健康とウェルビーイング ウィーク
サイエンス・テクノロジーの進展
2025年日本国際博覧会協会
本プログラムは、テーマウィーク全体協賛者と連携して博覧会協会が企画・実施する「アジェンダ2025」の一つです。「サイエンス・テクノロジーの進展によって、未だ満たされていない健康/Well-beingのニーズにどのようにアプローチしていくか」というセントラルクエスチョンを中心に、トークセッションが展開されます。
映像記録有り
対話プログラム
- その他
同時通訳 | 提供する |
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発信言語 | 日本語及び英語 |
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アジェンダ2025
主催プログラム
- 開催日時
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2025年06月28日(土)
10:00 ~ 12:00
(開場 09:30)
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- 開催場所
- テーマウィークスタジオ
プログラム内容
*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)
幹細胞、AI、スマートウォッチなど、これらは今後数年間で人間の健康を変える可能性を秘めたブレークスルーのほんの一部である。このセッションでは、これらのテクノロジーの最前線で活躍する4人のイノベーターから、差し迫った医療ニーズを満たすためにどう取り組んでいるかを聞き出していく。彼らの目を通して、医療の未来はどのように見えるのだろうか?それを実現するために、彼らはどのような課題に直面しているのだろうか?そして、これらの進歩が、裕福な人々だけでなく、世界中の人々に利益をもたらすようにするには、どうすれば良いのだろうか?
実施レポート
【プログラム要旨】
本セッション「サイエンス・テクノロジーの進展」は、テーマウィーク「健康とウェルビーイングウィーク」の一環で2025年6月28日に開催され、急速に進化する科学技術が人々の健康と福祉にもたらすインパクトについて議論された。iPS細胞、AI、医療DX、アクセシビリティ、科学ジャーナリズムといった多角的な視点から、科学の進展と社会実装、そして科学に対する信頼や倫理的課題にまで踏み込んだ濃密な議論が展開された。
モデレーターは『サイエンス』誌の特派員であるカイ・クプファーシュミット氏が務め、登壇者には、再生医療を牽引する金子新氏(京都大学)、医療AIスタートアップの創業者チャリット・ボグラジ氏(Tricog Health)、AIスーツケース開発で知られる浅川智恵子氏(IBM/日本科学未来館)、免疫研究者としてグローバルヘルスに貢献するダンミャ・ラウイ氏(ブリュッセル自由大学)が名を連ねた。
それぞれの専門分野で革新を進める登壇者たちが、科学技術の現在と未来に対する展望と課題、そして社会とテクノロジーのあるべき関係について語り合い、科学がどのように人間社会に根ざし、未来を形作っていくのかを多層的に探る場となった。
【カイ・クプファーシュミット 氏 発言要旨】
カイ・クプファーシュミット氏(サイエンス誌 寄稿特派員)は、ジャーナリストの視点から「科学と社会のつながり方」について、多くの実例を交えて講演した。彼はまず、自身のキャリアを紹介しながら、科学が市民にとって意味あるものになるには「物語の力(ナラティブ)」が不可欠であると強調した。特にパンデミック時代において、科学的事実がただ正確であるだけでは不十分であり、社会の中でどのように理解され、受け入れられるかが決定的な要因になるという。
