SDGs+Beyond いのち輝く未来社会 ウィーク
第20回/2025年度 ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞 授賞式・トークセッション~世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている~
日本ロレアル株式会社
ロレアルグループが1998年以来ユネスコと共同で開催している「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」の日本奨励賞授賞式(日本で2005年に創設、万博開催年が日本20周年に当たります)と、科学界におけるジェンダーギャップの問題、女性研究者支援の必要性を議論するトークセッションを開催します。
映像記録有り
対話プログラム
- SDGs
- 未来社会
- ポストSDGs
| 同時通訳 | 提供する |
|---|---|
| 発信言語 | 日本語及び英語 |
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アジェンダ2025
参加プログラム
- 開催日時
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2025年10月02日(木)
14:30 ~ 16:00
(開場 14:00)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
日本ロレアル株式会社は、2005年に「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を創設、「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている」という信念のもと、科学分野におけるジェンダー平等の実現を目指し、毎年4名ずつ若手女性研究者を選出し、奨学金を支給し、その実績を称え、研究活動を支援して参りました。創設から20周年を迎えるこの節目の年に、いまや科学界で指導的な立場へと成長された過去の受賞者や、本賞審査員で日本の科学界を代表する自然科学機構 機構長 川合眞紀氏、ならびに関西科学塾の理事で大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点特任教授 原田慶恵氏 をパネリストに招聘。科学界におけるジェンダーギャップや女性研究者の支援の必要性を議論するトークセッションを開催します。
実施レポート
【振り返り】
本プログラムでは、日本において20周年を迎える「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」授賞式および科学界におけるジェンダーギャップや女性研究者の支援の必要性を議論するトークセッションを実施しました。
(1)「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」授賞式
授賞式では、各賞3名、物質科学と生命科学の両分野から、計6名の若手女性科学者に賞を授与しました。
授与に先立ち、日本ロレアル株式会社ジャン-ピエール・シャリトン代表取締役社長より、日本において20年に渡り、優秀な若手女性研究者を支援してきたこと、また、本プログラムで表彰される女性科学者達は、その献身、好奇心、努力、斬新な発想、飽くなき意欲等に因り、科学の世界に計り知れない貢献を果たす大きな可能性を秘めていること、世界が今まで以上に科学を必要としている現代において、科学界におけるジェンダー平等実現の重要性、そしてその為にもこの取り組みの継続を約束すること等が示されました。
続いて、在京都フランス総領事館サンドリーヌ・ムーシェ総領事より、祝辞とこの賞の意義、フランスにおけるジェンダー平等の国家的大義が示されました。
フランスでは1970年代から男女平等担当大臣が置かれ、憲法にも男女平等が明記されており、政府や議会においても男女同数を目指す政策が実施されていること、特にSTEAM分野(科学、技術、工学、芸術・リベラルアーツ、数学)においては、女子学生の増加や支援策が積極的に推進されている一方、依然残る科学分野における男女格差、女性研究者の業績が男性に比べて過小評価される現象等が挙げられ、日本を含む多くの国で共通の問題であることが共有されました。
(2)トークセッション 「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている:20年の軌跡と次世代へのメッセ-ジ」
トークセッションには、物質科学分野の審査員である川合眞紀氏、大学および一般社団法人にて指導的立場にある原田慶恵氏、第1回受賞者であった高峰愛子氏、本年度の受賞者沖田ひかり氏が登壇。主に、「20年に渡るプログラムにて科学界のジェンダーギャップはどの様に変化したのか」「未来に向けてどう変化していくべきか」について議論がなされました。
<本賞 設立当時の状況>
冒頭、モデレータ因り、本章設立時、2005年の日本における女性科学者の比率が11.9%、20年経た2024年が18.3%と、伸びしろを大きく残している旨紹介が有りました。
当時について、賞の立上げに関わった川合氏からは、賞の対象者、内容の確定に試行錯誤したこと、結婚、出産、留学等、女性科学者における様々なライフステージに対応できる賞にしたいと考えたこと、女性科学者の比率が上がっていく機運を感じている旨が示されました。
第1回受賞者で当時大学院生であった高峰愛子氏からは、特に女性比率の低い原子核分野を専攻、就職に関する悩みも有ったが、本賞の受賞が研究者として進む起点となり、研究への意欲や楽しさが原動力となっている旨などが共有されました。
<活躍する女性像を発信する重要性>
女子中高生の理系進路選択支援プログラム「関西科学塾」に携わる原田氏は、女性科学者のロールモデル不足を指摘。女子中高生と保護者約1,000人に対し、大学、企業等、理工情報系の仕事が多く存在すること等の啓発を行っており、徐々に成果が出ていると話しました。
今年の受賞者沖田氏からは、女性研究者の課題と展望について、日本特有の女性に対する固定概念が女性科学者輩出の障害になる危惧と女子中高生向けイベント等を通じた固定概念の変化に対する期待が語られました。
