EXPO2025 Theme Weeks

プログラム内容

*字幕:YouTube動画の右下「歯車」マークの「字幕」よりお選び下さい。
(複数言語、音声が重なる際等、字幕が掲出されない場合があります)

中島さち子テーマ事業プロデューサーのクラゲ館では誰もが光り輝きいのちを高めていける社会として多様な皆さんが参加していただくクラゲマドラー会という取組みを行ってきました。
多様な皆さんが楽しんでいただけるパビリオンにむけて話あって行く過程で新しい社会に向けてかき回していくマドラーとして活躍いただいた皆さんの声を「学びと遊びウイーク」の中で世界に向けてお届けしていきます。

※登壇者に一部変更がありました。

実施レポート

【振り返り】
冒頭、文科省の武藤久慶さんと中島さんより、今の日本の教育が進むべき方向性やクラゲ館の思想やSTEAM教育の今についてお話がありました。そして、最初のセッションでは、重度な心身障害のあるお子さんたちの福祉施設を運営するノーサイドの中西さんのモデレーションのもと、クラゲマドラーとして長らく協働してきた、視覚障害のあるネクストビジョン和田浩一さんや両耳聞こえなかったが今は人工内耳で聞こえる若手の斉藤凛花さん、車椅子でパラリンピックなどスポーツ界で活躍する日立ソリューションズAURORA の新田佳浩さん、岸澤宏樹さん、さらにデフリンピックでも活躍する日立医薬情報ソリューションズの信田光宣さんにより、闊達に素直な議論が交わされました。誰しも困る時は困るし、困らない時は困らない。困っていてほしいと思われがちだが、社会側にまだ障害があるだけで、みんな同じであり、一方で違う特性の人に出会うと感覚が広がり楽しいので、もっともっと社会を混ぜていきたい。そのために、現状の(特に日本の)学び・遊びの課題はどこにあり、未来の学び・遊びの場がどうあるべきか、などの議論がされました。二つ目のセッションでは、フィンランド出身で学習デザインや教員養成についての研究を神戸大学で行っているエルッキ・T・ラッシラさん、ガーナのSTEM 教育を牽引するアーネスト・コフィ デービスさん、さらにMITメディアラボの教授である世界的なメディアアーティスト、ザック リバーマンが登壇し、クラゲ館プロデューサー中島さんモデレーションのもとで、世界の学び・遊びの今を多角的に議論しました。ザックさんはテクノロジーを活用した、インクルーシブな学びの道具の可能性を創造的にワクワク伝え、ラッシラさんは「学習者の多様性・教員の多様性・学ぶ内容の多様性」といった多軸の観点が必要であるとの見解を紹介し、コフィさんはガーナの STEM 教育が進みたい方向性についてお話がありました。世界の各国が試行錯誤している状況は日本とも似ていると同時に、ヒントになるような話が豊富にあり、全般として非常に興味深いセッションとなりました。最後は武藤さんと中島で多くの気づきを得た時間を振り返り、未来の学び・遊びの設計に繋げていきたいとの意気込みが語られました。

【会期後の取組み】
今回のテーマウィークイベントは、登壇者・参加者双方の心を動かし多くの共感と示唆に富んだ対話が生まれました。この場で交わされた多様な視点や問いかけは、単なる一過性の発表や議論にとどまらず、これからの社会や教育、地域での取り組みにどう具体化していくかを考える出発点となりました。今後はこの経験を土台に、各分野の実践者たちとの協働を継続し、未来の「学び」と「遊び」のあり方を再構築していきます。
特に、第一セッションで語られた「混ざり合うことの楽しさ」や「社会の側にこそ障害がある」という視点は、私たちがこれから築くべき共生社会のヒントとなります。登壇者の皆さんが持ち寄った身体性や感覚の多様性は、教育・福祉・文化の各現場において分断ではなく「重なり」を生み出す可能性を感じさせました。会期後には、クラゲ館での実践や登壇者の経験をもとに、地域と連携したクラゲマドラーワークショップや教材開発など、感覚の違いに出会える場づくりを進めていきます。
また、第二セッションでのグローバルな議論からは、世界の学びの現場が直面する共通の課題と、その中で育まれている創造的な試みに触れることができました。フィンランド、ガーナ、アメリカ、そして日本。それぞれの土壌から生まれる実践をつなぎ、生成AIやデジタル技術を活用したインクルーシブな学びのツール開発、オンラインでの対話や共同制作の機会創出など、国境や制度を超えた協働の可能性をさらに広げていきたいと考えています。テクノロジーは単なる支援ツールではなく、共に遊び・学び・創るための「言語」として、その役割を果たし始めています。
さらに、文部科学省との連携も視野に入れ、次期学習指導要領の議論などにも踏み込みながら、教育政策や制度のあり方とも接続していく予定です。多様な感覚・背景・個性をもった子どもたちが、日常の中で安心して遊び、学び、表現できる環境づくりは、一部の先進事例にとどめることなく、より広範に展開すべき社会的課題です。クラゲ館や登壇者らの知見を活かし、学校・地域・行政の三者連携によるモデル実践の構築も検討してまいります。
このように、本イベントは単なる集いではなく、未来の実装へとつながる出会いの場。ここで交わされた観点や問いを、次なる行動へと育て、多様な人々が混ざりあい、互いに学び合い遊び合いながら社会を作っていけるような道筋を、共に描いていきます。

