EXPO2025 Theme Weeks

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プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
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テーマ「平和と人権」のもと、クラゲ館では、分断を越えて共に生きるために必要な感性や創造性、“いのち”を、珠玉の登壇者と共に見つめ直します。日本語セッションでは、LGBTQ+活動家、女性脳科学者、日本文化研究者らと共に、性別、世代、障害、文化背景など、私達の社会に存在するさまざまなギャップを見つめ直し、そこから生まれる問いや希望を語り合います。英語セッションでは、マオリ(ニュージーランド)、バカ族(カメルーン)、オーストラリア、カナダなど、先住民文化に根ざした視点を紹介し、国立民族学博物館元館長の視座も交えて、「多様な生のあり方」に耳を傾けます
8月9日の国際先住民デーをはじめ、世界には多様な人種、文化、宗教、政治、障害、性別、家庭環境などを背景に、今なお争いや無意識の分断が存在します。一見、こうした社会課題は、祭りや芸能、工芸といった文化とは遠いものに思われるかもしれません。しかし、実はその根底には、いのちの尊厳と結びつく共通の願いや営みが息づいています。人はなぜ歌い踊るのか。クラゲ館では、文化というレンズを通して、今の社会や企業のあり方にも切り込み、共創と再生の可能性を探ります。

実施レポート

【振り返り】
8月4日、大阪・関西万博のテーマウィークスタジオにて、「いのちを考える会 Dialogue on Life」を開催しました。本企画は、分断の時代を生きる私たちが「いのち」と「創造」を見つめ直すための対話の場として企画され、当社代表であり万博テーマ事業プロデューサーの中島さち子がモデレーターを務めました。現地会場とバーチャル配信をあわせ、国内外から多くの方にご参加いただきました。

第1部では、杉山文野氏(東京レインボープライド共同代表理事)、中島美保氏(理化学研究所脳神経科学研究センター)、ロバート・キャンベル氏(早稲田大学特命教授、せんだいメディアテーク館長、日本文学研究者)、Rossella Menegazzo氏(イタリア館文化部門代表)が登壇。性別や世代、障害、文化的背景など、社会に横たわるさまざまな「ギャップ」に光を当てながら、そこに潜む課題や、逆に新しい希望が生まれる可能性を語り合いました。ときに自身の生き様を率直に共有しながら、多様性とは単なる違いの受容ではなく、「共に創る喜び」をいかに広げていけるかをめぐって熱のこもった議論が交わされました。

続く第2部では、テ・アラティニ「先住民ウィーク」の幕開けを祝いつつ、世界各地の先住民文化に焦点を当てました。吉田憲司氏(国立民族学博物館名誉教授)、メッセ氏(NGO OKANI代表、カメルーンバカ先住民族)、アマンダ・レオーム氏(カナダ・メティスのシンガーソングライター)、ホン ナナイア マフタ氏(マオリのリーダー、元閣僚)らが登壇。それぞれの文化に息づく「生の知恵」が紹介され、言語の喪失や文化の継承という切実な課題、そして未来へと繋ぐための挑戦について、多様な視点から意見が交わされました。吉田氏からは「世界の稀有な文化を未来にどう受け渡すか」という問いが投げかけられ、会場は深い思索に包まれました。

本イベントは、8月9日の「国際先住民デー」に先駆けて開催されました。世界には今なお、人種、宗教、文化、障害、性別、家庭環境などを背景とする分断や対立が存在します。その中で、クラゲ館は「文化」というレンズを通じて社会や企業のあり方を問い直し、共創と再生の可能性を探る場であり続けたいと考えています。今回の対話から得られた知見とつながりを、今後の活動や次世代へのバトンに活かしていきます。

【会期後の取組み】
今回の「いのちを考える会 Dialogue on Life」で交わされた対話は、万博の場にとどまるものではなく、今後の教育・文化・社会づくりへと持続的に展開していくべき出発点です。そのため、クラゲ館は以下のような具体的取り組みを会期後も推進してまいります。
まず、「未来の地球学校」を通じて、世界中の学校や教育機関をつなぎ、先住民文化や多様なマイノリティの課題を楽しく体感できる交流の場を創出します。ここでは、単なる知識伝達にとどまらず、同世代の仲間や友人との出会いを通じて互いに学び合い、協働する喜びを分かち合うことを重視します。特に、マオリ、バカ族、カナダのメティスなど、今回の対話で紹介された先住民文化については、国立民族学博物館との連携を視野に、言語や音楽、口承文化を記録・アーカイブし、世界の子どもたちがその多様な知恵に触れられるようなプログラムを開発していきたいと考えています。
次に、ジェンダーとSTEM分野の課題に対しては、「STEM Gender Café」を会期後も継続的に開催します。リアルの場での国際対話を年に1回、オンライン交流を年に6回の頻度で行い、女性や若者が科学・技術・芸術を横断して挑戦できる環境を広げていきます。さらに STEM にとどまらず、経済や教育、文化、福祉といった多様な分野でも、同様の対話の場を設けていく予定です。これにより、多様な立場の人々が声を上げ、共に行動を起こせる国際的ネットワークを育んでいきます。
また、文化の保存と継承をテーマに、先住民やマイノリティの人々と協働し、デジタル技術やアートを活用した新しい表現活動を推進します。消滅の危機にある言語や伝統芸能を単なる資料として残すのではなく、未来世代が「生きた文化」として体感できる仕組みをつくることを目指します。
さらに、教育現場だけでなく、政治・経済・企業・市民社会と連携し、定期的な対話フォーラムを開催します。ここでは、多様な「いのち」が尊重される社会のあり方を多角的に議論し、政策提言や実践的なプロジェクトへとつなげていきます。
「いのちを考える会」は、分断を越えて共に創造するための文化的土台を築く試みであり、その意義を次世代へと継承していくことこそが私たちの使命です。会期後も引き続き、共創と再生の循環を育む国際的ネットワークを広げ、未来社会への実装を目指します。

