EXPO2025 Theme Weeks

ハイライト

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プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)

この数年間の生成AI・大規模言語モデルの登場と急速な発展は世界を驚かせました。AIの進化により、生産性が大きく向上し、科学が発展することで、私たち人間はより豊かに生きることができるでしょう。しかし同時に、AIの誤った使い方に伴う事故や、AIの軍事利用、AI自体の暴走など、私たちにとって大きなリスクも大きくなっています。そこで本プログラムでは、人とAIがどのように向き合い、「いのちがより輝く」世界に歩んでいけるのかについて考えます。
この問いにおいて非常に重要である、自律的なAIエージェント、AIの安全性、AIアラインメントといった分野を研究するAIの専門家3名を招いて議論します。

実施レポート

【振り返り】
本セッション「人とAIの共生:新たな知能とどう向き合うのか」では、AIが急速に進化する時代において、人間はどのように新しい知能と共存し、社会や科学の未来を築くべきかを多角的に探求しました。

モデレーターの中村龍矢氏は「AIの進化をどう受け止め、私たちの生き方や意思決定をどう変えていくか」という問いを提示し、テクノロジー、倫理、民主主義、そして人間の創造性という幅広い観点から議論が展開されました。

ロバート・ランゲ氏(Sakana AI)は、「2050年には研究の99.99%がAIによって、もしくはAIとともに行われるようになる」という大胆な予測を提示しました。AIが科学研究の主要な担い手となり、人間の科学者は「研究の監督者」として複数のAIを統合し、検証・評価する役割へとシフトするという未来像を描きました。AIが自律的に仮説生成から論文執筆まで行う「AI Scientist」の試みを紹介し、創造性と検証性のバランス、そして人間のインセンティブ設計の課題を指摘しました。また、科学や社会の発展は「開放性と進化的探索」に支えられるとし、失敗を蓄積するプロセスの重要性を強調しました。

リシ・ボンマサニ氏(スタンフォード大学)は、過去25年間の社会的災害を振り返りながら、AIリスクの本質を「既存の社会問題と技術の接点」に見出しました。詐欺や児童搾取、サイバー攻撃、軍事利用など、現実化しつつあるAIリスクの具体例を挙げ、規制や社会制度が変化に追いつかない危険を指摘しました。さらに、リスクを単なる脅威と捉えるのではなく、「防御力(デフェンス)」を高める方向でAIを活用すべきだと論じました。また、規制の過剰反応による「機会損失」への懸念も示し、政策設計の柔軟さと社会的シミュレーションの重要性を提起しました。

ディヴィヤ・シッダース氏(Collective Intelligence Project)は、AIが急速に高度化する一方で、人間社会の「集合的意思決定の能力」が追いついていないと指摘しました。台湾での実践例を挙げ、AIと市民参加を融合した「集合知(Collective Intelligence)」の仕組みを紹介しました。10万人規模の参加者がAIとともに民主的な議論を行い、誤情報対策や選挙制度に対する政策提言を生み出す事例を通じて、「AIを民主主義の敵ではなく、強化手段として活用する可能性」を提示しました。また、将来的には「個人の意思を代弁するAIエージェント(デジタルツイン)」が民主主義の新たなインフラになると展望を語りました。

ディスカッションでは、AIの透明性・オープンネス、規制と創造性のバランス、技術者と政策立案者の教育、そして社会全体の参加機会が主要テーマとして議論されました。AIの進化を「閉じた技術」ではなく「共有財(common good)」として扱うこと、そして多様な立場の人々がAIの方向性に影響を与えられる仕組みづくりが共通の課題として浮かび上がりました。最終的に登壇者たちは、AI時代の人間の役割は「盲目的な制御者」ではなく、「理解し、共に進化する伴走者」であるという認識で一致しました。

【会期後の取り組み】
各登壇者は、会期後のそれぞれの研究、事業展開等における重要な視点として以下を挙げました。
(1)情報公開/社会的影響の測定/民主的な運用の確立
AI開発の透明性と説明責任を高めるため、モデル構造や訓練データ、評価基準の公開を進め、AIの社会的影響を定量的に測定する枠組みの整備を進めていくこと。
また、AIの「集合知的活用」に向けて、政策立案・市民参加・教育などの現場でAIを民主的に運用する手法を確立していくこと

(2)人材育成・横断的な意思決定の体制づくり
各国政府や企業のAIリテラシーを底上げし、政策立案者がAIを理解し、適切に活用・規制できるような人材育成と組織構築を推進していくこと。特に、分野横断の専門家と民主的代表者が協働する「ハイブリッド型意思決定体制」の設計を重視。