出演者情報

モデレータ

中島 さち子

テーマ事業「いのちを高める」(2025年日本国際博覧会協会)

音楽家・数学研究者・STEAM 教育者。
(株)steAm 代表取締役、(一社)steAm BAND代表理事、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、内閣府STEM Girls Ambassador、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員。国際数学オリンピック金メダリスト。音楽数学教育と共にアート&テクノロジーの研究も進める。

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武藤 久慶

文部科学省 初等中等教育局 教育課程課長

平成12年文部省入省。教育課程企画室、長期在外研究員(ハーバード教育大学院)を経て、北海道教育委員会に4年間出向。教育制度改革室長補佐、外務省一等書記官、大臣官房総務課副長、学校デジタル化プロジェクトチームリーダーなどを経て、令和6年4月より現職。

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登壇者

中西 良介

株式会社ノーサイド 代表取締役、クラゲ館インクルーシブ統括ディレクター

大阪で医療を必要とする重度障がいのある子どもから大人までの支援をしております。どんなに重度の障がいがあっても子ども達に安心できる居場所をそして社会と繋がれる機会を、またどれだけ障がいが重くても仕事に取り組める環境づくりを!!がノーサイドのテーマです。

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新田 佳浩

株式会社日立ソリューションズ チーム「AURORA」スキー部

小学3年生からクロスカントリースキーを始め、1998年長野パラリンピック大会を前
に日本代表にスカウトされる。以降7回連続パラリンピック大会に出場し、金メダル
3個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得した。日本のパラクロスカントリースキー
を牽引するレジェンドとして存在感を放つ。

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岸澤 宏樹

株式会社日立ソリューションズ チーム「AURORA」車いす陸上競技部

2018年から車いす陸上競技を始め、翌年の大分国際車いすマラソンハーフで新人賞を獲得。2022年には日本パラ陸上競技連盟の強化指定選手に選出。今年2月のUAE・シャルジャにおける国際大会で日本新記録を樹立した。2028年のロサンゼルスパラリンピック大会出場をめざし、成長を続ける。

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和田 浩一

公益社団法人NEXT VISION

1958年、愛媛県生まれ。中学2年生のときに網膜の難病と診断され、30歳で失明。
35年間にわたり盲学校の教員として勤務し、視覚障害教育における情報教育の推進に
取り組み、ソフトウェアの開発にも携わる。
現在は神戸アイセンターにて、「失明しても失望させない」ロービジョンケアを実践
する。

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齋藤凜花

外資系企業マーケティング職

2002年、愛知県生まれ。先天性重度聴覚障害を持ち、差別や孤独と向き合いながら、弁論で自らの声を届け続ける。内閣総理大臣杯や文部科学大臣杯で優勝。ウクライナ国境での支援活動や、女性の政治家育成プロジェクトに最年少で選出。2025年に早稲田大学を首席で卒業し、現在は外資系企業勤務。

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信田 光宣

株式会社日立医薬情報ソリューションズ総務部

私は聴覚障がい者で、日立に働いて約30年以上勤めています。
日本代表は約20年間で、デフリンピック6回目出場し、経験を活かせて今デフキッズバレーや各地バレー指導をやっています。
万博が終わった後、次は東京デフリンピックが開催されますので、共に盛り上がっていきましょう!よろしくお願いいたします。

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エルッキ・T・ラッシラ

神戸大学 人間発達環境学研究科 助教

主たる研究テーマは、異なる社会文化的文脈における教師の仕事、若手教員の育成、教育の国際比較、才能教育が教職や通常教育へもたらすチャレンジ、教師の思考及びナラティブ手法。フィンランドでの教員、教員養成指導経験を経、教員のナラティブ調査を通し、異文化・国際的観点から見た教育を論ずる。

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ザック リバーマン

マサチューセッツ工科大学メディアラボ教授・アーティスト

NY拠点のアーティスト・研究者。openFrameworks共同開発者でSchool for Poetic Computation(詩的な計算のための学校)共同創設者。MIT Media LabでFuture Sketchesを率い、身体動作とコードによる表現を探究し続けている。

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アーネスト・コフィ デービス

Ghana Education Service (GES)

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学びと遊び ウィーク

Inclusive JAM “We are ALL MINORITIES!!!”

ジェンダー、障がい・病気、国籍・人種などのテーマに対して、多様な立場・特性の人が集い、まずは互いに関わり合い、楽しく仲良くなりながらも、普段なかなか深く踏み込めない領域にて対話を生み出し、どうすれば、より多様ないのちが輝く未来社会を構築できるか、共に考えます。キーワードは We Are All Minorities! 自分の中の凸凹にも気づき、誰もが自分が好きなものを好きとのびのび言える社会を模索します。

  • 20250727日(日)

    10:0012:30

    (開場 09:45)

  • テーマウィークスタジオ
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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