EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)

セッション「労働市場における格差是正」は8つのテーマの一つ、「平和と人権」に位置付けられる。労働は、成長と人権の両側面から議論されるべきものであり、本セッション「労働市場における格差是正」においては、企業、ビジネスと人権、貧困とウェルビーング、そして若者、の観点から議論を展開する。2020年の新型コロナ感染症拡大によって、世界が繋がっていることを実感すると同時に、世界の分断もまた進行している。2015年、国連総会にて採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)は2030年を目途に設定されたが、いずれの目標も達成までの道のりは遠い。一方、SDGsにおいて強調された点は2つ。一つは経済力に関わらず、発展途上国も先進国も共通する課題が強調されたこと。そして、環境という国境を越え、また未来へとつながる重要なトピックを全面に押し出したことがある。そこでは、誰一人取り残さない、を柱とする理念のもと、17の目標が設定されたが、その中でも労働における格差・不平等問題はいかなる国においても直面する深刻な課題である。事実、サプライチェーンにおける人権問題は重要な課題であり、日本においても2022年、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」が決定された(https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220913003/20220913003-a.pdf)【*出典元:経済産業省】。 2024年、経済産業省が中心となり、企業責任や人権デューディリジェンスの議論も展開された。企業による利潤追求だけを正当化することはもはや現実的ではなく、人権や格差是正の問題は人間らしい働き方で代表される労働者の権利保障をベースにその重要な意味が共有される。そこで、具体的な企業として、さまざまな労働者の人権を保障する観点からの多様性(ダイバーシティ)を尊重するための支援や政策の展開はいかになされているのか。また、さまざまな状況にある国を構成する人々のウェルビーイングはいかなる現状にあるのか。さらには、これまでライフステージ、あるいはキャリアの初期段階にいることで、さまざまな政策の意思決定に参画する機会が十分与えられてこなかった若者の果たすべき役割とは何か。大きく4つの観点から、研究者、実務家、企業人、政策担当者という異なる立場にある者が積極的に議論を展開する。

実施レポート

【プログラム要旨】
本セッション「労働市場における格差是正」では、急速に進展するグローバル化やデジタル化、そしてパンデミック後の経済・社会の変化において拡大する労働市場の格差を、いかに是正し、持続可能かつ包摂的な社会を実現するかが議論された。全体を通じて、労働市場における格差是正は国家や企業単独の課題ではなく、グローバルな協力と社会全体の意識改革を伴う構造的変革が求められるとの認識が共有された。持続可能な発展のためには、制度改革、教育・スキル投資、多様性尊重、そして若者や弱者を包摂する姿勢が不可欠であることが確認された。

【白波瀬佐和子氏 発言要旨】
白波瀬氏は冒頭、「労働市場における不平等の是正」は、人権の保障や社会正義、さらには持続可能な未来社会の形成と直結する課題であると強調した。また、グローバル化の進展が人・モノ・資本の移動を加速させ、雇用機会を拡大する一方で、不平等や不安定労働を深刻化させている現状を提示した。同時に、各国でナショナリズムやポピュリズムが台頭し、国際協調や多国間主義が揺らいでいる現実に触れ、国際的な合意形成の困難さを直視する必要があると述べた。議論すべき論点として三点を提示した。第一に、企業は経済活動の主体として利益追求に偏重するのではなく、人権尊重や多様性の確保を経営の根幹に据える責任を持つべきだと主張した。第二に、途上国において依然として高い貧困率や脆弱な労働環境が存在しており、現地の声を反映した政策の整備と、労働者の権利を守る国際的な枠組みの強化が不可欠である点を挙げた。第三に、若者世代の潜在力に注目し、彼らを単なる受益者としてではなく、意思決定に参加する主体として位置づける必要があると述べた。教育や雇用の不平等は次世代の社会参加を阻害し、長期的な持続可能性を損なうため、世代間を超えた協働の枠組みづくりが急務であると訴えた。また、グローバル化に伴う課題を乗り越えるためには、国家、企業、市民社会、国際機関といった多様なアクターが互いの立場や価値観の違いを尊重しながら協働する必要があると述べた。多様性は合意形成を難しくする要因であるが、同時に新たな価値創造を生む源泉でもあると位置づけ、異なる視点の交錯こそが持続可能な解決策を生むと指摘した。最後に、若者や将来世代のために、今を生きる我々が果たすべき責任を改めて強調し、困難であっても不断の努力を通じて社会全体に共有される利益を生み出すことが可能であると締めくくった。