また、研究の継続には家族のみならず国の制度の充実、女性の多様なライフステージに応じた環境整備が重要であると添えました。
これらの議論を踏まえ、川合氏は、理工情報系の女性の在り方・進み方について、順序にとらわれずより自由な選択、柔軟な行動を、と語りました。
<次世代へのメッセージ>
議論の最後に、登壇者から女性科学者を目指す女性たちへ向けてメッセージが送られました。
沖田氏は「自ら選択することが後悔の無い人生につながり、頑張ることができる」、高峰氏は「結婚、出産後に研究するという道も有り、子どもを守る知識を得ることができるという観点から母親になる女性にこそ科学の素養を身につけて欲しい」、原田氏は「今、進路の変更が容易になっている、楽しく、一生懸命、前向きに取り組んで欲しい」、川合氏は「研究者も職業の一つ、普通に生活する上で研究を続ければ良い、自由に生きれば良いのです」と、それぞれ語りました。
【会期後の取り組み】
日本ロレアル株式会社は、「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を通じ、これまで81名の若い女性研究者を支援して参りました。
今後も、この賞が不要となる世界を目指し、これらの取り組みを継続して参ります。
出演者情報
モデレータ
楠田倫子
日本ロレアル株式会社 ヴァイスプレジデント コーポレート・レスポンシビリティ本部 本部長
上智大学法学部国際関係法学科卒業後、金融機関、米系消費財メーカーを経て1999 年日本ロレアル入社。様々なブランド統括および事業部長職を歴任後、2020 年にヴァイスプレジテントに就任。2022年 9 月よりコーポレート・レスポンシビリティ本部長、現在に至る。
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登壇者
©自然科学研究機構
川合眞紀
自然科学研究機構
自然科学研究機構 機構長。日本学士院会員であり、日本化学会、日本物理学会、日本真空表面学会の名誉会員、東京大学名誉教授、理化学研究所名誉研究員。紫綬褒章受章、文化功労者。ロレアル-ユネスコ女性科学者賞を受賞(2019年)したほか、ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞の審査員を務める。
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原田慶恵
大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点特任教授、一般社団法人関西科学塾コンソーシアム理事
1988年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻修了,工学博士.1988年JSPS特別研究員,1990年大阪大学基礎工学部教務職員,1992年新技術事業団ERATO柳田生体運動子プロジェクト研究員,1998年慶應義塾大学理工学部専任講師,2000年財団法人東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 副参事研究員,2008年京都大学物質-細胞統合システム拠点教授,2016年大阪大学蛋白質研究所教授, 2025年大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点特任教授
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高峰愛子
九州大学 大学院理学研究員 物理学部門 准教授 博士(学術)
東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻、2006年第1回ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励 物質科学分野受賞。2007年4月より国立研究開発法人理化学研究所 山崎原子物理研究室 基礎科学特別研究員、2010年4月より青山学院大学 理工学部 物理・数理学科 助教、2015年4月より国立研究開発法人理化学研究所の研究員を経て、2024年4月より現在に至る。
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沖田ひかり
東京科学大学 総合研究院 生体材料工学研究所 鳴瀧研究室 助教
名古屋大学 大学院工学研究科 生命分子工学専攻、2025年第20回ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励 生命科学分野受賞。(受賞理由)生命の起源における未知の遺伝物質の可能性を示し、原始地球に倣った人工生命の基盤システムの確立に貢献。
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第20回/2025年度 ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞 授賞式・トークセッション~世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている~
ロレアルグループが1998年以来ユネスコと共同で開催している「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」の日本奨励賞授賞式(日本で2005年に創設、万博開催年が日本20周年に当たります)と、科学界におけるジェンダーギャップの問題、女性研究者支援の必要性を議論するトークセッションを開催します。
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2025年10月02日(木)
14:30~16:00
(開場 14:00)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

©日本ロレアル株式会社
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