SDGs+Beyond いのち輝く未来社会 ウィーク
私と私たちの調和する未来:2050年とその先の共同体
アジェンダ2025共創プログラム
シェイプ・ニューワールド・イニシアティブ
【2050年の未来像の仮説】
アートが私たちの行動変容を促進し、テクノロジーによって個人と集団の幸福が調和した未来。
私と私たちが重なり合う未来へーー人工知能やバーチャルビーイングなどのテクノロジーによって、個人と集団の幸福を両立させられるような未来社会は訪れるのか?さまざまな調査研究プロジェクトの成果をもとに検討します。また、そのような未来へ移行するためのアートによる行動変容の可能性、数百年にわたって力強く続く共同体の条件など、アートやエンターテイメントによるストーリーテリングの可能性についても検討します。
映像記録有り
対話プログラム
- SDGs
- ポストSDGs
- アート
| 同時通訳 | 提供する |
|---|---|
| 発信言語 | 日本語及び英語 |
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アジェンダ2025
共創プログラム
- 開催日時
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2025年10月11日(土)
11:00 ~ 13:00
(開場 10:30)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
個人と集団の幸福が重なり合う未来はどのように実現できるのか?本プログラムでは、未来社会デザインの観点から、ムーンショット型研究開発事業の調査研究や、大阪大学社会ソリューションイニシアティブと科学技術振興機構RISTEXの共同研究によって検討された、テクノロジーにより調和する未来のビジョンを紹介します。併せて、テクノロジーによりデジタルとリアルが混ざり合う未来を国際的に研究したメタサピエンスプロジェクトなども取り上げます。その他、人類の寿命が200年となるような未来に必要な長く続く共同体の条件や、サイエンスやテクノロジーを用いたアートの力など、世代を超えた多様な観点から対話します。
実施レポート
【振り返り】
本セッション「私と私たちの調和する未来:2050年とその先の共同体」では、個と共同体の関係を再設計し、テクノロジーと文化の両面から「調和」を実装する道筋を検討しました。
モデレーター佐久間洋司さんは、個人の状態をセンシングで把握し、「自分ならどう考えるか」を補助するAIエージェントに近い仕組みを想定しつつ、テクノロジーが「私」と「私たち」の調和を支える可能性に言及しました。
巴山竜来さんは、数学と映像表現の実践を踏まえ、抽象的な概念を感覚的な体験へと翻訳することで、人々が「一者」や共同性を身体化して理解できる余地を示しました。会場では、理論と体験を往復する学びの形式として、映像作品を用いた提示が行われ、視覚と没入の手法が議論の触媒になりました。
福島にこさんは、「調和」をJ・S・ミルの他者危害原則の範囲で「私の幸福」と「みんなの幸福」を相互に承認できる状態と再定義しました。そのイメージを「海」に喩え、日本社会の「凪」のような静けさと、自己主張が波立つ場面の双方を踏まえ、まずQOLの底上げを行い、その上で自己理解と他者理解を進める二段階アプローチを提案しました。日常のメディア消費や推薦アルゴリズムへの主体性の揺らぎに触れ、人工的な調和と自然な調和のバランス設計を課題として提示しました。
牧之段直也さんは、リアルとデジタルの境界を横断する生活様式の可能性を示し、共感の拡張と体験の共有がコミュニティデザインを変えると述べました。将来シナリオとして、他者の知覚や感情、行為が自他のあいだを循環し、「私/あなた」の境界がほどけることで協働の新しい形が生まれる可能性を論じました。
音楽家のtohenさんからはビデオメッセージが寄せられ、数学的グラフィックスと音楽を統合した制作を通じ、呼吸や星の運行、海のうねりと共鳴する円環的な体験の意義が共有されました。芸術実践が調和の感受性を呼び起こし、想像力の更新を促すことが示されました。
下山明彦さんは、長期的視点から都市とアートの関係を語り、次世代へ受け渡せる象徴的な作品や場の構想を示しました。セッションの終盤では、テクノロジーを媒介にしながらも「体験」が中核にあるという示唆が共有され、AI活用の可塑性と倫理的ガバナンス、そして「遊び」や儀礼に内在する創造性の重要性が確認されました。
総括として、抽象概念を体験へ翻訳するアート/サイエンスの往復、QOLの底上げを前提にした自己理解・他者理解の設計、AIエージェントや参加ツールを活用した合意形成、個人の自由と共同体規範の両立を支える制度・倫理の更新が、2050年に向けた「調和」実装の要件として整理されました。
【会期後の取り組み】
登壇者は、会期後のそれぞれの研究、事業展開等における重要な視点として以下を挙げました。
(1)数学・映像・音楽などの横断的表現を活用し、抽象的テーマの体験化を促すプログラムを継続・拡充していくこと
(2)若者を含む多様な当事者が参加できる合意形成プロセスを設計し、AIエージェントやライブQ&Aなどの参加ツールを用いて「私」と「私たち」の間の媒介と対話の質を高めていくこと
(3)QOLの底上げを基盤に、自己理解・他者理解を育む教育カリキュラムやワークショップを学校・地域・オンラインで展開し、体験に根差した共感の回路を増やしていくこと
