EXPO2025 Theme Weeks

ハイライト

00:00:30 ハイライトシーン1

00:14:26 ハイライトシーン2

00:51:33 ハイライトシーン3

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)


大阪関西国際芸術祭で展開された企画展「思弁的な音楽」に参加した人気アーティストやボカロP、作家を招き、人々に影響力を与える新しいストーリーテリングの力について検討します。どのような社会的課題、世界規模の課題に向き合うべきか、ビジョンを明瞭に提示することで想像させるスペキュラティブデザインを音楽に適用したアイデアも取り上げます。人工知能の時代における自己認識や他者からの追認、他者や社会と間での価値観や解釈の違い、社会の根底にある「私たち」という概念など、作家各々が注目し、語った問題を取り上げつつ、音楽やエンターテイメントを通じてどのように社会を変えることができるのか考えます。

実施レポート

【振り返り】
本セッション「新しいストーリーテリング:未来を形づくるスペキュラティブミュージック」では、2050年の未来社会を舞台に、音楽を媒介としたスペキュラティブデザインの可能性を探求しました。シェイプ・ニューワールド・イニシアティブは、世界経済フォーラムと連携し、若手を中心に未来社会のビジョンを描く取り組みを行い、参加者が主体的に未来を想像し、社会課題に向き合う場を提供しました。セッション全体では、SDGsに関連する8つのテーマを軸に、未来へのモチベーションを喚起する「新しいストーリーテリング」の手法が議論されました。
*スペキュラティブミュージック:単なるBGMや娯楽としての音楽を超えて、未来の可能性を探求し、聴き手の想像力を刺激するような、実験的で概念的な音楽
*スペキュラティブデザイン:「もしこのような未来が起きたら?」と問いかけ、未来の社会のあり方を思索的にデザインする手法

議論を通し、ボーカロイド文化に代表される音楽表現を通じて、視聴者との双方向的な関係が文化形成の中心であること、来場者のコメントや反応が作品に即時に反映され、作品そのものが鑑賞者参加型の創作プロセスとして機能する点が特徴的であることが示されました。
それらの作品例として、個々の参加者の体験に基づき生成される音楽や、AI作曲と人間作曲を比較する体験、参加者の回答を作品に反映させるインスタレーションなどが紹介され、これらは、鑑賞者の主体的関与を通じて意味が変化する「参加型芸術」の好例として挙げられました。

さらに、音楽や映像における「切り取り(編集)」や「歪み(変奏)」の手法が、情報の断片化や受け手の解釈を通じて社会的な問題提起を可能にすることも示されました。例えば、複数の画面に分割された言葉の組み合わせや、音楽や映像の速度・ピッチを操作できる装置を通じて、受け手は作品の意味を能動的に再構築する体験を得るといった表現は、情報やメディアの消費に対する無意識の慣れを問い直す契機となる可能性があることも挙げられました。

また、通底する論点として、スペキュラティブミュージック、ボーカロイド文化における双方向性、曖昧さの価値、参加型芸術、メディアの切り取りと歪みが挙げられ、音楽やアートが単なる情報伝達を超え、受け手との対話を通じて社会課題への気づきや行動変容を促す手段となることが示されました。

加えて、体験・デモ・作品展示は、参加者の介入によって意味が変容する共創型の構造を持ち、未来社会の課題や価値観の理解を促す重要な役割を果たすこと、作品は、物理的空間とデジタル表現を組み合わせ、鑑賞者の解釈や参加を前提に設計されており、音楽がエンターテイメントを超えて社会的対話の装置となる可能性を具現化することが挙げられました。

本セッションから得られる未来への視座は、未来は外部から与えられるものではなく、個々人の選択と参加によって形づくられるという認識でした。議論は、音楽は物語性と曖昧さを通じて、受け手の主体的解釈を促し、未来社会の価値形成に寄与し、参加型・双方向型の音楽表現は、若手クリエイターや鑑賞者が共に価値観を再検討し、新しい社会を共創する「新しいストーリーテリング」の形態として、今後さらに拡大することが期待されると方向付けられました。

【会期後の取り組み】
登壇者は、会期後のそれぞれの活動等における重要な視点として以下を挙げました。

(1)参加型表現の深化(音楽や映像作品における双方向性や観客参加型の手法を引き続き探求すること)が、作品体験を通じた鑑賞者の主体的解釈を促す試みを促進すること。

(2)曖昧さと多様な解釈の重視(作品の意味を断定せず、多様な解釈や受け手の参与を受け入れるアプローチを継続すること)が、未来社会への思考や対話の可能性を広げる可能性を創出すること。

(3)異分野連携の模索(音楽、AI、映像、文学などの異分野の接続)が、新しいストーリーテリングの手法を個々の創作活動に取り入れる方向性につながること。

(4)未来社会への問いかけ(作品や表現を通じ、鑑賞者に社会課題や未来像を想像させる試み)を今後も継続することが、個人や社会の価値観形成に寄与する可能性をもたらすこと。

