未来への文化共創 ウィーク
スポーツで地球を守ろう:持続可能な未来のためのスポーツの役割と可能性
国際連合
スポーツは、文化やコミュニティを超えて人々にインスピレーションを与え、団結させる力を持っています。グローバルな環境・社会課題に直面する中で、スポーツ業界は持続可能な開発目標(SDGs)の推進において重要な役割を有しています。国連は「Football for the Goals*」などのキャンペーンを通じて、世界のスポーツ関係者とともに、SDGsの推進を主導しています。
本イベントでは、Football for the Goalsの発足メンバーの一つである欧州サッカー連盟(UEFA)、及び、アスリートを通して気候変動や海洋ごみ問題に取り組む「HEROs PLEDGE」(日本財団HEROsプロジェクト)との協力の下、スポーツ団体、民間企業、アスリートなど、スポーツ業界の第一線で活躍する関係者を迎え、サステナビリティとスポーツの接点を探り、スポーツがどのように持続可能な未来を築くための先導役となれるかを議論します。
*国連が主導するイニシアチブで、世界中のサッカー関係者がSDGsへの関与と発信を行うためのプラットフォーム。世界中のサッカー連盟やリーグ、クラブチーム、選手会、サポーター団体など、サッカー界のあらゆるレベルの関係者が参加し、サステナビリティへの取り組みを強化し、行動の変化を促すSDGs戦略の実施を目指している。
映像記録有り
対話プログラム
- スポーツ
同時通訳 | 提供する |
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発信言語 | 日本語及び英語 |
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トラックプログラム
- 開催日時
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2025年04月27日(日)
14:00 ~ 15:20
(開場 13:30)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
プログラム:
1.マーヘル・ナセル国連事務次長補/国連パビリオン代表による開会の挨拶
2.基調講演 「成功のカギはサステナビリティ:スポーツイベントの新たな戦略」
欧州サッカー連盟(UEFA)社会・環境サステイナビリティ担当ディレクター ミケーレ・ウヴァ氏
3.パネルディスカッション 「持続可能な未来におけるスポーツの役割」
協力機関:欧州サッカー連盟(UEFA)、HEROs PLEDGE(日本財団HEROsプロジェクト)
実施レポート
【振り返り】
冒頭、ミケーレ・ウヴァ欧州サッカー連盟(UEFA)社会・環境サステナビリティ担当部長による基調講演が行われ、その後、根本かおる国連広報センター所長の司会の下、ウヴァ部長、マーヘル・ナセル国連パビリオン代表、スキージャンプの高梨沙羅選手、吉川美奈子アシックス エグゼクティブアドバイザー、そして永島昭浩大阪府サッカー協会会長/日本サッカー協会評議員を迎え、スポーツ界が持続可能な未来のために果たす責任や可能性について議論するパネルディスカッションが行われました。
基調講演では、UEFAが環境、社会、組織運営の3つの柱に沿ってサステナビリティを推進していることが紹介されました。具体的には、スタジアムや大会運営において温室効果ガス排出削減やごみ削減、資源リサイクルの徹底といった環境面での取り組みに加え、人種差別撤廃、ジェンダー平等、障害者の権利推進、研修や調達におけるサステナビリティ配慮など、多岐にわたる活動が挙げられました。
また、スポーツが持つ広範な影響力にも触れ、UEFAはプロクラブ約3,000、アマチュアクラブ約25万、選手2,000万人を擁する巨大なネットワークを有し、世界全体で20億人にものぼるファンにメッセージを届けられる力があることが語られました。
高梨選手は、雪不足によるスキージャンプ大会の延期・中止や、人工雪によるジャンプ台の試合を経験されたことから、気候変動の影響に強い危機感を抱くようになり、未来の子どもたちへスノースポーツをつなぐためにも気候変動対策に取り組むようになったと語りました。そして、恵まれた環境で競技を続けてこられたアスリートの立場から、その必要性を発信していきたいと述べました。
永島会長は、復興支援やサッカーを通じた子どもの教育、試合に出られない子どもたちの人権問題への対応など、サッカーを通じた教育や社会・文化の発展の重要性を挙げ、サステナビリティは環境・気候変動だけでなく、幅広い側面があることを強調しました。
吉川エグゼクティブアドバイザーからは、二酸化炭素排出量を抑えたシューズ開発の事例を紹介しつつ、企業としてサステナビリティを推進するには、それを長期的な投資と捉え、サプライチェーンを見直すことや、リサイクルプログラムやアプリを活用して消費者を巻き込む取り組みが重要であると語られました。
全体を通じて、スポーツとサステナビリティの幅広い接点が浮き彫りになり、サステナビリティを推進するには長期的な視点を持つこと、仲間を増やしコミュニティとして互いに刺激し合う機運を醸成すること、そして最後まであきらめずに一つ一つ実行していくことの重要性が訴えられました。
【会期後の取り組み】
今後も国連は、スポーツとサステナビリティのつながりに注目し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた行動を促進するため、スポーツコミュニティとの連携を積極的に進めていきます。
例えば、世界中で広く親しまれ、その影響が商業、平和、外交など多岐にわたり、協力の場を生み出す力を持つサッカーに着目し、国連は「Football for the Goals(フットボール・フォー・ザ・ゴールズ)」イニシアティブを通じて、SDGsの認知向上や、フットボール業界における行動変容と持続可能な取り組みを推進しています。
今回の万博を機に、日本サッカー協会や日本障がい者サッカー連盟、その他のプロクラブなど日本のパートナーにも新たに加わっていただき、日本のサッカー界を通じてSDGsの普及に努めていきます。
また国連は、スポーツが人権の促進、社会的包摂、経済発展に貢献する重要な手段であると認識し、「開発と平和のためのスポーツ」を積極的に推進しています。