【山田美和氏 発言要旨】
山田氏は冒頭、労働市場の不平等是正を考えるうえで不可欠な国際的枠組みとして「ビジネスと人権に関する国連指導原則」を紹介した。2011年に国連人権理事会で全会一致採択されたこの原則は、国家に人権保護の義務、企業に人権尊重の責任、そして被害者に救済へのアクセスを保障する仕組みを明示しており、従来国家に限定されていた責任を企業にも広げた点に画期性があると強調した。企業は自社のみならずサプライチェーン全体において人権侵害を防ぐ責任を持つとし、経済活動の正の効果と同時に負の影響を最小化する姿勢が求められると述べた。続いて、日本政府が2020年に策定した「行動計画」や、2022年に経済産業省が発表した「人権尊重ガイドライン」に言及した。これらは雇用における平等や多様性、ディーセントワーク推進を横断的課題として掲げ、企業に「人権デューデリジェンス」の導入を促していると説明した。さらに、公共調達に人権尊重を条件として組み込むことが、企業行動全体に波及効果を与えると指摘し、大阪・関西万博でも人権方針やサステナブル調達コードが導入されていることを紹介した。山田氏はまた、市場の規律が企業行動を変える力を持つ点を指摘した。非財務情報開示の重要性が増し、日本でも男女間賃金格差の公開義務化が進んでいる。投資家や消費者の目が社会的責任に敏感になる中で、資本市場の圧力が不平等是正を促す仕組みとして機能しうると述べた。特に女性の賃金格差や非正規雇用の偏在など構造的課題は、国家・企業・市民社会の協働に加え、市場メカニズムを積極的に活用して解決していく必要があると訴えた。最後に、労働市場における不平等は根強く存在しており、その是正には長期的かつ包括的視点が不可欠であると総括した。

【楠田倫子氏 発言要旨】
楠田氏は、日本ロレアルにおける多様性・公平性・包摂(DE&I)の取り組みを中心に、企業がいかに労働市場の不平等是正に寄与できるかを語った。まず、ロレアルは「美の民主化」を掲げ、性別・人種・年齢・障害の有無にかかわらず、誰もが自己表現の自由を持つ社会の実現を目指していると紹介した。企業の使命を製品提供にとどめず、社会全体の包摂性を推進する役割として再定義している点が強調された。具体的には、日本法人では女性管理職比率が既に5割近くに達しており、育児休業取得率も男女ともにほぼ100%に近い水準であることを紹介した。さらに復帰後のキャリア継続を支援する仕組みが整っており、いわゆる「マミートラック」を生まない制度設計を重視していると述べた。従業員のライフステージに応じ、社員が能力を最大限に発揮できるような環境整備を行っているという。また、インクルーシブな企業文化の定着が不可欠であると強調した。例えば、多様な文化的背景や価値観を持つ人材が対等に議論できる社内環境を整え、全社員が「自分らしさ」を発揮できる職場を目指している。こうした文化は企業の競争力強化にもつながり、特に革新的なアイデアや新規事業の創出に寄与していると説明した。さらに、社外に向けた取り組みとして「インクルーシブ調達」を紹介した。これは、女性起業家や障害者が運営する中小企業、社会的弱者を雇用する事業者との取引を積極的に行い、サプライチェーン全体での包摂性を推進する試みである。これは企業活動そのものを通じて社会変革を後押しする仕組みであることが説明された。楠田氏はまた、労働市場における不平等是正は企業一社だけでは成し得ないと述べ、政府・市民社会・学術機関との連携の重要性を強調した。最後に、ロレアルの実践はまだ途上にあるとしつつも、持続可能な社会の構築に向けて「尊重と共生」を軸にした企業の責務を果たしていくと結んだ。

