健康とウェルビーイング ウィーク
自然とのつながり: 住宅デザインは私たちの健康と幸福をどのように向上させるか
欧州連合
ガルシア・サンチェス博士と村田涼博士による、自然との触れ合いが健康にもたらす効果についてのプレゼンテーションとディスカッションの後、指定されたパビリオンをガイド付きで歩きます。
対話プログラム
- ウェルビーイング
- #デザイン #自然 #生命愛 #建築 #生態学 #持続可能性 #健康 #ウェルビーイング #インテリアデザイン #美 #ヨーロッパ #日本 #デンマーク #ホームデザイン
同時通訳 | 提供する |
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発信言語 | 日本語及び英語 |
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トラックプログラム
- 開催日時
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2025年06月20日(金)
15:00 ~ 16:30
(開場 14:45)
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2025年06月21日(土)
11:00 ~ 12:30
(開場 10:45)
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2025年06月21日(土)
13:00 ~ 14:30
(開場 12:45)
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- 開催場所
- 各パビリオン
- EUパビリオン
プログラム内容
私たちは1日のうち最大93%を室内で過ごし、約11時間をテクノロジーに費やしています。日常的に自然に触れることは、人間の健康と幸福に多くの恩恵をもたらします。しかし、私たちの建築環境やライフスタイルは、私たちを自然から切り離し、これらの恩恵を奪っています。
建築空間デザインは、自然とのつながりの体験を高めることで、私たちの健康と幸福を向上させることができます。芸術の世界に浸り、オープンなディスカッションをすることで、日本の伝統的建築物や現代建築物が、時には自然界と視覚的に接触することなく、自然とのつながりを体感できる模範的な感覚をいかに提供しているかを探求します。これらは、現代における深い教訓であり、家庭空間にも容易に応用できるものです。
その目的は3つ:参加者の日本建築に対するビジョンを豊かにすること、自然とつながる建築とそのメリットに関する科学的視点への関心を刺激すること、そして住宅デザインを通して健康と幸福を向上させるためのヒントを提供することです。
実施レポート
【振り返り】
提示されたコンセプトは、現代生活においてますます懸念されている問題、「人間と自然との断絶」に焦点を当てています。私たちは生活の最大93%を屋内で過ごし、1日平均11時間をテクノロジーに費やしており、現代のライフスタイルは、建築環境やスクリーンによって大きく左右されていることは明らかです。このような断絶は、自然と接することによって得られる数々の恩恵―ストレスの軽減、気分の向上、認知機能の改善、免疫機能の強化―を私たちから奪っています。
この議論の中心にあるのは、建築空間デザインが、たとえ直接的なアクセスが制限されている場合でも、自然との繋がりを回復させる架け橋となり得るということです。
特に、日本の伝統的および現代的な建築は、自然との感覚的な統合を示す魅力的な事例を数多く提供しています。これらの建物は、光、質感、音、空間の流れといった微細な要素によって、視覚的な自然描写を用いずとも、強い自然との一体感を呼び起こします。こうしたアプローチは、緑にアクセスしにくい都市部や家庭内の空間において、世界中の他の地域にも応用可能な強力なデザインモデルとなります。
本セッションは没入型かつ対話的な形式を採用しており、体験を通じた学びの重要性を強調しています。参加者は建築理論を学ぶだけでなく、自らの感覚を用いて体験することで、デザインがどのように人の健康や幸福に寄与できるかをより深く理解します。
主な考察は以下のとおりです:
• デザインの重要性:空間の形成方法は、私たちの心理的および生理的状態に大きな影響を与える。
• 自然とのつながりは多感覚的である:自然を見ることだけが健康につながる道ではなく、音や香り、空気の流れ、素材といった感覚要素も関与する。
• 文化的遺産から学ぶことができる:日本建築は、伝統的なデザインの知恵を現代にも応用可能であり、健康増進効果が得られることを示している。
• 日常の小さな変化が大きな影響をもたらす:自然素材の導入、光の最適化、感覚的に豊かな空間づくりなど、家庭内の小さな工夫が幸福感を向上させる。
結論として、この探求は参加者に対し、自らの住環境を単なる「住まい」や「機能的な空間」としてではなく、健康と調和に貢献する能動的な存在として再構築することを促しています。
それは、自然とのより深く意識的な関係に根ざした新たな視点です。
【会期後の取り組み】
本プログラムで得た気づきや学びを出発点として、今後、参加者が自身の住環境や職場において自然とのつながりを意識した空間づくりに取り組んでいくことが期待されます。
たとえば、照明計画の見直しや、自然素材の選択、レイアウトや動線の工夫など、身近な環境で実行可能な改善が具体的な行動として広がっていく可能性があります。
プログラムでは、日本の伝統建築に根付く自然との調和のあり方が改めて紹介され、障子、木材、屋内外の連続性といった要素が再評価されました。こうした知恵は、現代の空間設計やウェルビーイングを重視するライフスタイルにも応用可能であり、参加者にとっては「新たな視点を得る機会」として受け止められました。
また、今後は建築やデザイン、教育などの分野において、本プログラムの内容をヒントとしたワークショップの開催や教材化、企業におけるオフィス空間の見直しといった取り組みへと展開していくことが期待されます。実際に、参加者の中には、自身の職場での応用や、地域での共有を検討している声も聞かれています。
万博会場という実空間での体験を通じて得られた「感覚的な理解」は、持続可能で健康的な生活・働き方を実現するための実践的なヒントとなり、それぞれの地域や分野において、今後の取り組みへと発展していく土壌を育んでいきます。
出演者情報
登壇者
カルメン・ガルシア・サンチェス
コペンハーゲン大学、PRIVACY/ フアン・カルロス1世大学、芸術人文学部/デンマーク王立アカデミー建築・デザイン保存学、IBD 助教授/建築デザイン博士/建築家
カルメン・ガルシア・サンチェスは建築家・研究者で、北欧と日本の建築や自然を活かした近代建築を専門とし、EUの支援を受けた「NATURE-IN」プロジェクトでは、人と自然の接触を促し健康を向上させる戦略を研究。デンマーク王立アカデミー博士研究員、東京理科大学客員研究員として活動し、日本や欧州各国で講演。現在はフアン・カルロス1世大学助教授、コペンハーゲン大学客員研究員、欧州委員会科学専門家を務めています。
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村田 涼
東京科学大学 環境・社会理工学院 建築学系 准教授、博士(工学)、一級建築士
「環境に応答する建築と都市の創造」をテーマに、建築設計・研究・教育の実践を通してパッシブソーラーデザインの理論を展開している。主な建築設計作品に「Courtyard House A 」(2017年)、東工大元素戦略材料研究センター「Genso Cube」(2015年)、「日本建築学会Archi Books」(2012年)、「LCCM住宅デモンストレーション棟」(2011年)などがある。
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健康とウェルビーイング ウィーク
自然とのつながり: 住宅デザインは私たちの健康と幸福をどのように向上させるか
ガルシア・サンチェス博士と村田涼博士による、自然との触れ合いが健康にもたらす効果についてのプレゼンテーションとディスカッションの後、指定されたパビリオンをガイド付きで歩きます。
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2025年06月20日(金)
15:00~16:30
(開場 14:45)
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2025年06月21日(土)
11:00~12:30
(開場 10:45)
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2025年06月21日(土)
13:00~14:30
(開場 12:45)
- 各パビリオン
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。
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