EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

展示・ショーケース:
・タイの基礎教育向けAIカリキュラム:AI基礎、応用、倫理と社会的影響
・教育技術、インタラクティブメディア、IPSTのデジタル学習プラットフォーム
・コンピューターサイエンス・AIカリキュラムと教室環境のビジュアルプレゼンテーション
・「AIと学ぶ」「AIについて学ぶ」のホログラム プレゼンテーション
・IPSTの特許取得済み教材・ツール

活動・ワークショップ:
・STEAM、コーディング、AIのハンズオン活動・教育ボードゲーム

実施レポート

【振り返り】
タイ教育科学技術研究所(IPST)が実施した展示・ワークショップでは、教育メディアを活用した活動や、思考力を育むゲームが来場者の関心を集め、会場は大いに賑わいました。来場者は、タイにおけるSTEM教育の取り組みや、各国の事例について意見を交わす機会にも恵まれ、国際的な学びの交流が生まれました。

来場者の約9割を日本人が占め、とりわけ家族連れを中心に高い人気を集めたのが「ペリスコープ(潜望鏡)づくり」のワークショップでした。子どもたちは工作を通じて目を輝かせながら熱中し、大人たちからは「子ども時代を思い出した」「久しぶりにワクワクした」といった感想が寄せられ、世代を超えた学びの楽しさが印象的な体験となりました。
また、算数教材や「計算論的思考力」を育てるカードゲームについても、「遊びながら考える力が伸ばせる」「抽象的な概念が楽しく学べる」と高く評価されました。特に保護者からは、「子どもの論理的思考や問題解決力を育む教材として有効だ」との声が寄せられ、ゲーム形式の学習素材の魅力が伝わる結果となりました。

教育関係者や教員の来場も多く、展示された教育技術や教材への専門的な意見も多く寄せられました。中でも、タイの基礎教育カリキュラムがテクノロジー活用とSTEM教育に重点を置いている点について高い関心が示され、「タイの教育は非常に先進的である」との評価をいただきました。

本展示は、タイがいかに教育イノベーションとテクノロジーの融合を進めているかを示す好機となり、世界の技術的潮流に柔軟に対応しつつも、学びの基本を大切にする姿勢が来場者に強い印象を与えました。特に、実際に手を動かして学ぶ「体験型」の教育アプローチは、STEM教育において非常に効果的であることが再確認されました。

この経験は、多様な年齢層や文化背景に訴求する教育プログラムの重要性を改めて示しています。誰もが「自分の手で作る・学ぶ」ことに喜びを感じるという、普遍的な学びへの欲求が体験を通じて明らかになりました。こうした前向きな反応は、IPSTが展開する教育の方向性を力強く後押しするとともに、タイ発のSTEM教材が国際的にも高い関心と共感を得られる可能性を示すものとなりました。


【会期後の取り組み】
来場者からの好意的な反響を受け、タイ教育科学技術研究所(IPST)は、得られた知見を今後の主要な教育施策に活かしていきます。
IPSTは、引き続きAI教育の推進やカリキュラム開発に取り組むとともに、STEM教育や教育メディアの研究を通じて、グローバルな変化に対応した教育環境の整備を目指しています。
さらに、教師の育成支援や、STEM分野における才能ある児童・生徒の育成にも力を注ぎ、教育を通じた社会・経済発展の原動力となることを目指しています。

AI教育カリキュラムの整備は、段階的かつ体系的に進められており、基礎枠組みの完成後には本格的な全国展開が予定されています。このカリキュラムは初等・前期中等・後期中等の三段階で構成されており、各年齢に応じた内容で段階的にスキルを育成します。これにより、タイの子どもたちは早い段階から計算論的思考力やAIリテラシーを身につけ、将来のデジタル社会への対応力を備えることができます。また、教師向けの研修もあわせて実施し、効果的な導入と運用を支援していきます。

もう一つの重点分野であるインタラクティブ教育メディアの開発では、対象科目の拡充に加え、多言語対応を進めていきます。複数言語による学習教材を開発・提供することで、国際的な学習者層にも広くアプローチし、タイ発の教育イノベーションを世界に発信していく構えです。これにより、IPSTは教育技術分野における地域のリーダーとしての地位を確立することを目指しています。

特に、教材展示や体験型ワークショップに対する来場者からの熱心な反応は、国際展開の可能性を強く示唆するものであり、体験型学習アプローチの普遍的な魅力を再確認する機会となりました。IPSTでは現在、海外の教育現場に向けた体験教材の包括的パッケージ開発を進めており、文化の枠を超えて学べる教材の提供を視野に入れています。
たとえば、万博で実施された「ペリスコープ・ワークショップ」は、触れて・動かして学ぶ学習体験が文化の壁を越えることを示す好例となりました。IPSTでは、こうした体験型教材を世界各国の教育現場に適応可能な形で展開していく方針です。

こうした一連の取り組みは、IPSTの教育の質向上と国際的な連携への強い意志を示すものです。今後は、タイ国内の主要機関 ― 国家電子・コンピュータ技術センター(NECTEC)や初等教育委員会(OBEC)、私立教育委員会(OPEC)、バンコク都庁(BMA)、地方行政局(DLA)などとの連携を深め、全国規模での普及を図ります。
また、国際的なパートナーシップの可能性も追求し、先進的な教育ソリューションの開発を通じて、タイ国内外の学習者に貢献することを目指しています。

出演者情報

登壇者

チーラポーン・サンカウェタイ

タイ王国教育省・科学技術教育振興機構(IPST)

技術部 部門長

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サヤムチャイ・スクサイ

タイ王国教育省・科学技術教育振興機構(IPST)

技術部 上級学術研究員

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シヴァコーン・マラクル

タイ王国教育省・科学技術教育振興機構(IPST)

技術部 学術研究員

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共催者名

タイ王国教育省・科学技術教育振興機構(IPST)

学びと遊び ウィーク

スマート教育のためのデジタル技術

科学技術教育振興機構 (IPST)は、タイ教育省の下にある自治機関で、基礎教育レベルにおける科学、数学、技術教育の国家カリキュラム、教育メディア、品質評価の開発を担当しています。IPSTはまた、教師研修、人材育成、教育政策諮問も手がけています。

世界的に教育を変革している人工知能(AI)時代において、IPSTはデジタル技術を通じた教育と学習の向上に取り組んでいます。これには教育における基礎的な技術知識の支援が含まれ、タイ国民が世界の変化に対応し、タイの将来の産業を推進するために必要な知識とスキルを身につけることを確保しています。

  • 20250717日(木)

    09:3021:00

    (開場 09:30)

  • 各パビリオン
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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