クプファーシュミット氏は、「科学とは単なる知識の蓄積ではなく、私たちが世界とどのようにつながるかを定義する営みである」と述べた。その上で、科学コミュニケーションの核心には「信頼の構築」があると語る。彼は、パンデミック時にワクチンの安全性やマスク着用の有効性について、科学者と市民の間でしばしば信頼が揺らいだ現象を例に挙げ、「科学は社会との関係性の中で意味を持つ」と指摘した。
また、AIのような先端技術についても同様の課題が存在するとし、「技術的な正しさ」と「社会的な納得感」の間にあるギャップに注意を促した。科学者が“なぜこの技術が必要なのか”を市民の言葉で説明する能力が求められていると述べ、科学と市民の間をつなぐ「翻訳者」としての科学ジャーナリストの役割がますます重要になっていると語った。
そのうえで、クプファーシュミット氏は万博の意義にも言及した。万博のような場は、科学と社会が出会い、対話を通じて未来を共に描く稀有な機会であるという。技術の進展が社会の分断を加速させるリスクがある一方で、万博はそれを乗り越え「共通の未来ビジョン」を創造する装置であると位置づけた。
さらに、科学の役割は単に問題を解決することにとどまらないとし、「科学は社会の価値観を問う存在でもある」と主張。たとえば気候変動や医療倫理のように、科学的知見をもとに社会が何を優先するかという選択が求められる分野では、科学者と市民が対話を通じて価値を共有するプロセスこそが不可欠だとした。
最後には、科学に対する不信や誤解が広がる現代社会において、ジャーナリズムの責任は大きく、特に「不確かさを伝える勇気」が必要であると強調した。科学の本質は常にアップデートされる「仮説の積み重ね」であり、それを誠実に伝えることが、社会の成熟につながると述べた。そして、「科学は人間の営みであり、私たち全員の物語の一部である」と語り、締めくくった。
【ダンミャ・ラウイ 氏 発言要旨】
ダンミャ・ラウイ氏(ブリュッセル自由大学・免疫学センター教授)は、自身が取り組むがん免疫療法の研究成果と将来の展望について発表した。彼女はまず、がんがいまだに世界第2位の死因であり、特に日本では第1位であることを指摘し、その主因が「転移(メタスタシス)」にあると述べた。多くの患者は初発の腫瘍自体ではなく、がん細胞が他の臓器へと拡がることによって命を落とす。しかし現在、転移に対する有効な治療法は限られている。
ラウイ氏は、がんが患者ごとに異なる遺伝的背景を持つことから、個別化された治療法の必要性を強調した。そこで彼女が注目するのが、免疫システムの活用である。免疫系は全人類に共通しながらも、非常に高機能で柔軟な仕組みを持っており、特に彼女が研究対象とする「樹状細胞(デンドリティック・セル)」は、がん免疫において鍵となる細胞であるという。樹状細胞は腫瘍内に入り込み、がん細胞の断片(腫瘍抗原)を取り込み、それを「兵士」にあたるT細胞へと提示し、攻撃命令を伝える役割を果たす。さらに、免疫記憶を生成することで、再発に対する防御力を備えることができる。
彼女の研究チームは、マウスモデルを用いて、がん組織から優れた樹状細胞を分離し、それを再び患者に戻すという個別化ワクチン療法を開発した。この手法により、体内の微小転移をも標的とし、長期的な再発予防効果を実現できる可能性が示された。この技術は臨床応用に向けて既に準備が進められており、2026年から2027年にかけて第1相臨床試験をベルギーで開始する予定であるという。日本国内での共同研究への期待も述べられた。
さらに、ラウイ氏は未来の理想的ながん治療像として、「AIと多層的解析による個別最適化治療」を提示した。患者から腫瘍のバイオプシーを取得し、空間トランスクリプトミクスやシングルセルRNA解析などの技術で免疫構成を可視化。これらのデータをAIにより解析し、その患者に最適な治療構成(樹状細胞ワクチン、mRNAナノ粒子、抗体、ナノボディ等)を設計する未来を描いた。さらに再バイオプシーにより治療効果をリアルタイムで評価・学習する「学習型医療モデル」によって、がん治療は大きく進化すると予測している。