【サビーナ・アルキレ氏 発言要旨】
アルキレ氏は、労働市場の不平等を是正する議論において「貧困をどのように測定し、理解するか」が出発点になると強調した。従来の所得基準だけでは不十分であり、人間の尊厳を脅かす多様な側面を捉える必要があると述べた。彼女が提唱してきた「多次元貧困指数(MPI)」は、教育、健康、生活水準といった複数の要素を組み合わせて評価する枠組みであり、単なる収入の不足では見えない脆弱性を明らかにする指標として世界的に注目されていると説明した。具体例として、南アジアやサハラ以南アフリカにおける子どもの栄養失調や教育機会の欠如や紛争や戦争に直面する地域での社会インフラの崩壊による労働機会を損失により、女性や子どもが深刻な影響を受けていると述べた。こうした現実は、平和と人間の安全保障を基盤としなければ労働市場の公平性は確保できないことを示していると強調した。さらに、各国の貧困削減政策においてMPIがどのように活用されているかを紹介した。例えばコロンビアやメキシコでは、MPIを政策形成に組み込み、教育投資や医療へのアクセス改善を重点的に進めることで顕著な成果を上げていると述べた。一方で、雇用や労働条件に関する指標のデータが不足している現状を課題として挙げ、より包括的で現実に即したデータ収集体制の構築を呼びかけた。アルキレ氏はまた、労働市場における不平等の根本には「構造的な脆弱性」があると指摘した。これを是正するためには、社会全体で包摂的な制度設計を進めると同時に、企業が積極的に公平性の確保に取り組む必要があると強調した。最後に、アルキレ氏は「貧困や不平等は単なる統計の問題ではなく、人々の生活と尊厳に直結する現実である」と述べた。MPIのような包括的な測定手法を活用しつつ、各国政府・国際機関・企業・市民社会が協力して貧困削減と不平等是正に取り組むことの重要性を訴えた。

【ナリタ・ナジリー氏 発言要旨】
ナジリー氏は、ASEAN最大級の金融機関であるメイバンク・グループにおいて、人材戦略と組織文化を通じていかに労働市場の不平等是正に取り組んでいるかを紹介した。同社の企業理念である「人間味のある金融サービス」を掲げ、銀行業務を単なる利益追求にとどめず、社会全体の包摂と公正を促進する役割として位置づけていると説明した。具体的な取り組みとして、第一に「ダイバーシティ&インクルージョン」を人材政策の柱に据えている点を強調。全ての従業員が能力を発揮できる環境を整備しており、女性管理職比率の上昇や障害者や高齢者の雇用促進にも力を入れ、多様な人材が共に働ける制度やサポート体制を導入していると説明した。第二に、デジタル化を通じた機会の平等化を推進している点を挙げた。特に地方や低所得層に向けた金融アクセス改善のために、モバイルバンキングやデジタル金融サービスを積極的に展開している。こうした取り組みは、単なる事業拡大ではなく、社会的格差の是正に直結する戦略であると強調した。第三に、従業員の働きがいとキャリア形成を支える人事制度改革について触れた。柔軟な勤務形態やリモートワーク制度を導入し、特に育児や介護など家庭責任を持つ社員がキャリアを諦めることなく働き続けられる仕組みや社員の能力開発のための研修やスキルアップの機会の提供をしている点も紹介した。こうした取り組みは企業の持続的成長にも寄与していると述べた。さらに、ナジリー氏は金融機関としての社会的責任にも言及した。気候変動や環境問題に配慮した投融資方針を推進し、社会的に持続可能な企業活動を支援することで、地域社会全体の持続可能性に貢献しているという。最後に、ナジリー氏は「不平等の是正は一企業だけで達成できるものではなく、政府、企業、市民社会が協働して初めて実現可能である」と述べた。

