシモ・マーリ
イタリア国立研究評議会(CNR) 工学・ICT・エネルギー・輸送技術部門(DIITET) 技術専門官
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未来のコミュニティとモビリティ ウィーク
持続可能な都市開発のための都市のデジタル・ツイン
都市のデジタル・ツインは、AIやセンサーを活用しながらも、人間の側面を忘れることなく、都市を管理し、持続可能性を高め、疎外を防ぐための未来のツールとして発展しつつあります。
事例を用いながら、課題解決に向けて、どのように技術を活用できるか等を語り合います。
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2025年05月15日(木)
10:00~13:00
(開場 09:30)
- 各パビリオン
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。
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