最後にラウイ氏は、この研究はまだ始まったばかりであり、実現までには課題も多いが、技術の進歩と国際的な協力によって、個別化医療ががんの克服につながる未来を創出できると強い期待を寄せてプレゼンテーションを締めくくった。
【金子 新 氏 発言要旨】
金子新氏(京都大学 iPS細胞研究所 教授、筑波大学 医学医療系 教授)は、がん免疫治療の第4の柱として注目される「iPS細胞技術を用いたT細胞再生療法」について紹介した。従来のがん治療は、手術、抗がん剤、放射線の三本柱で構成されてきたが、近年では「免疫療法」が新たな選択肢として加わっている。特にT細胞を活性化させてがん細胞を攻撃する治療法は、標的性と持続性に優れた効果が期待されており、その応用が急速に進んでいる。
金子氏はまず、現在のがん免疫療法には大きく二つの方向性があることを説明した。ひとつは、T細胞の免疫抑制状態を解除する「免疫チェックポイント阻害剤」であり、もうひとつは、T細胞を遺伝子改変してがんを特異的に認識させる「CAR-T細胞療法」などの細胞療法である。しかしながら、これらの治療法はしばしば患者自身のT細胞を利用するため、細胞が老化していたり機能が低下していたりすると、治療効果が限定されてしまうという課題がある。
この課題を克服するために、金子氏はiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いるという新たなアプローチを提示した。患者由来のがん特異的T細胞を初期化してiPS細胞に再プログラミングし、そこから若く、活性の高いT細胞を再構築するというアイデアである。これにより、元のT細胞の抗原特異性を保持しながら、若く強力な細胞を大量に供給することが可能となる。この概念実証は動物実験で成功しており、将来的な臨床応用の可能性が見えてきた。
当初、この治療法は「個別化が進みすぎて非現実的」と判断され、企業や出資者からの支援を得るのが困難であったという。そこで氏らは、患者ごとの個別化ではなく「万人に対応可能なオフ・ザ・シェルフ型免疫細胞製剤」へと発想を転換。具体的には、健常ドナー由来のiPS細胞を用いて、がん共通抗原(たとえばGPC3)に反応するT細胞受容体を導入し、免疫拒絶を回避する遺伝子改変を施すことで、誰にでも適用可能なT細胞を開発した。このiPS-T細胞製剤は、大量生産・冷凍保存が可能であり、2026年より肝細胞がんや大腸がん、非小細胞肺がんの患者に対する臨床試験が開始される予定である。
さらに金子氏は、「個別化治療の夢を諦めない」と語った。全自動で必要なiPS-T細胞を製造できるコンパクトな装置「My Tサーバー」の構想も紹介され、2040年には患者ごとにオンデマンドで治療細胞を生成できる時代の到来を見据えている。これは、パーソナライズド医療と汎用的治療の両立を目指す試みであり、技術の進歩と産学連携の結晶であると強調した。
【チャリット・ボグラジ 氏 発言要旨】
チャリット・ボグラジ氏(Tricog Health Pte Ltd. 創設者、博士)は、自身が目指す「心疾患における迅速かつ普遍的な診断環境の実現」について、個人の経験と起業の歩みを交えて紹介した。彼はまず、世界の死因の第1位が心疾患であり、2025年末までに約2000万人が心疾患により命を落とす見通しであるという現実を指摘した。そのうち半数は、正確な診断と早期の治療さえあれば救えた命であるとし、問題は「いつ・どこで診断されるか」にあると語った。
この問題意識の背景には、彼自身が20年間にわたり循環器内科医として活動してきた経験がある。彼は、特に発展途上国では専門医が都市部の大病院に偏在しており、地方やコミュニティに住む患者が適切なタイミングで診断・治療を受けられない構造的課題に直面してきた。こうした状況を打破すべく、2009年にインドでTricog Healthを創業した。