【フェリペ・ポーリエ氏 発言要旨】
ポーリエ氏は、労働市場における不平等是正を語る上で、若者の参画がいかに重要であるかを強調した。国連の統計によれば、世界の若者失業率は依然として高水準であり、多くの国でNEET(教育・雇用・訓練いずれにも属さない若者)の数が深刻な社会課題となっている。特に女性や移民の若者は二重、三重の格差に直面し、社会参加の機会を奪われやすい現実を指摘した。彼は、若者が「支援を受ける対象」ではなく「変革の主体」として位置づける必要があるとし、そのためには教育、雇用、政策形成のすべてのプロセスに若者を参画させる仕組みが不可欠だと強調した。具体例として、若者主導のイノベーションや起業支援の事例を紹介した。アフリカやアジアでは、デジタル技術を活用したスタートアップが地域社会の雇用を生み出しており、こうした活動は若者が社会課題の解決に積極的に関わる姿を示していると説明した。また、国連が推進する「青年、平和と安全保障」アジェンダに触れ、紛争や不安定な地域において若者が平和構築に果たす役割の大きさを強調した。さらに、労働市場における若者の不平等是正は教育政策とも深く結びついていると指摘した。質の高い教育や職業訓練へのアクセスが保証されなければ、若者は将来にわたり不安定な雇用に留め置かれる危険性がある。特にデジタル化が進む現代において、新しいスキル習得の機会を平等に提供することは、労働市場の公平性を担保するための基盤であると述べた。最後に、ポーリエ氏は「若者が社会の未来を形づくる主役である」というメッセージを再確認した。若者が発揮する創造力と行動力を最大限に生かすためには、世代を超えた連帯と国際的な協働が不可欠であると述べ、本セッションが若者を中心に据えた議論を深める契機となることを期待すると締めくくった。

【ディスカッション要旨】
ディスカッションでは、まず労働市場の不平等と子どもの貧困について議論が展開された。山田氏は、日本において子どもの貧困率が高止まりしていることが教育機会の不平等につながり、将来の労働市場に深刻な影響を及ぼすと指摘した。アルキレ氏も多次元貧困指数の観点から、教育や栄養状態の欠如が次世代の雇用機会を制限し、不平等を再生産する要因になると補足した。次に、企業の責任と役割に関して、楠田氏とナジリー氏が具体的な実践例を示した。楠田氏は、企業文化における多様性と公平性の定着が不可欠であると強調し、女性のキャリア継続支援やインクルーシブ調達といった取り組みが紹介された。ナジリー氏は、メイバンクにおける金融包摂の実践を例に挙げ、デジタル技術を活用して金融アクセスを広げることで、社会的弱者の経済的自立を支援していることを説明した。両者の発言から、企業が市場を通じて果たし得る役割の大きさが浮き彫りになった。また、若者の参画についても活発な意見が交わされた。ポーリエ氏は、若者を「受益者」ではなく「変革の主体」として位置づけるべきだと改めて強調した。これに対してナジリー氏も、企業側として若者のキャリア形成を支援する制度を整える重要性を指摘し、世代間の連携が不可欠である点で合意が得られた。さらに、制度的・構造的な課題として、透明性の確保やデータの改善が必要であることが議題に上った。山田氏は、日本における男女間賃金格差の公開義務化や人権デューデリジェンスの普及を例に、市場の規律が企業行動を変える可能性を指摘した。アルキレ氏も、労働条件や雇用に関する指標の不足が政策形成を妨げているとし、より包括的なデータ収集体制の必要性を訴えた。討議の終盤では、国際的な協働の重要性が改めて確認された。白波瀬氏は、多様性を尊重しながら合意形成を進める難しさに触れつつも、異なる価値観の交差が新しい解決策を生む可能性を強調した。最後に、今回の議論が具体的な政策や実践につながることを期待し、会場全体で「持続可能で公正な社会を築くための行動を進めていく」決意が確認された。

出演者情報

モデレータ

白波瀬 佐和子

国際連合大学 上級副学長、国際連合 事務次長補

東京大学大学院農学生命科学研究科の特任教授。1997年にオックスフォード大学で社会学の博士号を取得後、2006年に東京大学に助教授として着任、2010年に社会学部の教授に就任。2019年から2021年までは東京大学の理事・副学長を歴任。専門は社会階層論で、特に、ジェンダーと世代の観点から社会的不平等に関する研究に取り組む。最近の著書として、Social Stratification in an Aging Society with Low Fertility: The Case of Japan (ed.)をSpringerの Economy and Social Inclusionシリーズより2022年に刊行。