今後もスポーツ関係者をつなぐコミュニティを築き、ベストプラクティスの共有や課題への対応、持続可能な開発と平和に向けたパートナーシップの構築を後押しすることで、スポーツの力を活かした持続可能な未来の実現を目指していきます。
出演者情報
モデレータ
根本かおる
国連広報センター所長
東京大学法学部卒。テレビ朝日を経て、米国コロンビア大学大学院より国際関係論修士号を取得。1996年から2011年末まで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)にて、アジア、アフリカなどで難民支援活動に従事。ジュネーブ本部では政策立案、民間部門からの活動資金調達のコーディネートを担当。WFP国連世界食糧計画広報官、国連UNHCR協会事務局長も歴任。フリー・ジャーナリストを経て2013年8月より現職。
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登壇者
マーヘル・ナセル
国連事務次長補兼2025年大阪・関西万博国連陳列区域代表
国連システムにおいて36年以上の勤務経験を持ち、これまでアンマン、カイロ、ドバイ、ガザ、ニューヨーク、ウィーンで勤務。グローバル・コミュニケーション局のアウトリーチ部門における市民社会、学術機関、スポーツ(特にサッカー)、広告業界を含むクリエイティブコミュニティとの連携を統括する。
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ミケーレ・ウヴァ
欧州サッカー連盟(UEFA)社会・環境サステナビリティ担当ディレクター
2021年1月よりUEFA社会・環境サステナビリティ担当ディレクターを務める。
これまでプロスポーツ界における様々な競技や組織において長年の勤務経験を有し、著名な組織の指導的役割を果たす。イタリアサッカー連盟(FIGC)やイタリアオリンピック委員会(CONI)、パルマやラツィオといったプロサッカークラブの代表を務め、イタリア・セリエAリーグの副コミッショナーも歴任。また、バスケットボール(ロットマティカ・ローマ)やバレーボール(ボローニャ、トレヴィーゾ、マテーラ)の代表を務めた経験もある。
2017年から2020年にかけてはUEFAの副会長を務め、クラブライセンス委員会の議長を担当。さらに、財務委員会、クラブ大会SA委員会、戦略指導委員会、プロサッカー戦略委員会、女子サッカー委員会など、UEFAの主要委員会にも所属。
スポーツやサッカー業界に関する6冊の著書を持ち、イタリア国内外の大学院課程で講師としても活躍。
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高梨 沙羅
スキージャンプ選手
8才からジャンプを始め、2011年2月コンチネンタルカップで国際スキー連盟公認国際ジャンプ大会 女子選手史上最年少優勝。FISワールドカップ4度の総合優勝等を経て、18年平昌冬季五輪では銅メダルを獲得。FISワールドカップでは男女を通じて歴代最多の63勝、女子歴代最多116回目の表彰台に立つ偉業を達成。
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吉川 美奈子
株式会社アシックス エグゼクティブアドバイザー
2011年アシックス入社。CSR部長として組織体制と戦略のグローバル化を推進。広報部長、D&Iやリスクマネジメント体制の立ち上げを経て、2021年からグローバルの責任者であるサステナビリティ統括部長としてサステナビリティを経営に統合。COP28スピーカー。 周南公立大学客員教授。
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永島 昭浩
日本サッカー協会評議員/大阪府サッカー協会会長
御影工業高校時代に国体優勝を果たし、1983 年に松下電器産業(現ガンバ大阪)に加入。その後、清水エスパルスを経て、当時 JFL(日本フットボールリーグ)に属していたヴィッセル神戸へ移籍。J リーグ通算 165 試合出場、61 得点という記録を残し、2000 年に現役を引退。現在は、日本サッカー協会評議員やリスペクト委員会防災復興・復興支援部会長、JFAこころのプロジェクトアンバサダー、大阪府サッカー協会会長、サッカー日本代表OB・OG会会長として、サッカー界の発展と地域貢献に尽力する一方、サッカー解説者・スポーツキャスターとしても活動。
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未来への文化共創 ウィーク
スポーツで地球を守ろう:持続可能な未来のためのスポーツの役割と可能性
スポーツは、文化やコミュニティを超えて人々にインスピレーションを与え、団結させる力を持っています。グローバルな環境・社会課題に直面する中で、スポーツ業界は持続可能な開発目標(SDGs)の推進において重要な役割を有しています。国連は「Football for the Goals*」などのキャンペーンを通じて、世界のスポーツ関係者とともに、SDGsの推進を主導しています。
本イベントでは、Football for the Goalsの発足メンバーの一つである欧州サッカー連盟(UEFA)、及び、アスリートを通して気候変動や海洋ごみ問題に取り組む「HEROs PLEDGE」(日本財団HEROsプロジェクト)との協力の下、スポーツ団体、民間企業、アスリートなど、スポーツ業界の第一線で活躍する関係者を迎え、サステナビリティとスポーツの接点を探り、スポーツがどのように持続可能な未来を築くための先導役となれるかを議論します。
*国連が主導するイニシアチブで、世界中のサッカー関係者がSDGsへの関与と発信を行うためのプラットフォーム。世界中のサッカー連盟やリーグ、クラブチーム、選手会、サポーター団体など、サッカー界のあらゆるレベルの関係者が参加し、サステナビリティへの取り組みを強化し、行動の変化を促すSDGs戦略の実施を目指している。
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2025年04月27日(日)
14:00~15:20
(開場 13:30)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。
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