Tricogのシステムは、地方の診療所や看護施設、コミュニティセンターに設置されたECG(心電図)やエコーなどの診断デバイスと、クラウド上に構築されたAIプラットフォームを組み合わせたものである。患者から収集されたデータは、AIによってわずか6分以内に解析され、140種類以上の心疾患に関する診断レポートが即座に現場に戻される。これにより、専門医がいない地域でも高度な診断が可能となり、診療の質とスピードが飛躍的に向上した。
現在、このサービスは世界14か国以上の12,500以上の医療施設で導入され、これまでに2,700万人以上の心疾患リスク者のスクリーニングを実現している。2030年までに1億人の診断支援を目指しており、AIの活用によって「家庭レベルでの心臓病予測」が可能な未来を描いている。
ボグラジ氏はまた、AIに対する社会の受容性の変化にも言及した。創業当初、医療分野におけるAI活用には大きな抵抗があったが、近年ではChatGPTのような生成AIの普及がその心理的ハードルを下げつつあるという。今後は規制当局との対話を深め、医療AIの安全性・有効性を示すことで、正式な承認取得を目指していると語った。
さらに、AIを活用した医療イノベーションは、いわゆる「リバース・イノベーション(途上国発の技術革新)」の可能性を秘めているとも述べた。ボグラジ氏のアプローチは、最初からリソース制約のある環境で機能するソリューションを開発し、それを先進国にも展開するという逆転の発想である。心疾患は世界中で共通する病態であることから、AIによって訓練されたモデルが地域を超えて適用できることは、グローバルヘルスの大きな進歩につながると期待を示した。
【浅川 智恵子 氏 発言要旨】
浅川智恵子氏(IBM フェロー IBM Research/日本科学未来館館長)は、自身の視覚障害者としての経験に基づく技術開発と社会実装への挑戦について語った。彼女は11歳で事故により視力を失い、14歳で完全に失明したが、そこから「自立したい」という強い思いを原動力に、技術開発の道を歩んできたと述べた。1985年にIBMに入社後、情報アクセシビリティの分野で画期的な研究開発を進め、近年は視覚障害者の「移動の自由」を実現するためのナビゲーション技術に取り組んでいる。
浅川氏が開発を進めている「AI スーツケース」は、視覚障害者が街中を自由に歩くためのナビゲーションロボットである。このロボットには、LiDAR センサーや RGBD カメラ、GNSS アンテナ、AIによる音声対話機能などが搭載されており、周囲の環境や人の動きを把握しながら、目的地まで安全に誘導する機能を備えている。ユーザーはハンドルの操作や音声指示により行き先を設定でき、実際の使用映像では「フランス館に行きたい」といった要求に応じて、障害物を避けながら自律的に誘導する様子が紹介された。
この取り組みの背景には、「かつて夢だった未来像を実現したい」という思いがある。浅川氏は幼少期に見ていたSF番組『光速エスパー』に登場する「チカ」に着想を得て、視覚情報を音声で提供する AI エージェントの構想を練ってきたという。現在は、万博会場においてAIスーツケースの実証実験が進行中であり、参加者からは「健常者と同じように歩けた」「未来への希望を感じた」といった前向きな声が多数寄せられている。
一方で、実用化に向けては技術的課題だけでなく、社会的・制度的な壁が存在すると氏は指摘する。たとえば、空港の保安検査をスムーズに通過できるか、交差点で信号と通信できるかといったインフラ面の課題や、プライバシーへの懸念などがある。特にAIスーツケースにはカメラが搭載されているため、「見られている」ことへの不安感を周囲に与える可能性があり、社会的な理解と受容が不可欠である。
この点について浅川氏は、この点について浅川氏は、盲導犬の社会的認知が時間をかけて広まった例を引き合いに出し、に出し、「AIスーツケースも同様に、社会にとって『当たり前の存在』になるには時間と対話が必要」と述べた。現段階では建物内での使用(ショッピングモールや美術館、空港など)において技術的な準備が整っており、今後はオフィスや街中での実用展開に向けた取り組みを本格化させたいとの意向を示した。