View Profile

Close

close

登壇者

山田 美和

独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所新領域研究センター 上席主任調査研究員

金融機関、法律事務所勤務を経て、アジア経済研究所入所。海外派遣員(バンコク)。法・制度研究グループ長、新領域研究センター長を経て2024年7月から現職。2014年より「ビジネスと人権」に関する政策提言研究プロジェクトを主宰。
2016年国連アジア地域ビジネスと人権フォーラム(ドーハ)にてラポーターを務める。2018年-2020年ILO-OECDアジアにおける責任あるサプライチェーンプロジェクトに協働。
2022年経済産業省サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会委員。2025年日本国際博覧会協会持続可能性有識者委員会委員、持続可能な調達ワーキンググループ委員、人権ワーキンググループ委員長。
近著に「日本のビジネスと人権に関する行動計画(NAP)2025年改定に向けて」(アジ研ポリシー・ブリーフNo.244 2025年4月) 「ビジネスと人権―公共調達が企業行動に変革をもたらす」(同No.245 2025年4月)など。

View Profile

Close

close

楠田 倫子

日本ロレアル(株)ヴァイスプレジデント コーポレートレスポンシビリティ本部 本部長

上智大学法学部国際関係法学科卒、米国コロンビア大学経営大学院にてMBA取得。国内金融機関、米系消費財メーカーを経て1999年日本ロレアル入社。同社傘下の様々なブランドにてマーケティング統括、事業本部長職を歴任の後、2017年より同社マネジメントコミッティーメンバー。2020年にヴァイスプレジテントに就任、2022年よりコーポレート・レスポンシビリティ本部を率い、サステナビリティプログラムやCSR活動を統括するとともに、企業倫理、人権、DE&Iの推進・遂行を担う。

View Profile

Close

close

©OPHI

サビーナ・アルキレ

オックスフォード大学 貧困と人間開発イニシアチブ

サビーナ・アルキレは、オックスフォード大学の貧困と人間開発の教授であり、オックスフォード貧困と人間開発イニシアチブ(OPHI)を指揮しています。それ以前は、ジョージ・ワシントン大学、ハーバード大学、人間の安全保障委員会、世界銀行に勤務。彼女はオックスフォード大学で経済学の博士号を取得。

サビーナはジェームズ・フォスター教授と共同で、多次元貧困を測定するためのアルカイア・フォスター(AF)法を開発した。これは、さまざまな側面や貧困の側面を組み込んで、各状況に合わせた測定方法を作成できる柔軟な手法である。OPHIの同僚とともに、これを応用し、経験的に実施して、多次元貧困指数(MPI)を作成した。MPIは、彼らが苦しんでいる剥奪の範囲を考慮することにより、誰が貧しいかを特定するツールを提供。これは、貧困のヘッドライン数値(MPI)を報告するために使用、明確にし、人々が全国的にどのように貧しいか、および地域、グループ、および各指標ごとにどのように貧しいかを示す政策設計のための詳細な情報プラットフォームの提供を可能にしている。

2021年に英国社会科学アカデミーのフェローに選出され、2010年にはフォーブス誌のトップ100思想家の1人に選出された。現在、セントジョンズ大学の社会正義2024-25のヴィンセンティアン議長、教皇庁社会科学アカデミーの普通アカデミー会員、国連の経済社会理事会(ECOSOC)の補助機関である開発政策委員会(CDP)のメンバーである。2025年、サビーナとOPHIは、オックスフォード大学のソーシャルサイエンス・インパクト・アワードで「測定と政策適用を通じて発展途上国における多次元貧困への対応」に対して、スケーリング&サステイニング・インパクト賞を受賞した。

View Profile

Close

close

ナリタ・ナジリー

メイバンク・グループ・ヒューマンキャピタル副社長、マレーシアピープルエクスペリエンス&デジタルアドバンスメントの責任者、ヒューマンキャピタルディレクター(グループオペレーション担当)

