EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)


メディアは、私たちの身体の拡張として、物語を記録してきました。パフォーマンスから作品まで、さまざまな形で記録された物語は、やがて伝統文化として受け継がれていきます。「物語を記録する」という視点から伝統文化をとらえたとき、テクノロジーや現代芸術のイノベーションは未来にどのような役割を果たすのでしょうか。本プログラムでは、コンテンポラリーダンス、バーチャルヒューマン、メディアアート、アニメーションなど、さまざまな分野で活躍する若手アーティスト、プロデューサー、研究者を招きます。彼らとともに、エンターテインメントと伝統文化の違い、身体性を伴って物語が記録される瞬間、そして身体を拡張するテクノロジーがもたらす2050年の「文化共創のプロセス」を明らかにしていきます。

実施レポート

【振り返り】
本プログラム「物語と身体性の未来:伝統文化を生み出すイノベーション」では、記憶や物語を身体を通じて記録するという営みが、どのように伝統文化へと昇華されてきたかを振り返りつつ、最先端のテクノロジーや現代芸術を通じた新たな文化創造の可能性について議論が行われました。

登壇者には、バーチャルヒューマンの開発者、コンテンポラリーダンスの振付家、映画メディア研究者、メディアアーティスト、そしてバーチャルシンガーなど、領域を横断する多彩な専門家が集まり、それぞれの視点から「身体性」と「物語性」の交差点について語られました。議論の中では、テクノロジーによる身体の拡張が、表現の手法や受け取り方にどのような影響を与えるか、そしてエンターテインメントと伝統文化を分かつ境界がどこにあるのかという問いが提示されました。

特に印象的だったのは、「物語は身体を通じて記録されることで伝統となる」という視点です。テクノロジーを通じた身体表現は、単なる仮想体験ではなく、新たなリアルの構築へとつながる可能性を持っているという意見が共有されました。参加者同士の対話も活発で、共創による未来の文化の在り方について具体的な展望が描かれる場面も多く見受けられました。

本プログラムは、単なる芸術的表現の紹介にとどまらず、文化をつくる「プロセス」に注目し、それをどう未来に接続させるかという重要な問いを共有する場となりました。今後の対話や実践の出発点となる有意義なセッションでした。


【会期後の取組み】
本対話プログラムを経て、主催者および登壇者たちは「身体性と物語性を伴う表現の未来」について、さらに実践的な取り組みを進めていく意欲を強く持ちました。特に、身体を拡張するテクノロジーと、文化的記録の手法としての物語の融合が、新たな伝統文化の創出につながるという仮説は、今後の活動における出発点として位置づけられています。

会期後の取り組みとして、まずは今回の登壇者間でのネットワークを活かし、国際的な共同研究やアートプロジェクトの立ち上げが計画されています。たとえば、バーチャルヒューマンやコンテンポラリーダンス、映像表現を組み合わせたハイブリッドな作品制作や、アーカイブ技術を活用した「身体の物語」の可視化プロジェクトなどが挙げられます。

また、地域社会との連携を深める活動として、地元の教育機関や文化施設と協力し、若年層向けに「身体と物語のワークショップ」を開催する計画も進められています。こうした活動は、単なるアウトリーチにとどまらず、未来の文化を担う次世代との共創を目的としたものです。

さらに、対話で生まれた知見をドキュメントとして蓄積し、誰もがアクセスできるかたちで公開する「文化共創アーカイブ」の構築も検討されています。これは、日本国内のみならず、海外の研究者やアーティストとの知識共有の基盤となることを目指しています。

これらの取り組みは、単なるイベントとしての万博を越えて、日常の中に文化の創造的プロセスを根づかせていくことを目的としています。今後も対話と実践を繰り返しながら、テクノロジーと身体性、物語を通じた新しい文化共創のかたちを探求していく予定です。

※このレポートの一部または全部はAIによって生成されました。

出演者情報

モデレータ

佐久間 洋司

大阪大学社会ソリューションイニシアティブ 特任研究員、シェイプニューワールドイニシアティブ 代表

1996年生まれ。大阪大学ではアバターやエージェントを用いた新しいコミュニケーションの研究に取り組む。2025年大阪・関西万博では大阪パビリオンのディレクターとして「未来のバーチャルビーイング」の展示を統括する。大阪大学と科学技術振興機構の共同研究プロジェクトである未来社会デザインに係る調査研究の研究代表者も務める。大阪商工会議所 未来社会創成委員会 座長、日本SF作家クラブ会員ほか。2021年にはムーンショット型研究開発事業の調査研究でチームリーダーを務めた。2022年に日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023に選出。