(3)多元的なAIエコシステムの構築/体験機会の拡充
AIによる偏りやリスクへの対応として、特定の価値観に依存しない多様なAIモデルの共存を促進し、技術・文化・地域ごとに異なるニーズを反映させることで、真に多元的なAIエコシステムを構築していくこと。また、市民がAI技術の恩恵とリスクを正しく理解できるよう、教育・公共対話・体験機会を拡充することで、共生のための文化的基盤を整備していくこと。

これらを通じて、AIを「人間の知性を拡張する共創的パートナー」として社会に根付かせ、2050年に向けて技術と人間が相互に高め合う持続的な未来を目指していくこと。

※このレポートの一部または全部はAIによって生成されました。

出演者情報

モデレータ

中村 龍矢

LayerX 執行役員 Ai Workforce事業部長 / プライバシーテック協会 理事 / シェイプニューワールドイニシアティブ

機械学習エンジニアを経て、LayerXに創業より参画。R&D部門をリードした後、プライバシー保護技術を使った新規事業を立ち上げる。過去にはパブリックブロックチェーン分野でも活動。Ethereum プロトコルの脆弱性を複数発見し、日本拠点のチームとしては初めてEthereum Foundationのグラントを獲得した。2020年度IPA未踏スーパークリエータ認定。「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞

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登壇者

ロバート・ティアルコ・ランゲ

Sakana AI リサーチサイエンティスト・創業期メンバー

Sakana AI のリサーチサイエンティスト・創業期メンバー。大規模言語モデル時代における自然に着想を得た手法の開発に取り組む。具体的には、基盤モデルを活用して科学的発見のプロセスを拡張し自動化する "AI Scientist" 等。以前は、Google DeepMind の東京チームでフルタイムの学生研究者として働き、Legacy DeepMind(Discoveryチーム)やアクセンチュアでインターン。また、現在はベルリン工科大学で進化的メタラーニングに関する博士課程の最終年に在籍。インペリアル・カレッジ・ロンドンでコンピューティングの修士号を、ポンペウ・ファブラ大学でデータサイエンスの修士号を、ケルン大学で経済学の学士号を取得。

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ディヴィヤ・シッダース

Collective Intelligence Project エグゼクティブ・ディレクター

AIの民主化に取り組む「コレクティブ・インテリジェンス・プロジェクト(CIP)」の創設者兼エグゼクティブ・ディレクター。CIPは、台湾のデジタル省、イギリスのフロンティアAIタスクフォース、OpenAI、Anthropic、Mistral、Creative Commonsなどのパートナーと協力し、AIに新しいガバナンスモデルを適用し、民主主義の未来のためのAIを活用したプラットフォームの構築に取り組んできました。
この活動により、『TIME』誌の「AI分野で最も影響力のある100人」に選出。これまでに、イギリスAI安全保障研究所、MicrosoftのCTO室、オックスフォード・インターネット・インスティテュートに在籍。

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リシ・ボンマサニ

スタンフォード大学 ヒューマン・センタードAI研究所 シニア・リサーチスカラー

スタンフォード大学 ヒューマン・センタードAI研究所のシニア・リサーチスカラー。
研究テーマは、AIが社会や経済に与えるマクロ的な影響の分析。
カリフォルニア州、欧州連合、アメリカ合衆国、そして国際社会における、エビデンスに基づく公共政策を推進。
研究成果は、AI分野のトップカンファレンスで複数のベストペーパー賞を受賞し、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、Nature、Scienceなどでも掲載。
スタンフォード大学コンピューターサイエンスで博士号取得。コーネル大学でコンピューターサイエンスの修士号取得。学士はコーネル大学の数学とコンピューターサイエンス専攻。

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SDGs+Beyond いのち輝く未来社会 ウィーク

人とAIの共生:新たな知能とどう向き合うのか 
アジェンダ2025共創プログラム

【2050年の未来像の仮説】多くの領域で人間を凌駕するAIが登場し、人間社会との境界も曖昧になる未来。
AIが様々なリスクをもたらしながらも、最終的に人間の「いのちがより輝く」状態を目指すためにはどうしたら良いでしょうか。
本プログラムでは、私たち人間が、AIという新たな知能とどのように向き合うべきかを考えます。

  • 20251011日(土)

    14:3016:30

    (開場 14:00)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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