また、浅川氏は過去のいくつかの技術革新の原点に「アクセシビリティの追求」があると強調した。電話やインターネットといった技術も、元をたどれば障害者のニーズが発明のきっかけの一つになった歴史があり、アクセシビリティの向上が社会全体を変えるイノベーションの契機になり得ると訴えた。そして、「大阪・関西万博がその社会実装の起爆剤になることを願っている」と力強く締めくくった。
【ディスカッション要旨】
セッション後半のディスカッションでは、モデレーターのカイ・クプファーシュミット氏が各登壇者に問いかけを行い、「テクノロジーがもたらす健康とウェルビーイングの未来」「科学と社会の架け橋としての信頼構築」など、現代社会の核心に迫るテーマについて意見が交わされた。
まず、クプファーシュミット氏は「科学やテクノロジーを、より多くの人々にとって意味あるものにするには何が必要か?」と投げかけた。これに対し、浅川智恵子氏は「科学者や技術者は、社会の声を聞きながら開発を進めるべき」と述べ、視覚障害者の声を起点としたAIスーツケースの開発事例を紹介。社会課題に根ざした技術こそが真に必要とされると強調した。
金子新氏は、「iPS細胞によるT細胞再生療法」などの最先端医療を例に挙げ、「科学の進展は倫理的、社会的インパクトを伴うものであり、その受容性を高めるには、わかりやすく誠実な説明と対話が重要」と述べた。また、再生医療は「夢」であると同時に「責任」でもあるとし、科学の透明性と信頼性の両立を課題として挙げた。
チャリット・ボグラジ氏は、テクノロジーが「人と人との距離を縮めるために使われるべき」と語り、AIによる医療診断支援システムが実際に患者の命を救っている事例を紹介した。特に、「AIが医療格差を是正するツールとなる可能性」を強調し、開発国や先進国の区別なく技術を普及させる重要性を訴えた。
ダンミャ・ラウイ氏は、「グローバル・サウスにおける科学的信頼の醸成」に注目し、研究インフラが整っていない地域でも、現地の文化や医療慣習と融合させることで、科学技術が定着しやすくなると提言した。また、異なる文化的背景においては、科学者が「説明者」ではなく「共創者」として信頼関係を築くことが求められると述べた。
このような議論を受け、クプファーシュミット氏は「科学者・技術者・ジャーナリストそれぞれが“翻訳者”の役割を果たし、複雑な技術を生活者の文脈に落とし込む努力が必要だ」と締めくくった。また、「不確かさを含んだままでも伝える勇気」が、これからの社会の成熟に欠かせないと述べ、科学と社会の相互理解の深化に向けた課題と希望を示した。
出演者情報
モデレータ
©Valeria Mitelman
カイ・クプファーシュミット
サイエンス誌 寄稿特派員
カイ・クプファーシュミットはフリーランスの科学ジャーナリストです。サイエンス誌の寄稿記者として、長い間感染症とグローバルヘルスを取り上げてきましたが、幻覚剤の研究や誤情報の科学についても執筆しています。彼の著作は多くのドイツのメディアに掲載されており、ドイツエイズ財団のジャーナリズム賞やNASW社会科学ジャーナリズム賞など、いくつかの賞を受賞しています。ポッドキャスト「Pandemia」の共同制作者、兼共同司会者でもあります。カイは分子生物医学の学位を持っており、感染症に関する本と青色に関する本、「青、自然界で最も希少な色を求めて」の2冊の本を書いています。
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登壇者
浅川 智恵子
IBM フェロー IBM Research/日本科学未来館館長
1985年日本IBMに入社.情報アクセシビリティの研究に従事.工学博士.2009年IBM Fellow就任.2014年よりカーネギーメロン大学に赴任し,リアルワールドアクセシビリティの研究に従事.現在はAIスーツケースの開発を推進.2021年より日本科学未来館館長を兼務.
