未来への文化共創 ウィーク
世界をつなぐ歌・踊り 万博がつなぐ世界の文化 ~内閣官房万博国際交流プログラム紹介~ 前半
大阪・関西万博テーマ事業 いのちを高める(中島プロデューサー)
全国で多彩に展開中の内閣官房「万博国際交流プログラム」の事例を紹介し、万博を通じた日本と世界の躍動的な出会いや創発の可能性を探ります。首長や大使、領事、文化人類学者、アーティストや教育者、子ども達らが集い、多彩な郷土文化や世界をつなぐ歌や踊り(KURAGE Band)を通じて交流し、万博を盛り上げます。
映像記録有り
対話プログラム
- その他
- 万博がつなぐ世界の文化
同時通訳 | 提供する |
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発信言語 | 日本語及び英語 |
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トラックプログラム
- 開催日時
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2025年04月26日(土)
16:30 ~ 17:45
(開場 16:15)
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- 開催場所
- 各パビリオン
- ウーマンズパビリオン「WA」スペース
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
全国で多彩に展開中の内閣官房「万博国際交流プログラム」の事例を紹介し、万博を通じた日本と世界の躍動的な出会いや創発の可能性を探ります。首長や大使、領事、文化人類学者、アーティストや教育者、子ども達らが集い、多彩な郷土文化や世界をつなぐ歌や踊り(KURAGE Band)を通じて交流し、万博を盛り上げます。
音楽家でもある中島中島プロデューサーが音で世界を、人をつなげる意味を、万博という世界中から英知が集まるこの機会にあえて問いかけます。内閣官房の万博国際交流プログラムの事例紹介も兼ねています。自身が率いる多国籍バンド「KURAGE Band」のメンバーはもちろん、これまでも共に文化・芸能を発信している山本能楽堂他をゲストに迎え、トークとパフォーマンスをお届けします。
実施レポート
【振り返り】
今回の対話プログラム「万博がつなぐ」では、内閣官房が推進する「万博国際交流プログラム」の事例をもとに、世界と日本、そして地域と世界をつなぐ可能性について多角的な視点から探る貴重な機会となりました。多様な登壇者が一堂に会し、それぞれの立場から、万博を契機とした国際交流の可能性や地域文化の発信について語りました。
文化人類学者の長谷川眞理子氏は、「違いを楽しむ」ことの大切さを強調し、文化や価値観の違いに向き合うことで初めて生まれる対話や理解が、これからの共生社会を築く土台であると述べました。また、元外交官である奥田紀宏氏は、万博の持つ外交的側面と、個人同士の心をつなぐ対話の意義について語り、国際交流とは一方通行ではなく、互いを尊重しながら学び合う過程であることを改めて示してくれました。
さらに、アーティストでありプロデューサーでもある中島さち子氏は、「音楽や芸術は国境を越える言語」であることを体現し、多国籍バンド「KURAGE Band」の演奏を通じて、世界中の人々が感情でつながる場を創出しました。音楽を媒介としたこの体験は、理屈を超えた交流の可能性を強く印象づけました。
また、子どもたちの参加も特筆すべき点でした。純粋な目線からの発言や演奏は、未来を担う世代の想像力と柔軟さを感じさせ、大人たちにとっても多くの気づきを与えるものでした。地域の芸能や文化、そして教育との連携も随所に見られ、万博が単なるイベントではなく、学びと共創の場として機能することを実感する内容となりました。
このように、多様な立場・世代・国籍の人々が「つながる」ことを体感する時間となり、万博の意義を再確認するとともに、未来に向けた共創の芽が着実に育まれていることを感じました。
【会期後の取り組み】
今回の対話プログラムを通じて得られた気づきや出会いを、今後の具体的なアクションへとつなげていくことが求められます。まず重要なのは、万博を一過性のイベントとして捉えるのではなく、そこに至る過程やその後の持続的なつながりづくりを重視することです。
プログラムでは、地域の伝統芸能や文化が世界とつながる媒介となりうることが再確認されました。したがって、地域社会に根ざした文化活動をさらに支援・発信する取り組みが必要です。たとえば、学校教育と連携したワークショップや、国際的な交流プログラムの地域展開などを通じて、次世代への橋渡しを実現していくことが期待されます。
また、プログラムで紹介された「KURAGE Band」や、山本能楽堂との協働によるパフォーマンスは、芸術が持つ包摂力と発信力を再認識させてくれました。これらの取り組みを他地域にも展開し、ローカルとグローバルが響き合うような機会を意図的に増やしていくことが大切です。
特に注目すべきは、子どもたちの創造的な関与です。音楽、ダンス、表現を通じて自らの思いを発信した子どもたちの姿は、未来の多文化共生社会の担い手としての可能性を十分に示していました。これを継続的に育むためには、学校や家庭だけでなく、地域や行政、民間も巻き込んだ横断的なネットワークづくりが不可欠です。
さらに、万博という国際的な舞台を利用した対話・交流プログラムの拡充も視野に入れるべきです。国内外の子どもや若者、芸術家、研究者らが協働するプラットフォームを整備することで、日常の延長線上に「世界」があることを実感できる場を提供できるでしょう。
