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プログラム内容

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クサール・タフィラレットは、アルジェリアの建築遺産の世界的遺産としての保護と生態系保全への強いコミットメントの結晶であり、同時に現代性を融合させたプロジェクトです。

このプロジェクトは、遺産保護の分野でモデルかつ基準となる存在となり、地元産の建築材料を活用することで、現代の居住快適性、生物気候設計、環境持続可能性を成功裡に融合させています。
このプロジェクトは、建築的・生物気候学的基準に従って設計された、1,000戸を超える住宅ユニットからなるクサール(伝統的な複合施設)の開発に焦点を当てています。伝統的な建築と持続可能な開発を調和させ、環境保護と生活の質に特別な重点を置いています。
このクサールは、持続可能な開発の原則に従い、生物気候学的建設の優れた例として機能しています。伝統的なデザインと生態学的原則を統合し、環境保護の模範となる刺激的なモデルとなっています。
クサール・タフィラレットは、効率的な水利用、排水の再利用、廃棄物の回収など、エコフレンドリーな実践を促進し、アルジェリアにおける持続可能な都市開発のベンチマークとなっています。

受賞歴:COP22グリーンビルディング&シティソリューション賞(2016年)、Energy Globe National Award(2020年)、- 生物気候デザイン、水リサイクル、太陽光発電インフラ、アラブ環境連盟賞(2014年)、環境保全への取り組み、国際グリーン都市賞、Energy Globe Award(2023年、ノルウェー)

実施レポート

【振り返り】
本プログラムでは、持続可能な都市開発、社会的連帯、文化遺産の保全、そして環境保護の観点から注目を集める先駆的なプロジェクト「タフィラレット」が紹介されました。
会場となったアルジェリアパビリオンでは、アーメッド・ノアド博士が、持続可能な暮らしを実現する住民主導型の統合的な開発モデルとしての本プロジェクトの取り組みを紹介し、多くの来場者の関心を集めました。

アルジェリア南部のサハラ砂漠に位置するタフィラレットは、伝統的な建築様式と現代的な持続可能性の理念を融合させた、手頃な価格の住宅モデルです。細い路地や白い外壁、受動的冷却システムなど、自然の力を活かして快適な室内環境を保ちつつエネルギー消費を抑える設計がなされており、特にその気候適応型の住環境デザインが来場者の関心を引きました。

本プロジェクトはイバード派の「相互扶助」の精神に基づき、アミドゥール財団の主導のもと、住民が設計・管理に主体的に関与する協働型の開発モデルを採用しています。各家庭に植樹の義務があり、子どもたちはエコロジーやリサイクル、歴史、料理といった多様な学びを通じて、持続可能性への理解を深めています。

また、太陽光発電や水・廃棄物の再利用、動物の飼育を通じた資源循環など、包括的な環境マネジメントも実践されており、コミュニティ全体が循環型社会の構築に取り組んでいます。たとえば、コミュニティ内の小さな動物園では、生ごみを動物の餌として活用するなど、ゼロウェイストの思想が根づいています。

Q&Aセッションでは、伝統的な知恵と現代の環境技術の統合に対する称賛が寄せられ、文化遺産の保全と観光開発の両立に関する議論も交わされました。

タフィラレットは、社会的包摂と環境責任、伝統の尊重を兼ね備えたモデルとして、国内外における応用可能性を持つ優れた事例であると高く評価されました。


【会期後の取り組み】
タフィラレット・プロジェクトは、建築、都市計画、環境学、教育など多様な分野において、政策立案や学術研究の重要な参照事例となることが期待されています。
すでに複数の修士論文や研究論文が本プロジェクトを分析対象としており、その国際的な注目度の高さがうかがえます。

今後は、本モデルの知見を他地域へ展開するための国際的なネットワークの構築や、教育機関・自治体との連携を通じた環境教育プログラムの適用も検討されています。
また、人口減少や地域再生といった日本国内の課題に対しても、タフィレットの住民主体の都市開発アプローチは示唆に富んでおり、比較研究や政策提言の素材としての活用も見込まれます。

万博での発信を契機として、アルジェリアは今後も国際的な連携を深めつつ、持続可能なコミュニティづくりの知見を世界に広げていく考えです。

出演者情報

登壇者

アーメッド・ノア博士

アルジェリア アミドゥール財団

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食と暮らしの未来 ウィーク

持続可能な都市の成功モデル、クサール・タフィラレット

持続可能な都市の成功モデル、クサール・タフィラレット - 伝統的な建築と持続可能な近代的手法を融合させた、サハラ砂漠における先駆的なエココミュニティです。
1997年にアミドール財団によって設立され、包摂的で強靭かつ環境に配慮した都市開発の先駆的な事例となっています。
持続可能な都市開発における世界的リーダーシップを称えます。

  • 20250611日(水)

    13:3014:45

    (開場 13:15)

  • 各パビリオン
  • ※プログラム開催時間・内容は掲載時点の予定となります。変更については、当WEBサイトや入場券予約システム等で随時お知らせしてまいります。
  • ※プログラムの性質上、実施主催者の都合等に因り、ご案内時刻等が変動する可能性があります。

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