EXPO2025 Theme Weeks

ハイライト

00:03:00 ハイライトシーン 1

01:18:43 ハイライトシーン 2

02:05:54 ハイライトシーン 3

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)

ICMRは、「Saving Lives(命を救う)」をサブテーマに、SDGsの目標に沿った、世界的な健康課題に対する前向きな取り組みを紹介します。主なハイライトは以下の通りです:

感染症予防:ワン・ヘルス・ミッション、モバイルBSL-3ラボ、VRDLネットワーク、インド固有のワクチン-コバキシン開発ストーリーなどの進歩を特集。
細胞療法:IITボンベイ&タタ記念病院によるCAR-T細胞療法。
メドテック・イノベーション: 最先端の医療技術や支援技術による、コンセプトから導入までの道筋の実証。
ウェルビーイング・イニシアチブ: ドローンによる薬物送達、高血圧コントロールのためのIHCI、Mission DELHIの心臓発作イニシアチブなど、先駆的なソリューションを特集。
【プログラム】
10:00- 10:05
セッション議長:開会の挨拶と紹介

10:05- 10:25
サリタ・ナイル博士:研究による健康の向上

10:25- 10:30
質疑応答:サリタ・ナイル博士への聴衆からの質問

10:30-10:50
プラギャ・ヤーダヴ博士:インドにおけるパンデミック対策

10:50-10:55
質疑応答:プラギャ・ヤーダヴ博士への聴衆からの質問

10:55-11:15
タルナ・マダン博士:インドの医療技術イノベーション・エコシステム

11:15-11:20
タルナ・マダン博士への聴衆からの質問

11:20-11:40
スミット・アガルワル博士:革新的な医療提供ソリューション

11:40-11:45
Q&A:スミット・アガルワル博士への聴衆からの質問

11:45 - 12:05
デボジョティ・チャクラボルティ博士:リソースが限られた環境におけるゲノム編集療法の進展

12:05-12:10
Q&A:デボジョティ・チャクラボルティ博士への聴衆からの質問

12:10-12:15
セッション議長:閉会の辞と謝辞

実施レポート

【振り返り】

「ヴァスダイヴァ・クトゥンバカム(世界はひとつの家族):公平な医療を目指すインドのグローバル・ビジョン」と題された本セッションは、インドが包括的・包摂的かつ未来志向で医療提供とイノベーションに取り組んでいる姿勢を力強く示す機会となりました。インド保健福祉省(MoHFW)がインド医学研究評議会(ICMR)を通じて主催したこのプログラムでは、インドの公衆衛生分野で開発された多様なモデルや技術革新について、5名の専門家がオンライン登壇により紹介しました。

冒頭で登壇したサリタ・ナイル博士は、インドが世界規模で活用可能な、地域に根ざしたスケーラブルな医療イノベーションを提示したいという意図を強調しました。「ヴァスダイヴァ・クトゥンバカム」(世界はひとつの家族)というサンスクリット語の理念は、本セッション全体のテーマを象徴するものであり、オープンソースによる技術開発、公民連携、草の根レベルでの参加を通じて、グローバルな健康の公平性を実現しようとするインドの姿勢を明示しました。

各講演では、感染症、非感染性疾患、デジタル医療包摂、緊急対応といった分野で、インドがいかに効果的な医療モデルを築いてきたかが紹介されました。プラギャ・ヤーダヴ博士は、バイオセーフティおよびパンデミック対策におけるインドの進展について発表し、ICMR-NIOH(国立職業衛生研究所)の迅速かつ科学に基づいた感染症対応の重要性を強調しました。彼女は、インド国内の強固な検査ネットワークとリスクコミュニケーションツールを紹介しました。

タルナ・マダン・グプタ博士は、基礎研究を社会実装につなげるトランスレーショナルリサーチの事例、特にワクチン開発や診断技術の革新について紹介しました。一方、スミット・アガルワル博士は、ドローンを活用して医療物資をへき地に届ける「iDroneプログラム」を紹介し、地理的・インフラ上の障壁を打ち破る医療提供ソリューションとして注目されました。