ナリタ・ナジリーは2011年にメイバンクグループに入社し、メイバンクのグループオペレーションセクターのピープルエクスペリエンス&デジタルアドバンスメント責任者とヒューマンキャピタルディレクターを兼任している。また、メイバンク女性メンター女性評議会のリーダーでもある。彼女の現在の役割の焦点は、Maybankの未来の労働力を育成することであり、適切なワークプレイスツールとテクノロジーで実現する次世代の役割のために43,000人の従業員を引き上げている。
過去5年間、グループ人的資本において、戦略と変革、人材開発、後継者育成、ビジネス人的資本など、多くの戦略的役割を担った。 グループに10年以上在籍し、グループ・ヒューマン・キャピタルに入社する前は、グループ・ファイナンスとグローバル・バンキングでの役割を引き受け、いくつかのローテーションを経験した。
人的資本の分野での最近の業績の中には、メイバンクのサステナビリティ・アジェンダの下でのDEIB(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン&ビロンギング)イニシアチブの開発があり、ブルームバーグ男女平等指数や2023年のスター・メディア・グループのマレーシアのポジティブ・インパクト・アワード(DEIおよびタレントマネジメント部門で金賞)に選出されるなど、国内外で高い評価を得ている。また、メイバンクのグループDEIBポリシーの策定や、それがメイバンクのグループ人権ポリシーに組み込まれる際にも重要な役割を果たした。メイバンクを超えてDEIBを支援するため、マレーシアのCPAオーストラリアの女性ビジネス委員会のメンバーであり、ASEANビジネス諮問委員会(マレーシア)のDEIタスクフォースのメンバーである。
現在のグループ・ヒューマン・キャピタルの役職に就く前は、メイバンク・インベストメント・バンク・バーハッド傘下のメイバンクの金融機関グループチームの一員として、マレーシアの銀行とノンバンク金融機関のクライアント・カバレッジ・チームを率い、EMEA、南アジア、ブルネイの銀行関係のグローバル・リレーションシップ・マネージャーも務めました。それ以前は、グループの財務機能の主要ポートフォリオであるMaybankのグループパフォーマンスレポーティングおよびインベスターリレーションズの責任者を務めた。
金融サービスにおける幅広いキャリアの一環として、PwCとKPMGの両方で東南アジアと中東の商業銀行のクライアントにサービスを提供する経営コンサルタントであった。
彼女は、米国のウィートン大学で経済学と国際関係学の二重専攻で文学士号を取得し、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学で商学と経済学の修士号を取得し、オーストラリアの公認会計士のフェローである。

View Profile

Close

close

フェリペ・ポーリエ

国連ユース担当事務次長補

ウルグアイのフェリペ・ポーリエ博士は、2023年12月に32歳で初代国連ユース担当事務次長補に就任した。国連の歴史上、最年少の上級職であり、事務総長の上級管理職グループの中では最年少の現職メンバーである。国連青年事務所の責任者として、持続可能な開発、人権、平和と安全の分野における若者の有意義な関与を強化するための国連の取り組みを監督し、若者の問題に関するシステム全体の協力、調整、説明責任を主導している。 就任前は、2020年からウルグアイ国立青年研究所の所長を務め、国家レベルでの政策決定プロセスに若者を関与させる取り組みを主導。全国レベルでさまざまな政治管理職を務めた。キャリアを通じて、若者の権利と意思決定の場に若者を含めるための主要な提唱者である。小児科を専門とする医師として、ウルグアイ東洋共和国大学で医学博士号を、ウルグアイ・カトリカ大学で経営学修士号(MBA)を取得。

View Profile

Close

close

平和と人権 ウィーク

労働市場における格差是正

本プログラムは、テーマウィーク全体協賛者と連携して博覧会協会が企画・実施する「アジェンダ2025」の一つです。「あらゆる職場でInequityを解消し、異なる属性の人々が平等な機会を得て、健全な企業の成長を実現するためにはどのような (企業・行政の) 施策が必要か」というセントラルクエスチョンを中心に、トークセッションが展開されます。

  • 20250812日(火)

    17:0019:00

    (開場 16:30)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

OTHER PROGRAM

平和と人権 ウィーク その他のプログラム

OSAKA, KANSAI, JAPAN EXPO2025

大阪・関西万博に関するWebサイト
「大阪・関西万博公式Webサイト」はこちら!

EXPO2025 Visitors

便利機能など万博がより楽しくなる公式アプリ
「EXPO 2025 Visitors 」はこちら!

language Language