EXPO2025 Theme Weeks

ハイライト

00:32:08 カクマ難民キャンプでの生活から見たピースフルリーダーシップ

00:24:59 11:02(長崎に原爆が落ちた時刻)にて、参加者・登壇者全員で黙祷。

00:58:57 Q&A: 日本のユースができることは?

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)

本セッションでは、来場者と一緒にピースフル・リーダーシップについて考え、感じ、体現する対話・体験型のワークショップを実施します。
来場者がどのような国や背景の出身でも、平和な社会を作る事、そのために個々人がそれぞれの場所で自らができる行動を起こすこと、つまりピースフル・リーダーシップを発揮することは、未来の平和を実現するために必要不可欠なものであり、今日の社会に生きる私達全員の共通の行動目標です。なぜなら、現在の社会において残念ながら完璧な平和な社会は存在せず、目に見える暴力や争いがなくとも、社会の現在の仕組みやあり方に起因した構造的な暴力は存在しているからです。
当日はその事実にまずは気が付くことから始まり、運営側で事前に準備をした世界のピースフル・リーダーシップの声の共有、そして対話やワークショップを通じて来場者にも自分自身のピースフル・リーダーシップを作れる構成で実施します。本セッションは、参加者が、2050年の未来を平和にするためには主役であることを再認識し、平和の実現に向け自身の役割を全うできるリーダーシップスタイルを世界のリーダー達から見つけ、探求し続けるきっかけを目指します。

実施レポート

【振り返り】
2025年8月9日、「平和・人間の安全保障・尊厳ウィーク」の一環として、本プログラムはシェイプ・ニューワールド・イニシアティブにより企画・開催され、国内外から多様な参加者が集まりました。参加者は「平和とは何か」を見つめ直し、共感や個々人のウェルビーイングに根ざしたリーダーシップが、公正で調和のとれた未来にどのように貢献できるのかを共に考えました。
司会は、グローバル・シェイパーズ横浜ハブで難民の雇用創出に取り組む藤井優花氏と、大阪ハブのジョアン・ペドロ・グリロ氏が務めました。また、セッションの内容は横浜ハブの小島久枝氏によってグラフィックレコーディングとして可視化されました。
前半は任意団体PEACE ENJINの概念を起点にしたパネルディスカッションです。国際若手平和構築ネットワーク(UNOY)のサウムヤ・アガラワル氏は、紛争から逃れた若者の支援経験から「異なる背景をもつ人を理解し、人として向き合うことが感情を平和の力に変える鍵です」と語りました。ケニアにあるカクマ難民キャンプで育ったグローバル・シェイパーズカクマハブのデング・ダク・マルアル氏は、「日本で不要になったパソコンの提供や、若者を支えるメンターの存在が大きな力になります」と述べました。
後半は参加型のワークショップが行われ、「あなたはどのようなピースフルリーダーシップを宣言し、体現したいですか?」という問いを軸に対話が進められました。参加者は「自分にとっての平和とは何か」「最も平和を感じた瞬間はいつか」を語り合い、「テクノロジーで分断をなくす」「まず人を信じてみる」「対話を増やす」などの行動宣言が生まれました。
印象的だったのは、戦時中の大阪を経験した日本人参加者の言葉です。実体験に基づく視点が語られたことで、平和の議論が歴史と結びつき、参加者の理解が一層深まりました。また、原爆が長崎に投下された午前11時02分には会場全体で黙祷を捧げ、戦争の犠牲と平和への祈りを共有しました。
本セッションを通じて、「ピースフル・リーダーシップは特別な立場の人だけのものではなく、一人ひとりが日常の中で体現できる姿勢である」という認識が共有されました。武力による抑止ではなく、対話や外交、ソフトパワーの重要性が改めて示され、平和は待つものではなく、行動によってつくっていくものだというメッセージが伝えられました。今後も、この対話と実践の輪が広がっていくことを期待します。


