EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)

全国で多彩に展開中の内閣官房「万博国際交流プログラム」の事例を紹介し、万博を通じた日本と世界の躍動的な出会いや創発の可能性を探ります。首長や大使、領事、文化人類学者、アーティストや教育者、子ども達らが集い、多彩な郷土文化や世界をつなぐ歌や踊り(KURAGE Band)を通じて交流し、万博を盛り上げます。

音楽家でもある中島プロデューサーが音で世界を、人をつなげる意味を、万博という世界中から英知が集まるこの機会にあえて問いかけます。内閣官房の万博国際交流プログラムの事例紹介も兼ねています。自身が率いる多国籍バンド「KURAGE Band」のメンバーはもちろん、これまでも共に文化・芸能を発信している山本能楽堂他をゲストに迎え、トークとパフォーマンスをお届けします。

実施レポート

【振り返り】
内閣官房による「万博国際交流プログラム」では、日本各地と世界各国との創造的な出会いや交流を実現する貴重な場が数多く生まれました。今回のプログラムでは、四国や沖縄といった地域から、アフリカや中東の国々とつながる取り組みが紹介され、万博というグローバルな舞台が地域に与える影響の大きさを実感しました。

特に印象的だったのは、愛媛・四国グローバルネットワークによるモザンビークとの継続的な交流です。「銃を鍬へ」というプロジェクトに基づき、武器がアートや楽器に生まれ変わる取り組みは、平和への願いと文化の力を強く訴えるものでした。武器アートやティンビラの展示を通じて、子どもから大人までが平和について自然と考えるきっかけが生まれたことは、大きな成果であったと感じます。

また、四国大学の鈴鹿准教授が携わった、徳島県松茂町とガーナ、上板町とヨルダンの交流も非常にユニークでした。ガーナとのプロジェクトでは、学校間の交流や国歌の練習、訪問の相互実施など、教育現場を基盤とした持続可能な国際交流のモデルが提示されました。ヨルダンとの藍染め文化の共同再生プロジェクトでは、日本と中東の伝統文化が融合し、新たな価値を生み出す可能性を示していました。

さらに、沖縄県宜野座村とカメルーン・バカ族との交流も特筆すべき点です。言語や文化の壁を越えて、子どもたちが主体的にビデオレターを作成し、互いの暮らしや文化を尊重し合う姿は、未来の国際社会における理想的な姿を垣間見せるものでした。

これらの取り組みはいずれも、単なる一過性のイベントではなく、継続可能で双方向的な関係構築を目指したものです。「世界をつなぐ歌・踊り」をキーワードに、音楽やアート、教育といった多様なアプローチで行われた交流は、万博の理念である「共創」にふさわしい実践であったと言えます。

【会期後の取り組み】
万博会期中に展開された多様な国際交流は、単なるイベントとして完結するのではなく、今後の地域と世界をつなぐ持続的な取り組みへと発展していく可能性を大いに秘めています。実際に各プロジェクトでは、すでに会期後を見据えた継続的な活動の計画や実施が始まっています。

たとえば、愛媛とモザンビークの「武器アート」交流では、ティンビラ奏者の来日が予定されており、現地のアーティストが日本でワークショップを開催する構想が進行中です。子どもたちの関心の高まりを受けて、文化的背景や平和の意義を学ぶ場を教育現場に広げていくことが求められています。

徳島県松茂町とガーナの連携では、今後さらに学校間の交流を拡大し、ガーナからの学生受け入れやオンライン授業の実施など、新たな教育モデルの構築が期待されています。特に、ガーナの教育機関からの強い要望を受け、日本側も受け入れ体制を強化する動きが活発化しており、単なる訪問交流にとどまらず、共同カリキュラムの開発などに発展する可能性もあります。

また、上板町とヨルダンの藍染めプロジェクトでは、現地での藍の再導入に向けた具体的な動きが始まっており、種の輸出許可の取得、栽培地の確保、大学間連携を通じた留学生の受け入れ体制づくりなど、多角的な展開が進められています。これにより、藍染めという文化的資源が両国をつなぐ新たな架け橋となり、地域経済や観光振興への波及効果も期待されます。

