EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

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EXPO未来の学び・遊び:beyond SDGs は、人類・生命・地球の歴史や営みから学び直し、未来社会のあり方を構想する対話の場です。46億年の共創と変容を俯瞰することで、SDGsでは捉えきれなかった「豊かに生きること=Well-Being」や「多様な存在が共に輝く社会」とは何かを問い直します。

本トークでは、文部科学省による学習指導要領改訂の動きを踏まえ、次世代教育の方向性を議論します。科学や技術に加えアートを重視するSTEAM教育、そして人類の根源的営みである「遊び」がもたらす学びの力を紹介し、近代的な枠組みを超えた新しい可能性を探ります。

今回は、東京大学・慶應大学教授の鈴木寛氏と、音楽家・数学者・STEAM教育者である中島さち子氏(「クラゲ館」プロデューサー)らが登壇し、教育の未来と社会の変革について語り合います。万博テーマ事業「いのちを高める」のもと、SDGsを越えて、より創造的でしなやかな未来を見据えるモチーフを提示します。

実施レポート

【振り返り】
2025年10月4日、いのちの遊び場クラゲ館では、テーマウィーク企画「EXPO 未来の学び・遊び:beyond SDGs」を開催しました。本企画は、地球46億年の営みを手がかりに、SDGsを超えた未来社会の学びと創造を考える対話の場として実施されたものです。登壇者には、東京大学・慶應義塾大学教授であり、元文部科学副大臣としても教育改革を牽引してきた鈴木寛(すずかん)氏、そして大阪・関西万博テーマ事業「いのちを高める」プロデューサーであり、音楽・数学・教育を横断する活動を行う中島さち子氏が登壇しました。

トークの冒頭では、クラゲ館のこれまでを振り返りながらも、鈴木氏が「卒近代」というテーマを提示。近代教育の枠を超えた新しい学びのパラダイムについて語りました。知識を詰め込む教育から、自ら問いを立て、社会と関わりながら学ぶ教育への転換が求められていること。そして、その中心には「遊び」や「アート」といった創造的活動があることを強調しました。

続いて中島氏は、自身が万博やSTEAM教育で実践している取り組みを紹介しながら、「学びと遊びは本来分けられるものではない」と述べました。鈴木氏とともに、音楽や美術、体育、家庭科など、一見“副教科”と呼ばれる領域こそが、探究の原点であり、STEM(科学・技術・工学・数学)と結びつくことで創造的・実践的なSTEAM学びへと発展する可能性があることを共に語りあいました。

両氏の対話は、教育の制度論を超え、人間の本質に迫るものでした。鈴木氏は、「次期学習指導要領では、子どもが自分なりの問いを持ち、テーマを設定して探究を深めていく力をどう育むかが鍵になる」と語り、中島氏も「“正解を探す教育”から、“自分の声で創る教育”へ」と応じました。二人の対話は、教育を“社会と共にデザインする営み”として捉え直す時間となりました。

最後には、会場全体で「遊びが社会を変える」「創造が未来をつくる」というメッセージを共有し、未来の学びの姿を来場者とともに描くセッションとなりました。SDGsの枠を越え、“いのちを高め合う学び・遊び:STEAM” というクラゲ館の理念が、教育の文脈でも明確に体現された対話でした。

【会期後の取り組み】
「EXPO 未来の学び・遊び:beyond SDGs」は、人類・生命・地球46億年の営みを手がかりに、未来社会のあり方を構想する対話の場です。会期後もこの理念を引き継ぎ、私たちは“SDGsを超えて”より創造的でしなやかな社会を育むための活動を継続していきます。テーマは、近代的な枠組みを超えた「卒近代の学び」。人間が長い歴史の中で育んできた「遊び」「芸術」「探究」という根源的な営みを再び教育の中心に据え、次世代の学びを創り出していくことを目指します。

本トークで語られたように、文部科学省による学習指導要領改訂の動きにおいても、アートや探究の重要性がますます高まっていくとクラゲチームは考えています。科学や技術だけでなく、感性や想像力を重視するSTEAM教育の考え方を、社会の仕組みや学校現場にどのように実装していけるか。これこそが、万博テーマ事業「いのちを高める」における重要な問いでもあります。私たちは、東京大学・慶應大学教授の鈴木寛氏(すずかん)と中島さち子氏を中心に、こうした対話を継続し、教育・芸術・科学をつなぐ新しい社会モデルを模索していきます。

両氏が代表を務める一般社団法人 steAm BAND では、会期後も「学び」「創造」「協奏」をテーマにした多彩なプログラムを展開しています。ごみ問題を題材とした「ごみ祭り」や、若者たちが探究テーマを音楽やアートで表現する「学びの協奏コンテスト(STEAM Symphony Contest)」など、社会課題を創造的に学びへと変換する試みが続いています。

また今年は、steAmおよびsteAm BANDが共催する「未来の地球学校」は、「いのちの遊び場 クラゲ館」シグネチャーイベント<世界学び・遊びサミット>に参画しました。総勢600名ほどの先生や教育に関心のある方が全国・世界各地から集い、3万をこえる人を迎え、多彩なワークショップやトークを繰り広げました。未来の地球学校では、国内外の教育者・子どもたちをオンラインとリアルでつなぎ、STEAMを軸に学びと遊びの新しい可能性を実践。国や文化を超えて、学びの喜びを共有するプラットフォームが広がりつつあります。

今後も大学生・高校生、教員、アーティストなど多様な人々と協働しながら、こうしたトークイベントやワークショップを定期的に開催していきます。学問や芸術の境界を越え、誰もが自らのリズムで学び、創造し、社会と響き合う――。そのような「卒近代の未来教育」を、クラゲ館から世界へ発信していきます。

出演者情報

モデレータ

鈴木 寛

元文部科学副大臣、東京大学教授、慶應義塾大学特任教授、大阪大学招聘教授、ウェルビーイング学会副代表理事

東京大学法学部卒業。通商産業省、慶應義塾大学助教授を経て参議院議員(12年間)。文部科学副大臣(二期)、文部科学大臣補佐官(四期)などを歴任。教育、医療、スポーツ、文化、科学技術イノベーションに関する政策づくりや各種プロデュースを中心に活動。

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中島さち子

テーマ事業「いのちを高める」(2025年日本国際博覧会協会)

音楽家・数学研究者・STEAM 教育者。steAm CEO / steAm BAND代表理事、万博テーマ事業プロデューサー、内閣府STEM Girls Ambassador。国際数学オリンピック金メダリスト。クレ・デ・ポー ボーテ”Power of Radiance Award 2025”受賞

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共催者名

NPO法人ELP(Earth Literacy Program)

すずかんゼミ

SDGs+Beyond いのち輝く未来社会 ウィーク

EXPO 未来の学び・遊び:beyond SDGs

EXPO未来の学び・遊び:beyond SDGs は、地球46億年の営みを手がかりに、SDGsを超えた未来社会を考える対話の場です。
本トークでは、学習指導要領改訂を踏まえ、STEAM教育や「遊び」の力に注目し、次世代の学びの可能性を探ります。東京大学・慶應大学教授の鈴木寛氏とクラゲ館プロデューサー中島さち子氏らが、教育と社会の未来を語ります。

  • 20251004日(土)

    10:3012:30

    (開場 10:15)

  • 各パビリオン
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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