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コラム

進化する万博 - いま、なぜ「対話」なのか…

2025.02.28

みなさんは「万博」にどんなイメージを持っていますか?


「未来の技術が見られる」「世界のいろんな国の文化に触れられる」「面白い建物がいっぱいある」。

そんなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。


でも、2025年に開かれる大阪・関西万博では、ちょっと違うことにも挑戦します。

それが「テーマウィーク」という新しい取り組みです。

300以上のプログラムを通じて、世界中の人々が話し合い、地球の問題を一緒に解決しようというのです。




万博は、時代とともに変わってきた


万博の歴史は古く、今から174年前となる1851年の「ロンドン万博」までさかのぼります。


当時の万博は、国と国が最新技術を競い、来場者に披露する場所でした。

「この国はこんなすごい技術を持っているぞ」「私たちの国の文化はこんなに素晴らしい」といった具合に、

各国が自慢の品々を持ち寄って展示していたのです。


世界初の万博が開催された当時、産業革命の成果として話題となったクリスタル・パレス(水晶宮)を目掛けて、

世界中から約604万人もの人々が訪れました。

ガラスと鉄骨で作られた巨大なクリスタル・パレスには、各国が誇る工業製品や芸術品が所狭しと並べられ、

人々は自国の技術力や文化の優位性を競い合いました。



それから時代は100年経ち、1970年に日本で初めて開かれた「大阪万博」。

来場者は6400万人を超え、2010年の上海万博までは万国博覧会史上最多の入場者数でした 。



大阪万博のテーマは、「人類の進歩と調和」。技術文明の進歩を示すだけではなく、

その進歩が、同時に自然や人間性を損なうなど、様々なひずみにも目を向けて、

この問題をどう解決し、「調和」のある「進歩」をどう実現していくのかを考えていく万博としました。


そのテーマを元に、会場では各国の企業が革新的な技術を披露しました。

アポロ11号が持ち帰った「月の石」や、未来の暮らしを体験できるパビリオンに、人々は熱狂し、これからの未来に夢や希望を抱きました。

この時代、万博は企業が主役となり、最新技術や未来ビジョンを披露する場へと変貌を遂げていたのです。


そして今、万博はまた新しい形に変わろうとしています。


それは「世界の課題を、地球のみんなで解決する場所」課題解決型の万博という形です。

これまでの「国家主体」「企業主体」ではなく、地球に住む一市民として万博に参加する、という「市民主体」の形です。


2021年10月から開催された「ドバイ万博」では、2,410万人が参加し、オンラインでは2億4,800万人が来訪しました。

オンラインという技術を取り入れ、開催地に足を運ばずとも、参加できる形を確立しました。


それだけではなく、「心をつなぎ、未来を創る」をテーマに、

10つのテーマ(①気候変動と生物多様性、②宇宙、③都市と農村の開発、④寛容とと包容力、⑤知識と学び、

⑥旅行と交流、⑦sdgs、⑧健康とウェルネス、⑨食と農業暮らし、⑩水)に、

それぞれフォーカスした週を設けて、「対話する機会」を設けました。


この取り組みはこれまでの万博とは大きく異なり、世界の人々が半年間にわたり同じ場所に集まる万博の特性を生かしたものです。


SDGs(持続可能な開発目標)など社会的課題の解決を図る目的で、「テーマウィーク」として、

会場内外で1週間ごとにイベントを行いました。「テーマウィーク」は、レガシー(遺産)として閉幕後に記録を残すほか、

ビジネス創出の機会としても期待されています。


「対話」という手段で世界の問題解決に向けて考える、という新しい形の万博は、2025大阪・関西万博にも継承されます。

変遷図




なぜ、今「対話」が必要なの?

石川プロデューサー

「今、世界には一つの国や企業だけでは解決できない問題がたくさんあります」

そう話すのは、大阪・関西万博の会場運営プロデューサーの石川勝(いしかわまさる)氏。


たとえば、地球温暖化の問題。これは一つの国だけが頑張っても解決できません。

世界中の国々が協力しないと、地球を守ることはできないのです。

ほかにも、食料不足や貧困、人権の問題など、世界には様々な課題があります。


これらの問題を解決するために必要なのが「対話(話し合い)」なのです。



テーマウィークの意義とレガシー

テーマウィークロゴ


テーマウィークには、3つの大切な役割があります。


1つ目は、 ドバイ万博からのレガシーの継承です 。

ドバイ万博で始まった課題解決型万博としての真の役割を発揮する優れた事業であるテーマウィークを

大阪・関西万博は引き継ぎ、レガシーを継承していきます。


2つ目は、世界の対話の場ということです。

半年間同じ場に世界が集まる万博だからこそ、世界がじっくりと対話することが可能。

小さな声にも耳を傾けることで世界的な合意形成の場となります。



3つ目は、ビジネス界における共創の創出です。

現代の万博は経済外交の舞台。

ビジネスによる行動を伴う課題解決の仲間づくりによって、より良い未来の実現につながることが期待されます。



誰でも参加できるテーマウィーク

テーマウィークでは、一定期間ごとに違うテーマについて話し合います。

そして、参加方法はとても自由。  


会場に直接行って参加するのはもちろん、インターネットを使って自宅から参加することもできます。

言葉が違っても大丈夫。

通訳のシステムもあるので、世界中の人と話し合うことができるのです。


「私たちにも、世界を変えることができる」

テーマウィークが伝えたいのは、そんなメッセージかもしれません。

一人一人の声は小さくても、それが集まれば大きな力になる。


2025年、ここ大阪の地で、私たちは新しい万博の形を見ることになります。


【執筆】テーマウィークPR事務局

【公開日】2025年2月28日

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