沖縄・宜野座村とカメルーン・バカ族の交流も継続が計画されており、今年度中にバカ族の代表者が来日し、子どもたちとの体験型ワークショップが開催される予定です。この取り組みを通じて、文化の違いを乗り越えた対話と共感の場が広がるとともに、グローバルな市民意識の育成にもつながっていくことでしょう。

万博という一大イベントが残した最大の遺産は、こうした「人と人」「地域と世界」をつなぐ絆です。今後もこのつながりを絶やすことなく、地域に根差した国際交流の新たなモデルを築き、未来志向の取り組みとして発展させていくことが求められます。

出演者情報

モデレータ

中島 さち子

テーマ事業「いのちを高める」(2025年日本国際博覧会協会)

音楽家・数学研究者・STEAM 教育者。
(株)steAm 代表取締役、(一社)steAm BAND代表理事、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、内閣府STEM Girls Ambassador、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員。国際数学オリンピック金メダリスト。音楽数学教育と共にアート&テクノロジーの研究も進める。

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登壇者

竹内 よし子

特定非営利活動法人四国グローバルネットワーク 代表理事

企業や研究所等の勤務を経て、1998年にNPOを発足。国際・環境・教育の分野をつなぎ、協働で社会課題の解決・改善に取り組んでいる。モザンビーク支援は1999年から25年を迎える。
松山市平和の語り部、外務省NGO相談員、四国ESDセンター統括、自治体国際化協会地域国際化推進アドバイザー等を務める。

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鈴鹿 剛

steAm 教育ディレクター、四国大学准教授

徳島県の県立高校(小松島西高校、徳島商業高校)の教員として、生徒たちが自らプロジェクトに取り組む実践型の授業を展開し、全国高等学校生徒商業研究発表大会において全国優秀校に導く。さらに文部科学省が行っている全国の商業高校の教員研修である産業技術等指導者養成研修の講師を務めるなど、全国モデルとなる産業界と連携した新たな授業展開を行う。文部科学省スーパープロフェッショナルハイスクール事務局長、経済産業省「未来の教室」実証事業担当責任者などを歴任。2021年3月に高校教員を退職し、現在は四国大学准教授や株式会社steAmのメンバーとして、PBL(プロジェクト型学習)やSTEAM教育の実践に努める。

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矢野原 佑史

音楽人類学者、カメルーンバカ族研究者、DJ

文化人類学者/DJ。2005年よりカメルーンの音文化に関するフィールドワークを行う。熱帯林で紡がれるバカ族の伝統音文化と、都市部で生み出される最先端のサウンドカルチャーを比較し、音を通じて表現される世界観を考察。アフリカの音の現場から、文化、テクノロジー、共生が交差する新たな創造のかたちを探っている。

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アブライ ンジャイ ローズ

セネガル太鼓奏者、グリオ

セネガルパーカッション界の第一人者・人間国宝のサバール奏者である父「ドゥドゥ・ンジャイ・ローズ」のもとで打楽器を学び、数々の海外ツアーで演奏経験を積む。1995年JamesBrown とカンヌ映画祭で共演。

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未来への文化共創 ウィーク

世界をつなぐ歌・踊り
万博がつなぐ世界の文化  ~内閣官房万博国際交流プログラム紹介~ 後半

全国で多彩に展開中の内閣官房「万博国際交流プログラム」の事例を紹介し、万博を通じた日本と世界の躍動的な出会いや創発の可能性を探ります。首長や大使、領事、文化人類学者、アーティストや教育者、子ども達らが集い、多彩な郷土文化や世界をつなぐ歌や踊り(KURAGE Band)を通じて交流し、万博を盛り上げます。

  • 20250426日(土)

    17:5020:00

    (開場 16:15)

  • 各パビリオン
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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