出演者情報

モデレータ

中島 さち子

テーマ事業「いのちを高める」(2025年日本国際博覧会協会)

音楽家・数学研究者・STEAM 教育者。
(株)steAm 代表取締役、(一社)steAm BAND代表理事、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、内閣府STEM Girls Ambassador、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員。国際数学オリンピック金メダリスト。音楽数学教育と共にアート&テクノロジーの研究も進める。

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登壇者

𠮷田 憲司

2025年日本国際博覧会 シニアアドバイザー

前国立民族学博物館長。文化人類学と博物館人類学が専門。ザンビアを中心に、南アフリカの表象文化と文化遺産に関するフィールドワークを行う。また、美術館や文化博物館をネットワーク化して、芸術と文化に関するさまざまな展覧会を企画。主な著書に『文化の発見』(1999年)ほか多数。

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杉山 文野

NPO法人東京レインボープライド、公益財団法人日本オリンピック委員会

フェンシング元女子日本代表。トランスジェンダー。日本最大のプライドパレード運営に携わり、LGBTQ++をはじめとするDEI推進・啓発に取り組む。日本初・渋谷区の同性パートナーシップ制度制定にも関わり、2021年からは日本オリンピック委員会理事としてスポーツ界のDEI推進にも尽力。

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中島 美保

理化学研究所脳神経科学研究センター 副チームディレクター

大阪に生まれ、東京大学卒、Rockefeller大学(米国)博士課程修了。New York大学、Massachusetts Institute of Technology大学でのポスドクを経て、現在、理化学研究所脳神経科学研究センター副チームディレクター。専門は神経科学。最先端の認知行動実験、分子生物学、電気生理学、光遺伝学を組み合わせ、創造性の神経機構の解明をめざす。

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ロバート キャンベル

早稲田大学特命教授、せんだいメディアテーク館長、早稲田大学国際文学館顧問、2025年日本国際博覧会協会 理事、シニアアドバイザー

日本文学研究。ニューヨーク出身。近世・近代日本文学が専門で、特に江戸中期から明治前半の漢文学と、それに繋がる文芸ジャンル、芸術、メディア、思想などに関心を寄せている。 主な編著に『戦争語彙集』(岩波書店)、『よむうつわ』(淡交社)、『日本古典と感染症』(角川ソフィア文庫、編)等がある。テレビ番組のMCや、ニュース・コメンテーターを務める一方、新聞雑誌連載、書評、ラジオ企画・出演等、さまざまなメディアで活躍中。

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メッセ

NGO OKANI代表、カメルーンバカ先住民族

カメルーンのバカ先住民族出身。9年間中央アフリカ地域の「先住民族ネットワーク」の調整役を務め、現在は、カメルーンの森林先住民族を代表する全国プラットフォーム「OKANI」および「Gbabandi」に関わりながら、先住民族のリーダー育成プログラムの開発にも積極的に携わる。カメルーンのバカ先住民族出身。9年間中央アフリカ地域の「先住民族ネットワーク」の調整役を務め、現在は、カメルーンの森林先住民族を代表する全国プラットフォーム「OKANI」および「Gbabandi」に関わりながら、先住民族のリーダー育成プログラムの開発にも積極的に携わる。

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ホン・ナナイア・マフタ

マオリ リーダー、ニュージーランド元閣僚

ニュージーランドの元国会議員であり、著名なマオリのリーダー。約30年にわたる政治経験を持ち、先住民の権利、外交、社会的公正に深く関与し、ニュージーランド初の女性外務大臣として、包括的な貿易、気候外交、先住民の国際的な関与を推進。現在は、「Tauhokohoko – Indigenous Trade」のプロジェクトサイエンスリードとして、先住民の知恵と現代の科学・政策を融合させ、持続可能で包摂的な未来の構築に貢献している。

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アマンダ レオーム

カナダのシンガーソングライター、Ishkode Records の共同設立者、国際先住民音楽サミットおよび先住民音楽オフィスのディレクター

音楽を通じ先住民の主権確立に尽力するシンガーソングライター。2025年チャールズ3世戴冠記念メダル、スピリット・オブ・フォーク賞、カナダ・フォーク・ミュージック・アワード「先住民ソングライター・オブ・ザ・イヤー」、キャピタル・ミュージック・アワード「年間最優秀アルバム賞」受賞。

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ロッセーラ メネガッツォ

イタリアパビリオンの文化部門代表

博士号(オリエンタル・スタディーズ〔日本美術史〕)取得、2012年ミラノ大学東洋美術史講座准教授。東京大学 (AAD) Advanced Art Design Course, Research Center for Advanced Science & Technology アドバイザー。2016年日本国内閣府クール・ジャパン・アンバサダー就任。2017年日本国外務大臣表彰拝受。2014-2017年DNP文化振興財団グラフィック文化に関する学術研究助成選出。

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平和と人権 ウィーク

いのちを考える会

クラゲ館では「平和と人権」をテーマに、分断を越えて共に生きるための感性や創造性、“いのち”の力を見つめ直します。日本語セッションでは、LGBTQ+活動家や女性脳科学者らとともに、ジェンダーや障害、世代間ギャップなどを多角的に探り、英語セッションではマオリやバカ族など先住民の文化に学びます。祭りや芸能、工芸などの文化に宿る力を通じて、いま私たちの社会や企業のあり方を問い直します。

  • 20250804日(月)

    18:0020:30

    (開場 17:45)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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