(4)アーティスト、研究者、実務者が連携する制作・研究の共同体を整備し、作品発表や公開講評、地域回遊型の展示等を通じて「調和の感受性」を広げていくこと
これらを通じ、個と共同体の関係を固定せず、状況に応じてしなやかに編み直す社会の基盤づくりを推進すること。
※このレポートの一部または全部はAIによって生成されました。
出演者情報
モデレータ
佐久間 洋司
大阪大学社会ソリューションイニシアティブ 特任研究員、シェイプニューワールドイニシアティブ 代表
1996年生まれ。大阪大学ではアバターやエージェントを用いた新しいコミュニケーションの研究に取り組む。2025年大阪・関西万博では大阪パビリオンのディレクターとして「未来のバーチャルビーイング」の展示を統括する。大阪大学と科学技術振興機構の共同研究プロジェクトである未来社会デザインに係る調査研究の研究代表者も務める。大阪商工会議所 未来社会創成委員会 座長、日本SF作家クラブ会員ほか。2021年にはムーンショット型研究開発事業の調査研究でチームリーダーを務めた。2022年に日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023に選出。
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登壇者
下山 明彦
Founder
2017年、仮想通貨事業「株式会社 CoinOtaku」を創業。
2020年、上場企業に6億円で売却。
現在は第二の起業である「株式会社 Senjin Holdings」を率いる。
東京大学卒業。
東京藝術大学大学院にて修士号を取得。
現在慶應義塾大学にて博士課程在籍中。
分散型金融(DeFi)、環境持続可能性、宇宙探査、人間の寿命延長といったプロジェクトを通じ、起業活動と芸術的創造によって社会を形作ることを志す。
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牧之段 直也
株式会社SIGNING
1997年生まれ。2020年に博報堂入社。商品開発から未来洞察まで経験し、2023年よりSocial Business Studio「SIGNING」に参画。未来世代に向けたグローバルアジェンダの普及に取り組み、バーチャルとリアルが溶けた未来や、ネイチャーポジティブとヒューマンポジティブが実現した未来社会を研究開発。
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福島 にこ
筑波大学附属高等学校 2年 / GEMTalks4期生 / 東京大学松尾・岩澤研究所 GCIsummer2025 修了生 / 三菱みらい育成財団 高校生MIRAI万博 第二部メンバー
中学時代に無電化地域の少女の映像を見て、電気と社会的不平等に関心を持つ。高校では発電服の研究を進めるとともに、機械学習を学び韓国HAS国際シンポジウムにてAIとメンタルヘルスについて学校の代表チームとして発表。高校生MIRAI万博では飢餓問題に取り組み、啓発イベントを企画。電気学会U21学生研究発表会優秀賞、坊ちゃん科学賞入賞、GEMTalksトパーズ賞•企業賞、朝日新聞私の折々のことばコンテスト佳作など詩、俳句でも多数受賞。元素検定2級取得。
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巴山 竜来
数学者
1982年奈良県生まれ。慶應義塾大学環境情報学部准教授。専門は数学(とくに複素幾何学)、およびCGを通じた数学のアート・デザインへの応用。寺院の改修事業や西陣織の研究開発など、建築やテキスタイルにおける協業にも参加している。
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tohen
アーティスト
アーティスト。世界精神(Weltgeist)をコンセプトに、音楽と芸術を横断し、あらゆる媒体を通じて独自の世界観を紡ぐ。2025年10月、大阪・関西万博に際して開催されたアート展「思弁的な音楽/物語派」に作家として出展し、音楽家・アーティストとしてデビュー。作詞作曲、演奏に加え、イラスト、ナレーション、声優など幅広い表現を行うマルチクリエイター。
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SDGs+Beyond いのち輝く未来社会 ウィーク
私と私たちの調和する未来:2050年とその先の共同体
アジェンダ2025共創プログラム
【2050年の未来像の仮説】
アートが私たちの行動変容を促進し、テクノロジーによって個人と集団の幸福が調和した未来。
私と私たちが重なり合う未来へーー人工知能やバーチャルビーイングなどのテクノロジーによって、個人と集団の幸福を両立させられるような未来社会は訪れるのか?さまざまな調査研究プロジェクトの成果をもとに検討します。また、そのような未来へ移行するためのアートによる行動変容の可能性、数百年にわたって力強く続く共同体の条件など、アートやエンターテイメントによるストーリーテリングの可能性についても検討します。
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2025年10月11日(土)
11:00~13:00
(開場 10:30)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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