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チャリット・ボグラジ
Tricog Health Pte Ltd. 創設者、博士
Charit Bhograj博士は、著名なインターベンショナル心臓専門医であり、AI主導の大手ヘルスケア企業であるTricog Healthの創設者である。内科のMDと心臓病学のDMを持つBhograj博士は、心臓病学の分野で20年以上の経験を蓄積してきた。彼の専門的な旅には、マニパル病院のコンサルタント心臓専門医やバンガロールのバプティスト病院の臨床サービス責任者などの重要な役割がある。医療提供を改善し、心臓病による予防可能な死亡を減らすという重要なニーズに動機付けられて、Bhograj博士はTricog Healthを設立した。高度な技術を活用して心臓疾患の迅速な診断と管理を促進し、世界中の患者の転帰を大幅に向上させている。Tricogは、アジアとアフリカで2,300万人以上の患者の生活に関わってきた。14カ国の25,000人以上の医師、11,500人以上の医療提供者、政府が、心臓病患者の治療にTricogを信頼している。Tricogは、2030年までに1億人の心臓病患者をスクリーニングすることを目指しており、AIを活用して世界の心臓病の負担軽減を目指している。
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金子 新
京都大学 iPS細胞研究所 教授、筑波大学 医学医療系 教授
金子新(免疫再生、腫瘍・感染免疫)
京都大学iPS細胞研究所・増殖分化機構研究部門 免疫再生治療分野 教授。専門は、免疫再生、腫瘍・感染免疫。1995年筑波大学医学専門学群卒業、2002年博士(医学)取得。筑波大学大学院医学研究科において造血幹細胞遺伝子治療ならびに免疫遺伝子治療の研究を行う。学位取得後は、日本学術振興会特別研究員、筑波大学血液病態制御医学(血液内科)講師、2005年サンラファエレ研究所(イタリア)研究員を経て、2008年東京大学医科学研究所助教を務め、2012年より京都大学iPS細胞研究所 同部門准教授、2020年より、現職、及び、筑波大学医学医療系・臨床医学域 がん免疫治療研究分野 教授。2013年から17年にiPS細胞研究所附属細胞調製施設(FiT)施設長、2021年同研究所附属動物実験施設長、2022年から24年に同研究所副所長を兼任。
iPS細胞の特性を生かした免疫再生治療の実現に向けた研究を行っている。
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ダンミャ・ラウイ
ベルギー・ブリュッセル自由大学免疫学センター 教授 樹状細胞生物学・がん免疫療法研究室グループリーダー、フランダース生物工学研究所、ベルギー
ブリュッセル自由大学大学院博士号取得(バイオエンジニアリング科学)。スイス連邦工科大学ローザンヌ校での博士研究員を経て、2020年にブリュッセル自由大学免疫学センターの研究教授に任命、2022年にはフランダース生物工学研究所(VIB)のグループリーダーに就任。
腫瘍の進行における免疫細胞(樹状細胞)の役割を研究テーマとし、樹状細胞を用いた新規の個別化(コンビナトリアル)免疫療法を開発し、がん治療を強化する先駆的研究で知られている。チームでは、シングルセルRNAシーケンス、CITE-seq(トランスクリプトームとエピトープの細胞インデックス)、高度フローサイトメトリー、空間トランスクリプト-ム、mRNAを基礎とした免疫療法などの最先端技術を駆使している。
研究とサイエンスコミュニケーションへの貢献が認められ、2017年にMIT Innovator under 35 Europe Award、2018年にNew Scientist Award、2020年にCollen-Francqui startup-chairを受賞し、2024年にはベルギー王国より王冠勲章コマンドール章(Commander of the Order of the Crown)を受勲した。自身の研究活動のほか、若い女性たちにSTEM分野の職業や研究を追求することを奨励している。
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健康とウェルビーイング ウィーク
サイエンス・テクノロジーの進展
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2025年06月28日(土)
10:00~12:00
(開場 09:30)
- テーマウィークスタジオ
- ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
- ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。
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