【会期後の取組み】
本プログラムを通じて、ピースフルリーダーシップは特別な立場の人だけが担うものではなく、ボトムアップで、一人ひとりの日常の選択や行動から始まる姿勢であることを改めて確認しました。ピースフルリーダーシップの定義において示されている「ピースフルマインド」「ピースフルコミュニケーション」「ピースフルアクション」は、いずれも対話や共感、そして他者を信じる小さな実践の積み重ねこそが平和を形づくるという参加者の気づきと深く結びついていました。

この学びを一過性のイベントで終わらせるのではなく、今後は以下のような取り組みを進めてまいります。
まず、国内外の若者や専門家とのネットワークを継続的に育み、対話と学びの機会を定期的に提供していきます。実際に、本プログラム開催後には、第二次世界大戦終結から80年の節目となる2025年というタイミングを踏まえ、広島県の高校生を対象に、平和へのアクションを考えるワークショップを開催いたしました。

さらに、UNOYをはじめとした国際平和団体との協働を強化し、日本国内におけるユースの参画機会の拡大と、平和教育・対話型プログラムの普及に取り組んでまいります。特に、学校や自治体、市民団体との連携を通じて、若者が自ら平和を考え、行動に移せる環境づくりを推進していきます。

私たちは、平和を「実現を待つ名詞」ではなく「自らつくる動詞」として捉え、日常の中で体現できるピースフルリーダーシップの輪を、今後も広げていくことをここに宣言いたします。

出演者情報

モデレータ

藤井 優花

ピープルポート株式会社

1998年生まれ。多様な個性が輝く社会のインフラ創りを目指す。ボーダレス・ジャパン入社。新規事業開発を経て、難民の雇用創出に取り組むピープルポートへ移籍、ZERO PC事業統括に就任。文科省トビタテ留学ジャパン派遣生。2021年にグローバル・シェイパーズ・コミュニティ横浜に選出。

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ジョアン・ペドロ・グリロ

Global Leadership Training Program

ジョアン・ペドロは現在、ミキハウスの営業部社員。キャリアを通じて、グローバル・リーダーシップ・トレーニング・プログラム(GLTP)など、若者のリーダーシップ強化プログラムへの参加や運営に携わったほか、ゲトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)など、ブラジルのシンクタンクの研究員としても経験を積んだ。

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登壇者

小島 久枝

Global Shaper Community Yokohama Hub

IT企業で働く傍ら、経済/機会格差など教育への問題意識から学習支援・キャリア教育ボランティアに従事。 その他、 世界経済フォーラムより任命される Global Shapers として2020年よりYokohama Hubに在籍中。特技は絵で場の可視化・要約をするグラフィックレコーディング。

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サウムヤ・アガラワル

Youth for Peace International/ UNOY

Youth for Peace Internationalの共同設立者兼CEO、紛争変革における若者の啓発、難民へのリハビリテーション支援、有意義な若者の参画と国連安保理決議の「青年・平和・安全保障」実施を提唱する。国際的なユース平和組織であるUNOYにてアジア地域のコーディーネーターを務めている他、青少年と平和構築の分野で8年の経験。

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デング・ダク・マルアル

Global Shapers Community Kakuma Hub

ケニアのカクマ難民キャンプの16年の経験から、難民問題の提唱者として活動。平和構築、ビジネス開発、若者のエンパワーメント、難民擁護、教育、気候変動に情熱を注ぐ。難民コミュニティ・リーダーに選出された4年間、人道支援団体と緊密に協力し、キャンプ内の平和的結束を促進し、ゲームやスポーツを通じて若者のエンパワーメントを行った。

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平和と人権 ウィーク

ピースフル・リーダーシップ:世界のユースリーダーと共に考える平和な未来を導く方法 
アジェンダ2025共創プログラム

【2050年の未来像の仮説】
個々が内なる平和を拡げる『ピースフル・リーダーシップ』によって実現される平和な社会。誰もが大切だと知っていて、その存在を願い、向かおうとするもの、それが平和だと考えます。本セッションではWSを通じて、平和の主役が自身であることに気づき、平和に対する個々人の役割、その為に発揮するピースフル・リーダーシップについて、考え、感じ、体現する場を一緒に体験していただきます。

  • 20250809日(土)

    10:3012:30

    (開場 10:00)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

OTHER PROGRAM

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