デボジョティ・チャクラボルティ博士は、ゲノム編集や細胞療法といった次世代医療の進展について発表し、インドが個別化医療や先進治療の分野でも存在感を高めていることを示しました。彼は、低コストかつ効率的な「フルガル・イノベーション(倹約型技術開発)」によって、新興国でも高品質な医療技術が利用可能になる可能性を強調しました。

全体を通じて、登壇者たちが一貫して強調したのは「アクセシビリティ(アクセス可能性)」でした。これは単に医療費の安さだけでなく、物理的な到達性、データへのアクセス、設計段階での包摂性など、より広い意味でのアクセス可能性を含んでいます。

本セッションの大きな特長は、「再現性」と「適応性」に焦点が置かれていた点です。紹介された各イニシアチブは、単なるインド国内での成功事例にとどまらず、グローバル・サウス(南半球諸国)をはじめとする他国の医療課題解決にも応用可能なモデルとして提示されました。

まさに本プログラムは、インドが単に医療イノベーションをリードするのではなく、世界とともに連携しながら、公平性・技術・連帯を柱とした医療ビジョンを具体化しようとする意志を体現したものでした。

【会期後の取り組み】

このセッションを経て、インドは公平な医療提供における国際連携を促進するため、いくつかの万博後イニシアチブを検討中です。

まず、ICMRは、インド太平洋およびアフリカ地域を中心に、感染症サーベイランスに関する二国間研究協力を模索しています。インドのバイオセーフティ技術や低コストの診断技術は、リアルタイムでの病原体追跡や緊急対応のパイロットプロジェクトにおいて、共同研究の強力な分野となり得ます。

次に、iDroneプログラムは、国際的なスケーラビリティ検証の段階に入りつつあります。インド以外の災害多発地域やへき地での実証実験が議論されており、アクセス困難な地域への医療物流支援が期待されています。2026年に「グローバル・ドローン医療配送シンポジウム」を共催する案も、現在内部検討中です。

さらに、ICMRおよび関連機関は、インドのオープンアクセス型メドテック・イノベーションのグローバル展開も進めています。これには、携帯型診断機器、モジュール型脳卒中ユニット、地域医療向けAIトリアージツールなどの技術ライセンスが含まれます。現在、「オープン・ヘルス・イノベーション・エクスチェンジ・プラットフォーム(低所得国向け低価格医療技術共有のための仕組み)」の構想が進行中です。

また、万博期間中に始まったアカデミックおよび政策レベルの対話は、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々を結ぶ「南南医療イノベーション・アライアンス」の設立につながる可能性もあります。このアライアンスでは、研究インフラ、保健データガバナンス、人材育成の共通基盤構築が目指されています。

大阪・関西万博におけるインドの医療ショーケースは、国内の進展を世界に示すだけでなく、公平性・スケーラビリティ・共創を軸に据えた国際連携の出発点ともなりました。「ヴァスダイヴァ・クトゥンバカム」の精神は、今や行動を伴うグローバル・ヘルスの理念として現実のものとなりつつあります。

出演者情報

登壇者

サリタ・ナイル博士

政策・広報部長

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プラギャ・ヤーダヴ博士

ICMR-NIOH責任者

感染症対策

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タルナ・マダン・グプタ博士

開発部門長

メドテック・イノベーション

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スミット・アガルワル博士

iDRONEプログラムPO

医療サービス

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デボジョティ・チャクラボルティ博士

IGIB(インド)主任研究員

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健康とウェルビーイング ウィーク

ヴァスダイヴァ・クトゥンバカム(世界はひとつの家族):公平な医療を目指すインドのグローバル・ビジョン

インド保健福祉省(MoHFW)はインド医学研究評議会(ICMR)を通して、インドの医療における革新的な進歩を紹介します。主な内容として、最先端のパンデミック対策ツールやドローンによる医療提供、移動式脳卒中ユニットなどの画期的な取り組みがあります。この発表の狙いは、グローバルな健康の確保、普遍的な医療へのアクセス、そしてすべての人の幸福に向けたインドの貢献を強調することです。※スピーカーは全員オンライン登壇になります。英語から日本語へ逐次通訳の予定です。

  • 20250625日(水)

    10:0012:30

    (開場 09:30)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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