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登壇者

ジョセフ・リー

アンロック・ダンシング・プラザ(香港)アーティスティック・ディレクター

香港を拠点に活動する振付家、パフォーマー、パフォーマンス・キュレーター。香港中文大学とThe Place, London Contemporary Dance Schoolを卒業後、2022年にUnlock Dancing Plazaのアーティスティック・ディレクターに就任した。彼のキュレーション活動は、創作過程における知識の生産、蓄積、普及や レジデンシー形式のダンスフェスティバル「#DANCELESS complex」のような異文化間の対話、芸術的媒体を超えた対話など、地域のコンテンポラリー・ダンス文化の注目されていない側面に焦点をあてているほか、Unlock Body Labではコラーニング・プラットフォームのオープン・リサーチ・ウィークなど、身体を主なメディアとしたクリエイションの視野を広げる試みを行っている。最近のキュレーション・プロジェクト「#DANCELESS complex 2026」では、アジア太平洋地域におけるコンテンポラリー・パフォーマンスのトランスローカル・ネットワークを構築し、この地域のアーティストの認知度と持続可能性を高めようとしている。彼は、ポップカルチャー、クィア・ボディ、肉体労働、ダンスとそのイメージの重なりやギャップをテーマにした作品を積極的に創作している。リーの振付作品はイギリス、ドイツ、日本、オーストラリア、韓国、上海、北京でツアーされ、映像作品はソウルのEXiS、日本のイメージフォーラム・フェスティバル、南台湾映画祭など権威ある実験映画祭に選ばれて上映されている。彼は2017年に香港芸術発展局から贈られる若手芸術家賞を受賞している。

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クリストファー・テイラー

ジョンズ・ホプキンス大学 比較思想、文学部 博士研究員

比較思想・文学部でポスドクを務める以前は、2020~2021年にブレイクモア・フリーマンフェロー、2021~2022年に東京大学で日本学術振興会客員研究員、直近では2023~2024年にAGHIでリサーチ・フェローを務めた。ジョンズ・ホプキンス大学で映画とメディアに関する研究で博士号を取得し、イェール大学では哲学の学士号を取得している。現在のプロジェクトは、20世紀の日本における人工的な人間性(人間によって構築された人間)とアニマシーの斬新な概念の生成について研究している。モダニズム、映像文化、ワールド・シネマ、テクノロジー史との関連において、アニメーション・メディア(広義)の歴史と理論に比較研究的な関心を寄せている。

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ジューストー沙羅

Producer/Artist

1995年生まれ、福岡県出身。8歳から18歳までをカナダとハワイで過ごす。大学進学時に日本に帰国し、2018年武蔵野美術大学造形学部造形学科油絵専攻卒業。ギャラリーでキュレーターなどを務めたのち、00年にバーチャルヒューマンを手がけるAwwに入社。23年「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」SCIENCE&TECHNOLOGY&LOCAL部門の受賞者に選出される。2024年4月に「バーチャルヒューマンと共に生きる」をテーマに「TED conferences」に登壇。

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理芽

THINKR, KAMITSUBAKI STUDIO

日本語の歌、英語の歌、韓国語の歌が好きな謎めいた目をした女の子。 透明感と艶やかさが同居する不思議な歌声を持つ、ジャンルと国境を横断する可能性を秘めた次世代バーチャルシンガー。

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未来への文化共創 ウィーク

物語と身体性の未来:伝統文化を生み出すイノベーション アジェンダ2025共創プログラム

【2050年の未来像の仮説】身体を拡張するイノベーションが、私たちの物語を伝統文化へと変えていく未来。
私たちは、記憶を物語として保存しようとする営みによって、これまで伝統文化を生み出してきました。このアイデアを出発点に、最先端のテクノロジーや現代芸術が創出する「新しい伝統文化の形」を探求します。なかでも、「身体性」と「イノベーション」に焦点を当てたパネルディスカッションを通じて、2050年の未来に向けた文化共創のあり方を考えます。

  • 20250429日(火)

    10:3012:30

    (開場 10:00)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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