(5)体験型・参加型の表現が、教育や文化活動に応用可能な形で検討されること。

※このレポートの一部または全部はAIによって生成されました。

出演者情報

モデレータ

佐久間 洋司

大阪大学社会ソリューションイニシアティブ 特任研究員、シェイプニューワールドイニシアティブ 代表

1996年生まれ。大阪大学ではアバターやエージェントを用いた新しいコミュニケーションの研究に取り組む。2025年大阪・関西万博では大阪パビリオンのディレクターとして「未来のバーチャルビーイング」の展示を統括する。大阪大学と科学技術振興機構の共同研究プロジェクトである未来社会デザインに係る調査研究の研究代表者も務める。大阪商工会議所 未来社会創成委員会 座長、日本SF作家クラブ会員ほか。2021年にはムーンショット型研究開発事業の調査研究でチームリーダーを務めた。2022年に日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023に選出。

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登壇者

r-906

音楽家

合成音声を用いた楽曲制作を主な活動としながらも、イラストレーション、アニメーション、映像制作、DJ、小説執筆など、興味の赴くまま活動の幅を広げている。小気味良いリズムと印象的なメロディ、そのキャッチーさに相反する様な叙情的、内省的な歌詞が特徴。制作する楽曲ジャンルも多岐に渡り、合成音声ソフトの公式デモソング、他アーティストや音楽ゲームへの提供楽曲、映画主題歌などを手掛けている。

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sekai

アーティスト

ボーカロイド楽曲を中心に、JPOPやバンドソングのカバーを投稿するほか、ギターやピアノの演奏も行う。作詞、ボーカルを務めた「ספירות」を初めオリジナル楽曲も多数リリース。2023年3月19日には渋谷CLUB QUATTROにて1stワンマンライブを開催し、チケットは即完。2023年4月には初のパッケージ作品となる1st Mini AL「enigma」をリリース。

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x0o0x_

音楽家、ボーカロイドプロデューサー

あらゆる媒体で自分の好きなものを好きなようにつくる。無意識、悪意をテーマにした楽曲を数多く制作するほか、ボーカロイド楽曲を中心にカバーも投稿。ウォルピスカーター、sekai、Souなどアーティストに楽曲提供も行っている。comic HOWLにて連載中の『きさらぎ異聞』の原作も務めた。

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悒うつぼ

アーティスト

日常に潜む不安や狂気、自己嫌悪をコミカルかつシュールに表現する。生活の一場面をサンプリングし解体・構築を繰り返す事により生成されたビートは、恰も日常生活の中で偶発したものの様にも聴こえる。

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椎乃味醂

ボカロP・音楽家

2003年生まれ。アーティスト/ボカロP。2017年より活動を開始。エレクトロを基軸にジャンルを横断し、ネットカルチャーの制作様式へ人文知やデジタル技術を意識的に組み込みながら、スペキュラティブな表現を模索する。Ado、Reol、花譜、たなか(Dios)、Aile The Shota、TVアニメからゲーム、万博に至るまで、人や領域を問わず精力的に提供・共作を行い、メジャーシーンと思想実践の接続も試みる。クリエイター、エンジニア、研究者などと協働し、学際的な創作を検証する取り組み「StudioGnu(スタジオグヌー)」を主宰。最近はDJのほか、音楽を媒介するインタラクティブアートなど、オンラインとリアルを越境する表現にも取り組む。

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煮ル果実

作詞・作曲・編曲家

主にVOCALOID楽曲のコンポーザーとして活動。ロックミュージックをベースに多種多様なジャンルを縦横無尽に行き来し、謎が散りばめられた中毒性が高い映像との相乗効果で、独特な世界観の作品を手掛ける。ずっと真夜中でいいのに。ナナヲアカリ、Sou、Ado等のメジャーアーティストにも精力的に編曲参加・楽曲提供を行っている。

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作家

ホラージャンルを中心に複数の媒体で作品を制作するほか、構成作家としてイベントの企画立案やWEB広告施策のプランニング、プロデュースを行う。近作に「行方不明展」「恐怖心展」、『5分間リアル脱出ゲーム おしまい』(SCRAP出版)など。

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SDGs+Beyond いのち輝く未来社会 ウィーク

新しいストーリーテリング:未来を形づくるスペキュラティブミュージック 
アジェンダ2025共創プログラム

【2050年の未来像の仮説】「物語る力」によって、人々が世界規模の課題に主体的に向き合い、解決することができる未来。
若者は、2050年の未来を自ら形づくる責任のある世代であり、その時代を享受する権利のある世代です。一方、自ら未来を選択するという重要な観点で、社会の問題について、世界規模の課題について、多くの若者が主体的に捉えて向き合うことができているわけではありません。そこで、私たちの価値観の醸成に大きく関係している、若者に大きな影響力を発揮しているエンターテイメントに着目します。音楽を通じた新しいスペキュラティブデザインの取り組みに参加した、人気アーティストやボカロPとともにストーリーテリングの可能性を探ります。

  • 20251011日(土)

    17:1518:45

    (開場 17:00)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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