今後は、今回のような出会いと気づきをきっかけとして、小さな対話や交流を重ねることによって、地域発の国際共創の芽を全国に広げていくことが重要です。プログラムの精神を引き継ぎながら、多様な主体の参画を得て、「万博がつなぐ」未来を共につくっていくことが、会期後の大きなテーマとなるでしょう。
出演者情報
モデレータ
中島 さち子
テーマ事業「いのちを高める」(2025年日本国際博覧会協会)
音楽家・数学研究者・STEAM 教育者。
(株)steAm 代表取締役、(一社)steAm BAND代表理事、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、内閣府STEM Girls Ambassador、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員。国際数学オリンピック金メダリスト。音楽数学教育と共にアート&テクノロジーの研究も進める。
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井上 学
内閣官房内閣審議官 国際博覧会推進本部事務局次長
1991年通商産業省(現・経済産業省)入省。外務省香港総領事館経済部長、日本貿易保険総務課長、経済産業省経済連携交渉官、国際博覧会推進室長、観光庁参事官、国際博覧会統括調整官等を経て、2022年4月より内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長。
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登壇者
山本 佳誌枝
山本能楽堂 事務局長
大阪で最も歴史が古く、最も革新的な活動をしている能楽堂・山本能楽堂。10年以上前から初心者向けの夜の能公演をはじめ、複数の上方伝統芸能をダイジェスト版でみせる「初心者のための上方芸能ナイト」などを実施。また、能舞台から飛び出してビルのエントランスや船上で能楽を披露し、現代アーティストとコラボレーションするなど常識にとらわれない幅広い活動を行ってきた。2012年にはブルガリアで初の海外公演、2016年にはシビウ演劇祭から招聘を受けて大成功を収めるなど、海外との交流にも力を入れている。海外との交流が認められ2015年には国際交流基金地球市民賞を受賞。
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チェ ジェチョル
韓国太鼓(チャンゴ)奏者/歌い手・踊り手、steAm 国際文化交流ディレクター
韓国太鼓の演奏の他、楽曲製作(作詞、作曲)、TVCM音楽製作(資生堂化粧品 2008春夏)、舞踏(田中泯)とのコラボレーション等も行う。2009年より日本と韓国の文化に触れる旅『Chango Walk』始める。「歩く生活、歩くリズム」を求めて、東海道五十三次や東京~韓国 星州、富士山詣、三陸沿岸、佐渡島一周の道のりを叩き歩いた。山、川、海、アスファルト、道端で感じるリズム 踊り 歌を表現のテーマとする。2015年より日韓芸能交流活動を本格的に開始。東北民俗芸能と韓国農楽の文化交流に注力し、青森県八戸の郷土芸能「えんぶり」に参加(八太郎えんぶり組に所属)。KURAGE Band にて、現在は大阪・関西万博クラゲ館(中島さち子プロデューサー)と共に、世界の文化をつなぐ協奏に尽力する。「歩く」を用いたKURAGE 企業研修も展開中。
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テンジン クンサン
チベット音楽家/歌い手・踊り手、Tibetan Insutitute of Performing Arts アーティスト
チベット難民2世。インド、ダラムサラのチベット舞台芸術学校であるTIPAにてトレーニングを積み2010年来日。歌、楽器演奏、踊りなど多様なチベットの伝統芸能を伝える数少ないアーティスト。ソロ活動の他、キキソソバンドはじめ複数のバンドで活躍。
2022年にはNHK朝ドラ「舞いあがれ!」のBGMとして演奏曲を提供。オーストラリアで開催された2023,2024年の「Woodford Folk Festival」にも出演。長野県伊那谷ではチベット音泉まつりを自身で主催している。
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佐伯 篤宣
和太鼓奏者、サエキ囃子保存会代表
2002年地元の太鼓チームに入る。大学時代プロ和太鼓奏者神奈川馬匠氏に師事。
小学校への指導、地元太鼓チームへの指導、またプロの演奏家とのイベント出演などを行う。
2021年「地元に100年続く郷土芸能を...」の思いのもと、チャンゴ奏者であり郷土芸能者のチェ・ジェチョル氏と"サエキ囃子"を立ち上げる。
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未来への文化共創 ウィーク
世界をつなぐ歌・踊り 万博がつなぐ世界の文化 ~内閣官房万博国際交流プログラム紹介~ 前半
全国で多彩に展開中の内閣官房「万博国際交流プログラム」の事例を紹介し、万博を通じた日本と世界の躍動的な出会いや創発の可能性を探ります。首長や大使、領事、文化人類学者、アーティストや教育者、子ども達らが集い、多彩な郷土文化や世界をつなぐ歌や踊り(KURAGE Band)を通じて交流し、万博を盛り上げます。
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2025年04月26日(土)
16:30~17:45
(開場 16:15)
- 各パビリオン
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。
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